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新年最初、前回のブログ記事、富士山をモチーフにしたアート作品について考えた時、実は最初に思い出したのは葛飾北斎でした。北斎の赤富士は、正式名称〈凱風快晴〉。〈富嶽三十六景〉の中にあります。季節は秋ですね、快晴の真青の空といわし雲の様子が描かれています。デフォルメされた富士と空と雲。シンプルでありながら、リアルなイメージを想起させる、そんな力のある作品として印象深く、大好きです。北斎の浮世絵を見ると、抽象と写実の表現力の違いやその作品の持つ力について、いつも考えてしまいます。
〈富嶽三十六景〉の中には、恐らく世界で最も有名な富士山〈神奈川沖波裏〉のアートもあります。こちらは、波が主役と思われがちですが、作品を鑑賞する時、最終的に視線が落ち着く先には富士山があります。こちらの富士山は、雪に覆われていますね。
富士山をモチーフに、季節に応じてさまざまな場所から描かれた〈富嶽三十六景〉。この作品を描いた時、北斎は、70歳を越えていました。70歳といえば、さすがに現代でも高齢者のイメージですが、当時の平均年齢を考えれば、そもそも70歳まで生きる人間は少なく、精力的に創作活動を続ける人間など皆無だったと思います。まさに画狂老人、恐るべし。
少子高齢化した成熟社会で、人々がますます落ち着いてしまいそうな日本にとって、葛飾北斎は今最も刺激になる、求められるアーチストという気がします。
サムライオークションでは、皆さんの感性を刺激する骨董・古美術品を積極的に取り扱っていこうと思います。これからもどうぞご贔屓に!