【2019年、ご利用いただきありがとうございました!!】

こんにちは! 骨董・古美術ファンの味方《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

今年も残すところあと数日になってまいりました。今週末からお休みに入る方も多いと思います。皆さま、今年も1年間お疲れさまでした。

そして、今年の夏場より本格稼働しました当サイト、サムライオークション。アクセス・ご利用いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

正直に申し上げれば、まだまだ納得のいく運用はできておりません。そもそも、まだ〈サムライオークション〉のサイト自体がほとんど認知されていません。作品のご紹介・ご提供を含め、骨董・古美術ファンの皆さまに楽しんでいただけるコンテンツも圧倒的に不足しています。

骨董・古美術品という特性もあり、一朝一夕で多くの皆さまにご利用いただけるなどという甘い考えは持っておりません。安心感・信頼感は、少しずつ時間をかけて醸成されていくということは、しっかり認識しております。

〈サムライオークション〉は、骨董・古美術ファンの皆さまが集い、楽しく安心して情報交換ができ、それぞれの方にとって価値のある作品と出会えて、アートファンの裾野が広がっていく、そんなサイトとなる事を目指しています。

まずは、より多くの皆さまに知っていただくこと、アクセスしていただくこと、そのために魅力的な骨董・古美術作品を公開していただけるよう、しっかりと地道に努力してまいります。

来年もどうぞご贔屓に、そして良いお年をお迎えください〜!

【作品の中に、作家の想いを見る】

今日はクリスマス・イブですね! こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

日本では老若男女ともに浮ついた気分になるこの季節ですが、本来のクリスマスの意味合いに寄せて、神聖な気持ちになる美術館に行ってまいりました。

新橋駅前にある〈パナソニック汐留美術館〉です。パナソニック東京汐留ビルの4階にあるのですが、この美術館にはフランスの画家/版画家ジョルジュ・ルオー(1871〜1958年)の作品が常設展示された〈ルオー・ギャラリー〉があります。

ルオーは、20世紀初頭に誕生した表現様式〈フォーヴズム(野獣派)〉に分類されることも多いのですが、徒党を組むことを嫌って画壇に所属せず、ひたすら自分の表現を追求した孤高の作家です。

ルオーは生前『人は誰しも担うべき十字架を持っている。私の十字架は私の芸術だ』と話し、生涯にわたってキリスト教にまつわる宗教画を描き続けています。キリスト教の教義にまつわる作品の他、キリストの〈聖顔〉シリーズが有名ですね。

欧米でのキリスト教の位置付けを考える時、ルオーの作家・表現者としての社会的な役割は、単なるアーティストを越えたものになっています。そして、特にルオーの精神を美しいと感じるのは、労働者階級に生まれ、安く手軽に手に入る複製版画から古典芸術を学んだ彼が、社会的に弱い立場の人たちに向けて、比較的安く手に入れることができる版画作品を通してその祈りに貢献したいという、そんな想いを想像してしまうからです。

日本のキリスト教の歴史を語る時、欠かすことができないのが、長崎の隠れキリシタンです。そんな歴史を実感できる貴重な作品が現在、サムライオークションに出品されています。

■隠れキリシタンブロンズ像

https://samurai-auction.com/exhibition_detail.php?ex_code=675

お時間のある時に、ぜひアクセスしてみてください。

入札はしなくても、ひと目ご覧になっていただき、その歴史的な重みを空想していただくだけでも、価値のある一品です。

【人も古美術・骨董も、来歴の中に面白味あり】

こんにちは! 骨董・古美術ファンのための《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

日本にもファンが多い印象派の巨匠ルノワール。横浜美術館では、開館30周年ということで『ルノワールとパリに恋した12人の画家たち』展を来年の1月13日まで開催しています。

同時代に生き、新しい表現を確立したオーギュスト・ルノワール(1841〜1919年)、クロード・モネ(1840〜1926年)、ポール・セザンヌ(1839〜1906年)、アルフレッド・シスレー(1839〜1899年)の4人を中心に、それに連なる次世代のアーティスト、アンリ・マチス(1869〜1954年)、パブロ・ピカソ(1881〜1973年)などや、さらにモーリス・ユトリロ(1883〜1955年)、アメデオ・モディリアーニ(1884〜1920年)、マリー・ローランサン(1883〜1956年)などの画家の系譜が、エコール・ド・パリというフレームを通して紹介されています。

何の世界でも、リスペクトする師匠や先輩の影響というのは、気がつかないうちにも受けてしまうもの。意図して学べば、なおさらのことです。何事も技術を身につける最短の方法は〈模倣にある〉ということなのかもしれません。

好きなものは自然と真似をしますし、模倣から技術は身につきます。その技術を身に着けた後、それを越えて飛躍させ、新しいものを生み出せたアーティストだけが、後世に名を残すような偉大な仕事を成し遂げられる、そんなストーリーを感じた展覧会でした。

サムライオークションの骨董・古美術ファンの皆さまも、ホッと一息する時間に、自分のこれまでの人生のストーリーに、思いをめぐらせてみませんか?

【初心者のための、骨董・古美術用語!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

今回は、骨董・古美術の基本的な専門用語についてご紹介します。

【アルカイク・スマイル:archaic smile】

古代ギリシャ(紀元前600〜480年頃)の人物彫刻の口元に見られる微笑み。その影響を受けた仏像が中国六朝時代(222〜589年)や日本の飛鳥時代(592〜710年)の仏像にも見られます。

・使用例→→→広隆寺の『弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゆいぞう)は、アルカイック・スマイルと考えられている』など。

【アール・デコ:art deco】

1920〜1930年頃に流行した美術工芸様式です。もとの意味は「装飾美術」。それまでのアール・ヌーボー様式に代わって、合理性や簡潔さを目指した様式です。幾何学図形をモチーフとした模様が特徴的。フランスで起こったアール・デコはアメリカ、や日本など世界中の都市で同時代に流行しました。

・使用例→→→『アール・デコ様式の代表画家と言えば、タマラ・ド・レンピッカだ』など。

【アール・ヌーボー:art nouveau】

19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパで起こった建築・工芸の新様式。「新しい芸術」を意味します。花や植物、昆虫や動物などをモチーフにした自由で曲線的な装飾表現が特徴です。建築のガウディ、ガラス工芸のエミール・ガレなどが代表的。この芸術潮流は、数多くのパトロンを持ち、ブルジョワ階級の間で広がっていました。

・使用例→→→『ルネ・ラリックは典型的なアール・ヌーボー作家だ』など。

【合わせ箱・あわせばこ】

中身と箱が本来のものではなく、別のものを利用した箱のこと。共箱の対義語。中身がひとり歩きして出回り、箱書きつきの本物の箱に贋作が入って出回ってしまうことがあります。

・使用例→→→『出品されていて古伊万里茶碗は、合わせ箱だった』など。

サムライオークションは、骨董・古美術ビギナーを応援しています!

【余白を活かす日本人の美意識】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

日本人の美意識というと『わび・さび』『花鳥風月』『風流』などがあります。余計なものを引いて引いて、ミニマルな要素で本質を表現するといったイメージでしょうか。

伊藤若冲など、過剰なまでの精緻な表現も面白いのですが、やはり最小限の要素で構成され、余白を生かして鑑賞者の想像力に訴えかける作品に強く惹かれてしまいます。枯山水の庭などもその典型ですね。

ミニマルな表現といって思い出すのは、長谷川等伯(はせがわ・とうはく/1539〜1610年)の松林図屏風です。桃山時代を代表する狩野永徳とのライバル関係が取り上げられることが多い等伯ですが、作品はともかく、権力にすり寄った印象が強い一大集団である狩野派よりも、少数精鋭を貫いた等伯にシンパシーを感じてしまいます。実際に狩野派は、あの手この手を使って等伯の足をひっぱり、保身を図ったといわれていますね。

『洗練』という概念も、物事の本質をつかみ、余計なものを削除していったミニマルな状態を指していると思うのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。 サムライオークションは、多様な作家の古美術品を幅広くご提供していくこと目指しています。これからもどうぞご贔屓に!

【映画『アートのお値段』が面白かった】

こんにちは!《古美術専門のオークションサイト》サムライオークションです。

11月、渋谷のユーロスペースで『アートのお値段』という映画を観ました。ジェフ・クーンズ、ゲルハルト・リヒター、ジョージ・コンド、ラリー・プーンズなど、現代美術のビッグネームのほか、サザビーズやクリスティーズなどのトップオークショニア、美術評論家やキュレーター、ギャラリスト、そしてコレクターとオールスターキャストが登場する現代アート業界のドキュメンタリー映画です。

それぞれがかなり本音で語っており、とても刺激的でした。最もショックを受けたのは、過去クリスティーズにも在籍していた現フィリップス会長であるエド・ドルマンの発言。過去の作品は増えることがなく、市場が広がらないとわかった時、市場を広げるために現代アートに着目し、オークションが現代アート市場を作り出したんだ、という発言。それを裏付けるような事実が有力者達の口から次々と語られていきました。

現代アート市場への真摯な批評であり、美術オークションという存在の一面を正確に描いていると思います。アートとは何かを考えてしまう映画でとても勉強になります。まだご覧になっていないアートファンの方は、機会があればぜひご覧ください。 サムライオークションは、日本の古美術市場を健全で開かれた楽しい場所にしていくこと目指しています!

【豊島美術館『母型』から感じる人間と自然との調和】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

今年の台風と大雨による農林水産業関連の被害額は、3000億円を越えているそうです。繰り返し放送される洪水被害の映像や解説を見ていると、やはり地球規模の異常気象が起こっていると感じてしまいます。

人間の過剰な活動によって、自然のバランスが崩れたことによる影響などについてぼんやり考えていた時、豊島美術館の『母型』を思い出しました。

瀬戸内海を望む小高い丘に建設された豊島美術館は、アーティスト・内藤礼(ないとう・れい)と建築家・西沢立衛(にしざわ・りゅうえ)によってつくられた構造物でありアート作品。

広さ40×60m、高さ4.5mの空間は柱が一本もないむき出しのコンクリートで出来ていますが、一日を通していたるところから水が湧き出す『泉』であり、開口部からは光がこぼれ落ちて、鳥の声や時に雨音が響き、自然との融和を感じることができる装置のようでもあります。

巨大な人工物でありながら、周辺の棚田の風景に溶け込んでいるこの美術館は大変に美しく、その土地の自然と完全に一体化しているように思えます。

人間の暮らし、その本質的な豊かさとは何か、誰もがそんな問いを発してしまうような偉大なアート作品をぜひ一度、多くの方に感じて欲しいと思います。 サムライオークションでは、皆さんの感性を刺激する多様な作家の骨董・古美術品を取り扱っています。これからもどうぞご贔屓に!

【『佐竹本三十六歌仙絵』で実感! 塞翁が馬】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

京都国立博物館で開かれていた『佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美』展。NHKをはじめ多くの美術番組でも取り上げられたこともあってか、大変な盛況のうちに閉幕しました。

重要文化財『佐竹本三十六歌仙絵』は、鎌倉時代の絵巻物。当時、歌人の肖像画と読んだ和歌をセットにした歌仙絵が流行っていたそうですが、その中の最高傑作とされています。確かに描かれている歌人たちは表情豊かで、そのポージングは動きを感じるほどに高い表現力を感じます。

本来上下2巻の絵巻物は、巻物のままで残っていれば間違いなく国宝となっていた貴重な作品。それが今から100年前の大正8年(1919年)に、一歌仙ずつに切断されてしまいました。経営に行き詰まった実業家が売却するために切断したのです。

どうやら単独で一巻を購入できる相手が見つからなかったためのようです。その蛮行を知った当時の経済界の主要人物が共同購入をし、抽選で自分の購入する歌仙絵を決めてバラバラに所有されることになりました。

この切断事件が伝説となり、逆にその価値は高まり、それぞれ家宝として大切に保管されることに…。そして所有者がバラバラになったことによって、結果的にそのほとんどが戦火を逃れ、今に至るということです。

もうひとつ、バラバラにされたことの幸いは、それぞれの歌仙絵がおそらく当時一流の表具師によって掛軸に仕立てられたこと。それぞれの絵に合わせてあつらえられた表具は大変に美しいものです。

まさに人生万事塞翁が馬。巻物のままに埋もれてしまうよりも、36幅の掛軸になった方が、36倍に楽しが広がったと前向きに解釈したいところですね。 サムライオークションも、古美術ファンの楽しみを倍増できるサイト運営を目指していきます!