【初心者のための、骨董・古美術用語!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

今回は、骨董・古美術の基本的な専門用語についてご紹介します。

【アルカイク・スマイル:archaic smile】

古代ギリシャ(紀元前600〜480年頃)の人物彫刻の口元に見られる微笑み。その影響を受けた仏像が中国六朝時代(222〜589年)や日本の飛鳥時代(592〜710年)の仏像にも見られます。

・使用例→→→広隆寺の『弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゆいぞう)は、アルカイック・スマイルと考えられている』など。

【アール・デコ:art deco】

1920〜1930年頃に流行した美術工芸様式です。もとの意味は「装飾美術」。それまでのアール・ヌーボー様式に代わって、合理性や簡潔さを目指した様式です。幾何学図形をモチーフとした模様が特徴的。フランスで起こったアール・デコはアメリカ、や日本など世界中の都市で同時代に流行しました。

・使用例→→→『アール・デコ様式の代表画家と言えば、タマラ・ド・レンピッカだ』など。

【アール・ヌーボー:art nouveau】

19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパで起こった建築・工芸の新様式。「新しい芸術」を意味します。花や植物、昆虫や動物などをモチーフにした自由で曲線的な装飾表現が特徴です。建築のガウディ、ガラス工芸のエミール・ガレなどが代表的。この芸術潮流は、数多くのパトロンを持ち、ブルジョワ階級の間で広がっていました。

・使用例→→→『ルネ・ラリックは典型的なアール・ヌーボー作家だ』など。

【合わせ箱・あわせばこ】

中身と箱が本来のものではなく、別のものを利用した箱のこと。共箱の対義語。中身がひとり歩きして出回り、箱書きつきの本物の箱に贋作が入って出回ってしまうことがあります。

・使用例→→→『出品されていて古伊万里茶碗は、合わせ箱だった』など。

サムライオークションは、骨董・古美術ビギナーを応援しています!

【余白を活かす日本人の美意識】

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日本人の美意識というと『わび・さび』『花鳥風月』『風流』などがあります。余計なものを引いて引いて、ミニマルな要素で本質を表現するといったイメージでしょうか。

伊藤若冲など、過剰なまでの精緻な表現も面白いのですが、やはり最小限の要素で構成され、余白を生かして鑑賞者の想像力に訴えかける作品に強く惹かれてしまいます。枯山水の庭などもその典型ですね。

ミニマルな表現といって思い出すのは、長谷川等伯(はせがわ・とうはく/1539〜1610年)の松林図屏風です。桃山時代を代表する狩野永徳とのライバル関係が取り上げられることが多い等伯ですが、作品はともかく、権力にすり寄った印象が強い一大集団である狩野派よりも、少数精鋭を貫いた等伯にシンパシーを感じてしまいます。実際に狩野派は、あの手この手を使って等伯の足をひっぱり、保身を図ったといわれていますね。

『洗練』という概念も、物事の本質をつかみ、余計なものを削除していったミニマルな状態を指していると思うのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。 サムライオークションは、多様な作家の古美術品を幅広くご提供していくこと目指しています。これからもどうぞご贔屓に!

【映画『アートのお値段』が面白かった】

こんにちは!《古美術専門のオークションサイト》サムライオークションです。

11月、渋谷のユーロスペースで『アートのお値段』という映画を観ました。ジェフ・クーンズ、ゲルハルト・リヒター、ジョージ・コンド、ラリー・プーンズなど、現代美術のビッグネームのほか、サザビーズやクリスティーズなどのトップオークショニア、美術評論家やキュレーター、ギャラリスト、そしてコレクターとオールスターキャストが登場する現代アート業界のドキュメンタリー映画です。

それぞれがかなり本音で語っており、とても刺激的でした。最もショックを受けたのは、過去クリスティーズにも在籍していた現フィリップス会長であるエド・ドルマンの発言。過去の作品は増えることがなく、市場が広がらないとわかった時、市場を広げるために現代アートに着目し、オークションが現代アート市場を作り出したんだ、という発言。それを裏付けるような事実が有力者達の口から次々と語られていきました。

現代アート市場への真摯な批評であり、美術オークションという存在の一面を正確に描いていると思います。アートとは何かを考えてしまう映画でとても勉強になります。まだご覧になっていないアートファンの方は、機会があればぜひご覧ください。 サムライオークションは、日本の古美術市場を健全で開かれた楽しい場所にしていくこと目指しています!

【豊島美術館『母型』から感じる人間と自然との調和】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

今年の台風と大雨による農林水産業関連の被害額は、3000億円を越えているそうです。繰り返し放送される洪水被害の映像や解説を見ていると、やはり地球規模の異常気象が起こっていると感じてしまいます。

人間の過剰な活動によって、自然のバランスが崩れたことによる影響などについてぼんやり考えていた時、豊島美術館の『母型』を思い出しました。

瀬戸内海を望む小高い丘に建設された豊島美術館は、アーティスト・内藤礼(ないとう・れい)と建築家・西沢立衛(にしざわ・りゅうえ)によってつくられた構造物でありアート作品。

広さ40×60m、高さ4.5mの空間は柱が一本もないむき出しのコンクリートで出来ていますが、一日を通していたるところから水が湧き出す『泉』であり、開口部からは光がこぼれ落ちて、鳥の声や時に雨音が響き、自然との融和を感じることができる装置のようでもあります。

巨大な人工物でありながら、周辺の棚田の風景に溶け込んでいるこの美術館は大変に美しく、その土地の自然と完全に一体化しているように思えます。

人間の暮らし、その本質的な豊かさとは何か、誰もがそんな問いを発してしまうような偉大なアート作品をぜひ一度、多くの方に感じて欲しいと思います。 サムライオークションでは、皆さんの感性を刺激する多様な作家の骨董・古美術品を取り扱っています。これからもどうぞご贔屓に!

【『佐竹本三十六歌仙絵』で実感! 塞翁が馬】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

京都国立博物館で開かれていた『佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美』展。NHKをはじめ多くの美術番組でも取り上げられたこともあってか、大変な盛況のうちに閉幕しました。

重要文化財『佐竹本三十六歌仙絵』は、鎌倉時代の絵巻物。当時、歌人の肖像画と読んだ和歌をセットにした歌仙絵が流行っていたそうですが、その中の最高傑作とされています。確かに描かれている歌人たちは表情豊かで、そのポージングは動きを感じるほどに高い表現力を感じます。

本来上下2巻の絵巻物は、巻物のままで残っていれば間違いなく国宝となっていた貴重な作品。それが今から100年前の大正8年(1919年)に、一歌仙ずつに切断されてしまいました。経営に行き詰まった実業家が売却するために切断したのです。

どうやら単独で一巻を購入できる相手が見つからなかったためのようです。その蛮行を知った当時の経済界の主要人物が共同購入をし、抽選で自分の購入する歌仙絵を決めてバラバラに所有されることになりました。

この切断事件が伝説となり、逆にその価値は高まり、それぞれ家宝として大切に保管されることに…。そして所有者がバラバラになったことによって、結果的にそのほとんどが戦火を逃れ、今に至るということです。

もうひとつ、バラバラにされたことの幸いは、それぞれの歌仙絵がおそらく当時一流の表具師によって掛軸に仕立てられたこと。それぞれの絵に合わせてあつらえられた表具は大変に美しいものです。

まさに人生万事塞翁が馬。巻物のままに埋もれてしまうよりも、36幅の掛軸になった方が、36倍に楽しが広がったと前向きに解釈したいところですね。 サムライオークションも、古美術ファンの楽しみを倍増できるサイト運営を目指していきます!

【古い掛け軸が活かせるリビング】

こんにちは! 骨董・古美術ファンの味方《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

日本家屋には、基本的に床の間つきの和室があり、季節に応じた掛け軸がかけられる、そんな暮らしが確かにありました。

現在販売されている住宅は、マンションはいうにおよばず、戸建て住宅でも和室の比重が減って床の間はなくなり、さらに家族団らんという言葉も死語のようで、夕飯後には家族それぞれが個別に時間を過ごすご家庭が多くなっているようです。

昔の和風建築が良かったとかそのような話題ではなく、やはり骨董・古美術の持つ力がどのように活かせるかと、そんなテーマについて考えてみたいのです。

確かに住まいのカタチが人間関係におよぼす影響は大きく、個室ができれば個人で過ごす時間が多くなりますし、床の間がなくなれば花器を置いたり、掛け軸を飾ったりするレギュラースペースはなくなります。デザイン性の高い現代的な欧風リビングになれば、なかなか日本画や掛け軸を飾るという発想にもなりにくいのもわかります。

それでも、少し視点を変えて考えていただきたいのですが、現代的な明るいリビングだからこそ古い時代の掛け軸が活きる、そんな空間演出が可能なのではないでしょうか。

確かに、古びた木造の日本家屋の床の間に飾って、しっくりくる掛け軸というのも難しいですし、なかなか素敵には見えないと思います。古びた住まいに古びたものを飾るだけでは気持ちの良い雰囲気にはならないですし、むしろみすぼらしい印象になってしまう可能性が高そうです。

最新のデザインマンションのリビングにこそ、古びた浮世絵、あるいは表具を少しアレンジした掛け軸、日本画、書画などをワンポイントで飾ってみれば、おしゃれな印象のお部屋になるのではないでしょうか。 サムライオークションでは、個性的な書画・掛け軸もたくさん出品されています。お値打ち品も多いので、ぜひ一度、ゆっくりサムライオークションをのぞいてみてください。

【古美術品のビジネスへの活用はいかがでしょうか?】

こんにちは! 今年も残すところあとひと月になってしまいました。初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

そんなそろそろ年末のタイミングで、骨董・古美術ビギナーの皆さんへご提案したいのが、古美術品のビジネスへの活用です。

わかりやすいところでは、飲食系、理美容系、販売系など、店舗を使って商売をしている皆さまのお店に、版画や絵画を飾ってみるということ。備前の一輪挿しにお花を生けて飾ってみたり、バーカウンターの後ろにおしゃれな古伊万里のお皿があっても個性的なお店の雰囲気が演出できるのではないでしょうか。

和風の店舗ではなくても、表具を工夫した掛け軸を使って、和モダンなテイストを取り入れるなどいろいろ考えられますね。サムライオークションのサイトをご覧になっていただけばおわかりいただけるとおり、骨董・古美術品は程度の良いものであってもかなりお手頃な価格で入手できる作品ばかりです。また、ビジネスにご活用になるのであれば、経費での処理も当然可能です。

センスで勝負している経営者の皆さまであれば、キラリと光る個性を演出できる、量産品にはない特別な一品が必ずあります。お食事あとのくつろぎ時間などに、サムライオークションのサイトをゆっくりご覧になってみませんか? 

お金をかけずに、柔軟な発想とアイデアで個性的な店舗演出を! サムライオークションは、販売強化を目指す経営者の皆さまへ、骨董・古美術品の力でお役に立ちたいと願っております!

【骨董ファンの夢! グローバル版】

こんにちは! 骨董・古美術ファンのための《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

サムライオークションを訪ねてくださる皆さん! もうご存知かもしれませんが、その日は私もだいぶ興奮しましたので、ぜひこの気持を共有させてください。

10月28日にAFP通信発で世界に配信されたニュース
《仏住宅の台所で見つかったチマブーエの絵画、29億円で落札!》です。

チマブーエ(本名はチェンニ・ディ・ペーポ/1240年頃〜1302年頃)は、13世紀イタリアにおける最も偉大な画家の1人と言われています。ヴァザーリ(1511〜1574年/画家・建築家)が著した西洋美術史の重要な基礎資料《美術家列伝》では、最初に記されている画家であり、イタリアの詩人ダンテの《神曲》でも『絵画の世界の覇者』と表現されているほど、イタリア絵画の創始者として重要視されているアーティストです。

一節には世界に11点しか存在していないといわれているその画家の貴重な絵画が、フランス北部の一般家庭の台所で、ガスコンロの上に飾られていたのだとか。所有者の女性は、作品の来歴を知らず、ほとんど価値のない古い宗教画だと思いこんでいたようです。

オークション関係者がこの画を見つけ、鑑定に出すように持ち主に勧め、赤外線鑑定を行った結果、チマブーエの作品と判断されたそうです。発見された画のタイトルは《軽蔑されるキリスト》。この作品は祭壇画の連作として制作され、ロンドンのナショナル・ギャラリーに1幅、ニューヨークのフリック・コレクションに1幅が残されています。

オークションを手掛けたアクテオン・オークションハウスでは、当初600万ユーロ(約7億2600万円)程度での落札を予想していたそうですが、予測の4倍2400万ユーロ(約29億円)で落札されました。中世絵画の落札価格としては史上最高値のようです。

現時点での、海外ニュースメディアの報道では、持ち主がこの絵画をどのように入手したのかは書かれていないのですが、フランスの庶民的な地区で開催される蚤の市で『5千円くらいで買いました!』となったら、なんだか痛快な感じがするのは私だけでしょうか。元気と勇気と希望がもらえた、そんな話題でした! サムライオークションの骨董・古美術ファンの皆さまも、ぜひ物置の探索や身近な骨董の再評価をしてみましょう!

【初心者のための、骨董・古美術用語紹介!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

今回は、骨董・古美術の専門用語、俗語や隠語のたぐいについて、耳にしがちな初歩的な基本用語をご紹介しているシリーズです。

【織部焼・おりべやき】

桃山時代の末期(1600年頃)から1624年頃まで、主に美濃地方(現在の岐阜県)で生産された陶器。美濃焼の一種で、基本的に同種の志野焼を含めていう場合もあります。武将で利休門下の茶人古田織部の好みで作られたといわれているが、古田織部がこの焼物に関わったという確証は無いようです。文様や形状などの違いによって、黒織部、織部黒、赤織部、青織部、総織部などの区別があります。

・使用例→『織部焼は国内外で人気があって、欧米にも多く輸出されている』など。

【織部好み・おりべごのみ】

戦国時代から江戸時代初期の武将にして茶人だった古田織部。彼は、当時の茶道具の評価軸にはなかったゆがみの造形や抽象文様など、新しい感覚を茶器に取り入れました。また、傷物を修復してその中に茶道の美学を見出すなど、その後の茶道に大きな影響を与えています。この織部独特の美意識が織部好みと呼ばれています。茶器や建築、庭園などにわたって、織部好みは大流行しました。

・使用例→『はっきりした織部好みの茶碗だ』など。

【梅花皮・かいらぎ】

茶碗の腰周りや高台付近にできた粒状・縮れ状の焼き斑。刀剣の柄に巻くエイの皮を『梅花皮』といい、その表面の質感に似ていることからこの名前で呼ばれるようになりました。本来、技術的には欠陥ですが、茶人などはこれを一つの見どころとして鑑賞します。井戸茶碗では、この梅花皮が約束事とれているため、現代陶芸においても意図的に梅花皮を現している場合があります。

・使用例→『あの井戸茶碗の梅花皮は、味わい深かった』など。

少しずつ覚えていきましょう。サムライオークションは、骨董・古美術ビギナーを応援しています!

【技が拙いから拙宗と名乗ったの??】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

10月27日の朝日新聞に、雪舟の三幅対の水墨画が国内で初確認されたニュースが掲載されていました。そのニュースの中で初めて知ったのですが、雪舟(せっしゅう・1420〜1506年)が若き日に拙宗(せっしゅう)を名乗っていたという事実。

記事では、雪舟の三幅対(三幅の掛け軸が一組になった作品)として現在確認できる作品は、米ボストン美術館が所蔵する「三教蓮池図」だけであることや個人の所蔵者からの依頼によって、山口県立美術館が鑑定して若き日の雪舟(拙宗)筆と認定したことなどがまとめられていました。

三幅対は、中央に宗教性の強い主題の画を配置し、左右に宗教性の希薄な主題の画を取り合わせて楽しむ鑑賞方法のひとつで、室町時代に将軍家などの上流武家の間に広まっていたそうです。いわゆる仏画、宗教画に位置付けられます。

それよりも私が気になったのは、若き雪舟の名前「拙宗」。それで、少し調べてみたのですが、雪舟と拙宗は別の人物だと考えられていた時代もあったようです。備中国(現在の岡山県)に生まれた雪舟は京都、そして周防国(現在の山口県)と住み替え、1467年(応仁元年)に遣明使として中国に渡り才能を開花させたと言われています。この周防国時代、30代後半頃までの名乗りが拙宗だったようです。

拙宗時代の作品には、のちの雪舟作品に見られるモチーフや筆法が見られるようですが、まだ穏やかで柔らかいタッチが多く、如拙(じょせつ・生没年不詳)や周文(しゅうぶん・生没年不詳)の影響が指摘されています。どうやら、まだまだ技が拙いと感じていたから拙宗を名乗っていた、というわけではないようです。

今回確認された拙宗筆の三幅対の作品は、山口県立美術館【雪舟の仏画ー初公開の《騎獅文殊・黄初平・張果老図》を中心にー】展〔11月2日(土)〜12月8日(日)〕で公開されます。