【オススメ!SHOWCASE:立原杏所作品/水戸市立博物館出展品】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

時代を越えて、都会的・軽妙洒脱・クールといった印象の作風といえば、皆さんそれぞれに思い浮かべる作家がいらっしゃると思います。人気どころといえば、琳派あたりでしょうか。

尾形光琳(おがた・こうりん/1658〜1716年)の『燕子花図屏風』『紅白梅図屏風』、鈴木其一(すずき・きいつ/1795〜1858年)の『朝顔図屏風』などが思い浮かびます。平面的でデザイン性に富んだ構成は、西洋絵画的な写実性とは全く異なる独自性があり、現代的でもあり、洗練の極みを感じます。

立原杏所(たちはら・きょうしょ/1786〜1840年)もそんな、洒脱な印象の作品を残した作家です。武士であり、文人画家。水戸藩7代藩主:徳川治紀(とくがわ・はるとし/1773〜1816年)、8代:斉脩(なりのぶ/1797〜1829年)、9代:斉昭(なりあき/1800〜1860年)の3代に仕えながら、その仕事の合間に作品を制作していたのでしょうから、ある意味息抜きにもなったのでしょうか。

そんな杏所の洗練された感性が際立っている作品が、サムライオークションに出品されています。

《▼作品はこちらです》(出品者:マサレオsuZuki)

作品名は《蛍》。拡大して見ていただくとわかるのですが、薄墨で描かれた葉にとまった小さな蛍は微かな光を放っています。水戸市立博物館にて出展されていた作品です。ご興味のある方は、お早めの入札をオススメいたします。

サムライオークションには、個性的な書画・掛け軸がたくさん出品されています。お値打ち品も多いので、ぜひご覧ください。

【オススメ!SHOWCASE:幕末の儒学者頼三樹三郎の書】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

先週末から大河ドラマ『麒麟がくる』がスタートしましたね。今回の主人公は、明智光秀。大河ドラマというと戦国武将と明治維新が定番ですが、どちらかといえば、社会転換がダイナミックでわかりやすい明治維新モノの方が好みでしょうか。

そんなわけで、サムライオークション出品のお値打ち作品のご紹介、今回は幕末の儒学者、頼三樹三郎(らい・みきさぶろう/1825〜1859年)です。

《▼作品はこちらです》(出品者:マサレオsuZuki)

著名な儒学者、頼山陽(らい・さんよう/1781〜1832年)の家に生まれ、江戸で儒学を学んだ生粋の儒学者。父山陽の著書『日本外史』は、幕末の尊皇攘夷運動に影響を与えたと考えられており、三樹三郎も当然尊王運動に心酔していました。

大老井伊直弼(いい・なおすけ/1815〜1860年)に危険人物と見なされ、安政の大獄(1858年)によって捕らえられ、幽閉された後に斬首されたそうです。命と引き換えになっても何かを成し遂げようとする、現代人にはその気位の高さ、志の高さは想像しにくいのですが、その書からはその気高さのようなものが漂ってくるように感じます。

サムライオークションには、背筋が伸びる書画作品も多数公開されています! ぜひご覧ください。

※写真は、頼三樹三郎や吉田松陰が投獄された伝馬町牢屋敷跡、十思公園隣りの大安楽寺慰霊碑です。

【初心者のための骨董・古美術用語シリーズ!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

美術品、骨董品の基本用語についてご紹介するシリーズ、今回は陶磁器に関する用語をいくつかピックアップしてみました。ご参照ください。

【貫入:かんにゅう】

陶磁器の釉面にできる《ひび模様》のことです。省略して入(にゅう)とも呼ばれます。何かにぶつけて入るひびや傷ではありません。釉によって生じるガラス質と、素地との収縮率の差によって現れます。自然貫入と装飾を目的に意図的に作る人工貫入があり、中国では開片(かいへん)と呼びます。日常的に使いながら、変化していく貫入の様子を「景色を育てる」などと表現します。

・使用例→『この前買った萩焼の(貫)入が、少しずついい感じの色に染まっているよ』など。

【哥窯:かよう】

中国南宋時代(1127〜1279年)に浙江省にあった伝説的な青磁窯、またはそこで作られた青磁のこと。鉄分の多い黒褐色の土と意図された貫入が特徴とされています。哥窯と呼ばれている青磁は多様にあり、真贋の判別は難しいようです。

・使用例→『この前の出物が本物の哥窯の青磁なら、1000万円以上する』など。

【二度窯:にどがま】

本来は陶磁器の補修方法のひとつで、焼き上がった焼成品に不要な釉ひびやほつれなどの欠陥が出てしまった場合に、再び窯入れを行って直すことをいいます。価値の低い発掘された陶磁器などを、再び窯入れして商品価値を高めるためにも行われているようです。二度焼(にどやき)も同じ意味で使われます。

・使用例→『細い入が釉薬の下に見えるし、欠けた縁が丸く溶けているから、あの井戸茶碗は二度窯の贋物だよ』など。

【根抜:ねぬけ】

唐津焼の最も古い時代に作られた古唐津を指す言葉です。古陶器で、同系統の窯を使って焼かれた最も古い製品に対しても使われます。その語源には諸説あるようで、『根の抜けるほど古い』『高台が低く、根が抜けたように見える』などが理由だと言われています。

・使用例→『あの美術館にあった絵唐津の茶碗が根抜だよ』など。

サムライオークションは、美術品・骨董品ビギナーを応援しています!

【陶芸は実用的なファインアート】

こんにちは! 初心者大歓迎の《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

NHKの連続テレビ小説「スカーレット」が放送されています。陶芸の才能を持った女性(実在のモデルとなった女性作家がいらっしゃいます)が、社会生活と創作との選択で心が揺れ動く状況は、既視感が少しあるものの、大変にわかりやすく、視聴者の心を捉えているのではないかと思います。

社会が大きく変化していく時代の中、文学・音楽・絵画といった全ての芸術分野において、男性中心の世界の中でポジションを獲得していったパイオニア女性の才能とエネルギーに、頭が下がるばかりです。

ところで、新しい表現様式といったものは、既存のスタイルに思考が染まってしまった作り手には、生み出せないのかもしれませんね。新参者・異端者だからこそ気づく視点があり、そこから新しい発想・表現が生み出せたという構図は、歴史の中に多くあったはずです。

例えば、陶芸においては、バーナード・リーチ(1887〜1979年)を思い出します。西洋の陶磁器と日本の伝統的な技法を融合させた彼は、陶芸をファインアートとして捉え、哲学やデザイン、工芸が融合したものと考えていたようです。

ただし、実用よりも表現としての美を優先させた陶芸に対して、実用的な日用陶器を創作することを実践していました。そのあたりは、同時代に生きた北大路魯山人(1883〜1959年)とも通じる美意識があるように思います。

サムライオークションでは、現在は陶磁器の出品は少ないのですが、落札時にも手数料が無料と大変お得なキャンペーン期間となっておりますので、古物商の皆さまはこの機会にぜひお試しください!

【信仰のカタチ、偶像のアート】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

日本人の民族大移動は、お盆の頃と相場が決まっていますが、お正月の初詣もなかなかに興味深い毎年の風物詩ですね。

日頃は、特に信心深いわけではないのに、あるいは無宗教を自他共に認めている人でも、お正月には参拝するという方も多いようです。神社にお詣りするか、それともお寺にお参りするか、という選択もあります。最先端の行動経済学が示しているように、人間の行動は一貫性や合理性よりも感情によって決定される事が多いのだな〜と考えさせられます。

人が目を閉じて何かに祈る時、頭の中に何らかのイメージを想い浮かべる人も多いのではないでしょうか。神社へお詣りに行って、仏像を思い浮かべて祈ったら、少し面白いですね…。

仏の姿が表現された仏像は、祈りのための彫刻でありアートとも考えられます。中でも人気は、円空仏。鉈で彫られた仏さまは、どの作品も木の形が活かされており、慈悲深い温かみを感じる素朴で優しい仏像となっています。

生涯に12万体もの仏像を彫ったとされる円空(1632〜1695年)は、江戸時代前期に美濃国(現在の岐阜県)に生まれた修験僧(修験道の実践者・山伏)であり、仏師でした。

日本全国に約4500体が残っているといわれる円空仏は、古美術市場にも真贋ともに多く流通しています。円空仏は、次第に造形の簡略化が進み、素材の特徴をそのまま活かした表現へと変化していったといわれます。常設展示している美術館も多いので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

【ぎふの旅ガイド・円空】

【おめでたい富士山アート! 富嶽三十六景】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

新年最初、前回のブログ記事、富士山をモチーフにしたアート作品について考えた時、実は最初に思い出したのは葛飾北斎でした。北斎の赤富士は、正式名称〈凱風快晴〉。〈富嶽三十六景〉の中にあります。季節は秋ですね、快晴の真青の空といわし雲の様子が描かれています。デフォルメされた富士と空と雲。シンプルでありながら、リアルなイメージを想起させる、そんな力のある作品として印象深く、大好きです。北斎の浮世絵を見ると、抽象と写実の表現力の違いやその作品の持つ力について、いつも考えてしまいます。

〈富嶽三十六景〉の中には、恐らく世界で最も有名な富士山〈神奈川沖波裏〉のアートもあります。こちらは、波が主役と思われがちですが、作品を鑑賞する時、最終的に視線が落ち着く先には富士山があります。こちらの富士山は、雪に覆われていますね。

富士山をモチーフに、季節に応じてさまざまな場所から描かれた〈富嶽三十六景〉。この作品を描いた時、北斎は、70歳を越えていました。70歳といえば、さすがに現代でも高齢者のイメージですが、当時の平均年齢を考えれば、そもそも70歳まで生きる人間は少なく、精力的に創作活動を続ける人間など皆無だったと思います。まさに画狂老人、恐るべし。

少子高齢化した成熟社会で、人々がますます落ち着いてしまいそうな日本にとって、葛飾北斎は今最も刺激になる、求められるアーチストという気がします。

サムライオークションでは、皆さんの感性を刺激する骨董・古美術品を積極的に取り扱っていこうと思います。これからもどうぞご贔屓に!

【あけましておめでとうございます!】

新年おめでとうございます! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

2019年は、生まれたばかりのよちよち歩きの赤ん坊。2020年は、なんとか思春期あたり、あれこれと壁にぶつかりながらも試行錯誤を繰り返して成長を続ける、そんな1年にしていきたいと思っております。

スタッフ一同、前身あるのみ、粉骨砕身してよりよいサイト運営を行ってまいりますので、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、縁起の良い初夢と言えば、一富士二鷹三茄子。古くから信仰の対象となり、日本人にとって特別な意味を持っている富士山は、芸術家にとっても格好のモチーフです。

『大観と言えば富士山』と言われるほど、多くの富士山を描いたのが日本画の巨匠横山大観(1868〜1958年)。富士山を描いた作品は2000点を超えるともいわれています。多作であり、独特のタッチながら模倣しやすく、贋物も多い作家ですが、鑑定の結果真筆と判断された作品には、〈大観番号〉という番号がふられています。

東京都台東区には、大観が生前住んでいた居宅を改装して建てられた〈横山大観記念館〉があります。

横山大観記念館

サムライオークションのオフィスがある、JR新御徒町駅の近くです。新年は、横山大観の描いた富士山を眺めながら、おめでたい気分に浸るのも一興と思います。

サムライオークションは、今年も古美術ファンの楽しみを倍増できるサイト運営を目指していきます! 本年もどうぞご贔屓に!!

【2019年、ご利用いただきありがとうございました!!】

こんにちは! 骨董・古美術ファンの味方《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

今年も残すところあと数日になってまいりました。今週末からお休みに入る方も多いと思います。皆さま、今年も1年間お疲れさまでした。

そして、今年の夏場より本格稼働しました当サイト、サムライオークション。アクセス・ご利用いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

正直に申し上げれば、まだまだ納得のいく運用はできておりません。そもそも、まだ〈サムライオークション〉のサイト自体がほとんど認知されていません。作品のご紹介・ご提供を含め、骨董・古美術ファンの皆さまに楽しんでいただけるコンテンツも圧倒的に不足しています。

骨董・古美術品という特性もあり、一朝一夕で多くの皆さまにご利用いただけるなどという甘い考えは持っておりません。安心感・信頼感は、少しずつ時間をかけて醸成されていくということは、しっかり認識しております。

〈サムライオークション〉は、骨董・古美術ファンの皆さまが集い、楽しく安心して情報交換ができ、それぞれの方にとって価値のある作品と出会えて、アートファンの裾野が広がっていく、そんなサイトとなる事を目指しています。

まずは、より多くの皆さまに知っていただくこと、アクセスしていただくこと、そのために魅力的な骨董・古美術作品を公開していただけるよう、しっかりと地道に努力してまいります。

来年もどうぞご贔屓に、そして良いお年をお迎えください〜!

【作品の中に、作家の想いを見る】

今日はクリスマス・イブですね! こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

日本では老若男女ともに浮ついた気分になるこの季節ですが、本来のクリスマスの意味合いに寄せて、神聖な気持ちになる美術館に行ってまいりました。

新橋駅前にある〈パナソニック汐留美術館〉です。パナソニック東京汐留ビルの4階にあるのですが、この美術館にはフランスの画家/版画家ジョルジュ・ルオー(1871〜1958年)の作品が常設展示された〈ルオー・ギャラリー〉があります。

ルオーは、20世紀初頭に誕生した表現様式〈フォーヴズム(野獣派)〉に分類されることも多いのですが、徒党を組むことを嫌って画壇に所属せず、ひたすら自分の表現を追求した孤高の作家です。

ルオーは生前『人は誰しも担うべき十字架を持っている。私の十字架は私の芸術だ』と話し、生涯にわたってキリスト教にまつわる宗教画を描き続けています。キリスト教の教義にまつわる作品の他、キリストの〈聖顔〉シリーズが有名ですね。

欧米でのキリスト教の位置付けを考える時、ルオーの作家・表現者としての社会的な役割は、単なるアーティストを越えたものになっています。そして、特にルオーの精神を美しいと感じるのは、労働者階級に生まれ、安く手軽に手に入る複製版画から古典芸術を学んだ彼が、社会的に弱い立場の人たちに向けて、比較的安く手に入れることができる版画作品を通してその祈りに貢献したいという、そんな想いを想像してしまうからです。

日本のキリスト教の歴史を語る時、欠かすことができないのが、長崎の隠れキリシタンです。そんな歴史を実感できる貴重な作品が現在、サムライオークションに出品されています。

■隠れキリシタンブロンズ像

https://samurai-auction.com/exhibition_detail.php?ex_code=675

お時間のある時に、ぜひアクセスしてみてください。

入札はしなくても、ひと目ご覧になっていただき、その歴史的な重みを空想していただくだけでも、価値のある一品です。

【人も古美術・骨董も、来歴の中に面白味あり】

こんにちは! 骨董・古美術ファンのための《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

日本にもファンが多い印象派の巨匠ルノワール。横浜美術館では、開館30周年ということで『ルノワールとパリに恋した12人の画家たち』展を来年の1月13日まで開催しています。

同時代に生き、新しい表現を確立したオーギュスト・ルノワール(1841〜1919年)、クロード・モネ(1840〜1926年)、ポール・セザンヌ(1839〜1906年)、アルフレッド・シスレー(1839〜1899年)の4人を中心に、それに連なる次世代のアーティスト、アンリ・マチス(1869〜1954年)、パブロ・ピカソ(1881〜1973年)などや、さらにモーリス・ユトリロ(1883〜1955年)、アメデオ・モディリアーニ(1884〜1920年)、マリー・ローランサン(1883〜1956年)などの画家の系譜が、エコール・ド・パリというフレームを通して紹介されています。

何の世界でも、リスペクトする師匠や先輩の影響というのは、気がつかないうちにも受けてしまうもの。意図して学べば、なおさらのことです。何事も技術を身につける最短の方法は〈模倣にある〉ということなのかもしれません。

好きなものは自然と真似をしますし、模倣から技術は身につきます。その技術を身に着けた後、それを越えて飛躍させ、新しいものを生み出せたアーティストだけが、後世に名を残すような偉大な仕事を成し遂げられる、そんなストーリーを感じた展覧会でした。

サムライオークションの骨董・古美術ファンの皆さまも、ホッと一息する時間に、自分のこれまでの人生のストーリーに、思いをめぐらせてみませんか?