経済成長と子どもの成長を見てきた「ブリキのおもちゃ」

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日本の成長とブリキの関係

ブリキとは、鉄鋼にスズのメッキ加工を施したもので、一昔前の缶詰や看板、おもちゃの主要な材料となるものでした。1800年代後半の明治に登場し、輸入が盛んになったことで日本にも広く普及します。第一次大戦まではドイツが生産量世界一でしたが、ドイツが敗戦した後は日本への注文が殺到し、海外へ輸出するようになりました。そして第二次大戦後は、復興の柱として「ブリキのおもちゃ」の輸出が支えになります。資源が乏しい中、材料を集めて加工し外貨を稼ぎます。「ブリキのおもちゃ」には復興への願いが込められていたため、当時の時代背景を知る世代や、その子どもたちにとっても思い入れの深い、共に苦難を乗り越えて成長してきた特別な存在だったと言えるでしょう。

「ブリキのおもちゃ」のその後

ブリキにはデメリットもありました。鉄鋼が材料なので重さがあり価格も高く、表面の加工にスズを使用するため子どもが口にすると健康にも良くないとされていました。そのような理由で、軽くて健康への影響も小さいプラスチック製品のおもちゃが現在の主流となります。ブリキは現在ではほとんど作られないので、希少価値があり人気になりやすく、さらに、箱に入れたままなど製造当時の状態を保っている場合は価値が跳ね上がることもあります。 おもちゃは観賞用の絵画のような骨董に比べると、誰にとっても身近な存在であり、個々人が懐かしさを覚えやすいため、突然コレクターに目覚める方も多いようです。ブリキ製品は骨董品として扱われるものの中では比較的最近のものと言えるので、探すと意外に見つかるかもしれません。たとえそれが保存状態が悪かったとしても、希望を背負いながら日本の成長を牽引してきた背景を知ったうえで手に取れば、その重量以上の重みを感じることができるでしょう。

心の中の庭を散歩する

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2007年に亡くなった故・河合隼雄は、日本の臨床心理学の土台を築いた第一人者であり、元文化庁長官でもあった方です。彼がカウンセリングの現場に導入した「箱庭療法」は多くの人々を救ってきました。「箱庭」とは、浅い箱に砂や小さな人形、模型など様々なものを自由に置いて物語を表現する遊びのようなものです。箱庭を通じて行う自己表現によって治癒効果を促すという、世界でも確立されたセラピーです。

ところで、コロナウイルスの影響で不要不急の外出を控える状況が続いています。部屋にこもったままだと閉塞感を感じますよね。もやもやを吐き出したい、でも出歩くのは気が引ける。こんなとき自宅でできる遊びとして「箱庭」を試してみてはいかがでしょうか。箱の上で無心に物語を作る作業は、心が開放される効果があります。頭の中のことは紙に書き出すと良いと言われますが、気持ちを言葉にして書き出すのは意外と億劫に感じるものです。箱庭は言葉が不要なので、気軽に楽しむことができると思います。

さらにここでオススメしたいのが、アートの要素も取り入れた「枯山水」を箱庭にしてみるということです。枯山水とは、禅の教えとともに発達した日本庭園の様式で、水を使わず、石や砂で自然の情景を表現する日本独自の庭です。京都のお寺などで実際に見たことがある方も多いのではないでしょうか。庭が無くても、室内で作ることができるキットがネットショップなどで販売されており、面白い作品がネット上にもたくさんアップロードされています。お出かけは難しくても、家にある小箱の中に河原の砂や石、花びらや木の枝などを拾ってきて作ってみれば、小さなお子さまでも楽しめると思います。

穏やかな水面やうねりのある波を「砂」で、おとなしい面や荒々しく力強い面を「石」の角度で表現し、無心になって作ってはやり直すという作業を繰り返してみると、そのときの気分と作品が似通ってくることに気がつくかもしれません。自宅でも楽しめるアートとして、ゆったりと「箱庭枯山水」を散歩してみてはいかがでしょうか。

バーチャルツアーならルーヴル美術館へ行ける!?

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新型コロナウィルス対策で各地の美術館や博物館が臨時休館を余儀なくされていましたが、2020年5月5日の政府の発表で、東京都など13の「特定警戒都道府県」にて、密集防止策を条件に開館を容認する決定がされました。日本で美術館から感染者が出たという報道は特に出ていない状況ですが、感染リスクへの不安の声も少なくありません。入場制限やアルコール消毒、検温などの対策を徹底した中での再開になると思われますが、海外の美術館ではどのような対策を行っているのでしょうか。

2020年3月17日(火)に外出禁止令が出されたフランスでは、フランス内務省が発行する特例外出証明書を持ち歩かなければならなくなりました。その後、5月11日(月)からは100キロメートル以下の移動の外出が解禁され、100キロメートル以上、あるいは県をまたぐ場合などは外出証明書が必要となります。

世界最大級の美術館であるフランス・パリのルーヴル美術館は、この外出禁止令が出る前は入場制限を実施しながら営業を続けていました。しかし3月初め、従業員が働くことを拒否するなど感染への恐怖を訴えたこともあり二日間の営業停止がありました。その後営業を再開し、来場者へのソーシャルディスタンスやエチケットなどの呼びかけを行っていましたが、現在は閉館しています。レストランやカフェなどの飲食店なども営業停止していますが、美術館を含むこれらの商業施設以外は5月11日(月)以降に営業が一部再開されます。レストランでの飲食や美術館への入館ができるようになるのは6月2日(火)以降が検討されています。

そんな状況ではありますが、営業が再開されるまで待ちきれないという方の間で「美術館のオンラインビューイング」が注目を集めています。これを機に、館内を歩き回ることができるバーチャルツアーを体験してみてはいかがでしょうか。

▼ ルーヴル美術館

https://www.youvisit.com/tour/louvremuseum

https://www.louvre.fr/en/visites-en-ligne#tabs

骨董品の価格ってどうやって調べるの?

古着や中古品などであれば、街の古物買い取り店に行ったりオークションサイトなどで調べれば、おおよその買い取り相場は分かりますが、骨董品はどのよう調べるのでしょうか。同じように古物買い取り店に行けば教えてくれるのでしょうか。

そもそも骨董品って?

ここで、そもそもの話として骨董品は一般の中古品などとは違うのでしょうか。国ごとに微妙にニュアンスは違いますが、実は世界的な定義はWTO(世界貿易機関)でも定めており、製造された時点から100年を経過した手工芸品や工芸品・美術品などとされています。一方で、日本語では少し異なった意味も含まれており、国語辞典にはこのように書いてあります。

・美術的な価値や希少価値のある古美術品や小道具箱

・古いだけで実際の役には立たなくなったもの

これらを要約すると、古く実際の役には立たないが希少価値のある古美術品等を骨董品と呼ぶということが分かります。また、「古い」という定義については厳密に100年以上と決まっているわけではなく、実際には100年未満の古物でも骨董品と呼んでいる場合もあるようです。

骨董品の価格はどうやって決まるの? 骨董品は現在生産された流通する商品ではなく、ほとんどが一点物のため定価というものが存在しません。あくまで取り扱い業者間で形成された相場価格がおよその価格となります。そのため、一般の人が骨董品の価格を調べることは非常に困難で、経験や知識を持つ専門家に頼むのが一番確実と言えそうです。

【ルネ・ラリック《モダン・エレガンスの美》:東京都庭園美術館】

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2月1日(土)から、東京都庭園美術館にて、《北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美》展が開催されています。

ルネ・ラリック(1860〜1945年)は、展覧会のタイトルにもありますが、アール・デコのガラス工芸家です。でも、ガラス工芸を始める前は、ジュエリー作家として活躍していました。

時は、アール・ヌーヴォー全盛期。時代の流れとしては、新古典主義からのアールヌーボー(新しい芸術)ですから、西洋の伝統にとらわれず、日本などからも装飾文様を取り入れたり、自然の草花や昆虫などがジュエリー作品のモチーフに使われました。

ラリックのジュエリーには、トンボやバッタ、鳥など自然界からさまざまなデザインモチーフが使われています。とても繊細で美しいのですが、それが、アール・デコブームの流れとともに売れなくなり、ガラス工芸作家への転身へとつながっていきます。

ラリックのガラス工芸作品には、花や動物など、アール・ヌーボー時代からのモチーフも多いのですが、ガラスという素材の個性からか、量産化のための単純化の影響か、より洗練された印象があります。ラリックが好んで多く使っていた、乳白色で半透明のガラスの特徴も上品で美しい演出効果を出しています。

気持ちに余裕のある天気の良い日を選んで、当時最先端のデザインと技術を使って建てられた旧朝香宮邸の建築も合わせて楽しみたい、そんな少し優雅な気分にさせてくれる展覧会です。

サムライオークションにも、気持ちを優雅にさせてくれる作品が出品されています。

⇒柴田コレクション(登録有形文化財)同等品:古伊万里/色絵菊牡丹文大皿

《▼作品はこちらです》(出品者:マサレオsuZuki)
https://samurai-auction.com/exhibition_detail.php?ex_code=656&c_find[]=7

1700〜1740年頃の古伊万里です。来店見学可能の商品となっておりますので、興味のある方は、上記商品ページ記載のメール宛、お問い合わせください。

【魯山人の目利き力について】

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前回に続き魯山人です。漫画『美味しんぼ』に登場する海原雄山のモデルとしても知られる魯山人ですが、陶芸でも料理でも革命を起こした孤高の芸術家です。

魯山人が37歳の時に友人中村竹四郎とはじめた古美術商【大雅堂(たいがどう)美術店】では、骨董として店で扱う器に合う料理を自らが作り、常連客にふるまっていたそうです。

その料理が評判となり、お金に糸目をつけずに美味しいものを食べたい、という政財界の大物たちが大雅堂を訪れるようになり、会員制の【美食倶楽部】が誕生します。

魯山人は、料理人としても一流だったようで、贅沢を尽くした一流の人物たちがこぞって食べにくる味もさることながら、その取り扱う器にこそ、本当のこだわりがあったようにも思います。そもそも骨董を売るための料理だったのですから、当然といえば当然です。

魯山人が好んで使っていたのは、まず道具としての機能性が高い器。例えば、手取り皿のような小さな大きさの器なら、手に馴染む、使い勝手の良いデザインのものでした。

また、料理の盛り付けについても、現代風に言えば、まさにインスタ映えを目指して、食材の配色と色柄のバランスを考え、器を選択していたのでしょう。

まずは、道具としての機能性(使いやすさ)を考え、客人へのおもてなしの気持ちから遊び心が生まれ、盛り付けで料理を演出する。

独自の美意識によって選ばれた器と、高級食材によって作られた料理、どちらも不可欠なものであり、そこに美意識の育て方、美の鑑賞方法、ひいては目利き力を養うためのヒントが隠されているような気がします。 サムライオークションでも、骨董・古美術品の楽しみ方など、コンテンツを充実させていきたいと考えています。これからもどうぞご贔屓に!