【オススメ!SHOWCASE:歌川国貞(三代目豊国)〈歌舞伎〉】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

浮世絵の魅力とは、何でしょうか? 19世紀半ば、陶器の包み紙として使われていた北斎の紙片を見て、マネやドガらが強い影響を受け、印象派誕生のきっかけになったという逸話は有名ですが、このエピソードは何を物語っているのでしょうか?

当時、彼の地の画家にとって、影のない極端にデフォルメされた浮世絵が、それまでに見たどんな絵画とも違っていたことは間違いありません。肖像画の文化から、写実的に描くことが絶対の価値だったのでしょう。

そこに、全く異なる技法で描き出された浮世絵を見て、とても大きな衝撃を受けたのだと思います。全く未知の表現はオリジナリティであり、彼らにとって絵画表現の可能性を発見することにつながりました。

浮世絵の魅力は、その表現やモチーフの奥深さ、幅広さ、多様性であり、そしてなによりも日本独自の文化であるというあたりがキーポイントになるのだと思います。ですが、現代に生きる私たちは生まれながらにして西洋文明に強く影響を受けているおかげで、一般的には写実的な絵画に価値をおく人が多いような気がします。せっかく日本に生まれたのに、少しもったいないですね…。

さて、サムライオークションにも、歌川国貞(うたがわ・くにさだ/1786〜1865年)のちの三代目歌川豊国(うたがわ・とよくに)の作品、〈歌舞伎〉(江戸版画3図綴りセット)が、現在出品されています。

浮世絵の最大派閥、歌川派の中でもその中心人物である絵師、国貞。15、6歳で最大流派の初代歌川豊国に入門し、22歳で美人画デビュー。新しい美人画・役者絵を描いて、若くして人気絵師となりました。

1844年に豊国を襲名。自らが歌川派の総帥となった後、美人画と役者絵は豊国に限ると世間に言わしめて、浮世絵の世界で名実ともにトップの座に君臨したスーパースターです。

サムライオークションでは、知れば知るほどに面白さが広がる浮世絵の作品世界を、これからも広げていきたいと思っています!

【画家にとっての表現とは何か?『ポロック2人だけのアトリエ』】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

現代社会では、アーティストとして生きていくことに、憧れる人は多いようです。好きなことを生業にできれば、それほど素晴らしいことはないと、確かにそんな気もします。単純に自由でカッコよく見えますしね。(´ω`)

ただ、本来アーティストにとって表現することの意味は、もっと切実なのではないか、そんな事を考えさせる映画がノンフィクション映画『ポロック2人だけのアトリエ』です。

《↓作品情報はこちら》
ポロック 2人だけのアトリエ – 映画ならKINENOTE

主役を演じたエド・ハリスは、ジャクソン・ポロック(1912〜1956年)の大ファンで、10年ほどポロックの技術を学び続けたそうです。確かに劇中のアクション・ペインティングのシーンは、本物のポロックの創作現場のように感じられ、一見の価値ありです。

生きることと創作活動が完全に重なっている人間にとって、表現することは自己確認、自己承認であり、だからこそ他者との違いを明確にするために、全く新しい表現のカタチを追い求める必然が出てきます。

ドリッピングを見出す前のポロックが、「この表現もあいつに先をこされた」とピカソに毒づくシーンが印象的です。ポロックがたどり着いた表現は、確かに誰の真似でもない、全くオリジナルなものですが、それを獲得して自由になれたと思った時、凡庸な人間にとっては普通に手に入れることのできる何かが失われ、悲劇的なラストにつながっていく、そんな感想を持ちました。

この映画は、ポロックを支えたリー・クラスナー(1908〜1984年)との関係性にフォーカスされている面も強いのですが、本物のアーティストにとっての表現とはどのようなものかを感じさせてくれる、出色のノンフィクション作品です。お時間がある時に、ぜひご覧ください。

サムライオークションでも、オリジナリティー溢れる作品を、積極的にお取り扱いすることを目指しています。個性的な作家のお値打ち品も多いので、ぜひ作品公開ページにアクセスしてご確認ください!

ちょっと違う日本人の「価値の感覚」

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

海外において貴重な骨董や美術品は、最適な保管環境を維持できる博物館で飾られるのが一般的です。それに対して、日本では個人の方が所有されているものが多く存在します。人によっては国宝でお茶を飲んでいるかもしれません。海外に比べるとそのような現状を特別と感じない国民性がありますが、なぜそのような感覚の違いがあるのでしょうか。

そこには物に対する「価値の感覚」の違いが挙げられます。外国では、身分の高い王様や皇帝が使っているものは貴重で価値がある、とされる傾向があります。日本はどうかというと、誰が使っていたかは関係無く、技術や品質を純粋に評価する感覚を持ち合わせているといえます。

物を大切にするという面でも、独特の世界観があります。たとえば日本には昔から「金継ぎ」と呼ばれるような技術があります。完璧なものを作らず、割れたり欠けても「壊れたら直す」ということを前提として、ものが作られてきました。日常の中で使いながら大事に扱い長く使うことが当たり前のように行われてきました。現在の日本における有名な骨董のほとんどは、一般庶民が生活の中で使っていたものが引き継がれてきたものです。海外では、たとえそれが価値ある花瓶であっても亀裂が入ったら最後、直すことは困難なほど完璧に作られているため修復できず無価値になってしまいます。 このような「価値の感覚」を意識してみると、作品の楽しみ方も変わってくるのではないでしょうか。

【オススメ!SHOWCASE:山本文彦のデッサン〈花片々〉】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

絵画作品の制作には、さまざまな技法があります。ジャクソン・ポロック(1912〜1956年)で有名な〈ドリッピング〉、ジョルジュ・スーラ(1859〜1891年)の〈点描〉、俵屋宗達(生年不詳〜没年1640年頃)によって意図的な技法として確立されたといわれる〈たらしこみ〉など。アーティストが独自の表現を追求する中で偶然に生まれ、一定の評価が定着した技法は、他のアーティストによって取り入れられることもあったのでしょう。

中でも、私たち一般人も学校の授業で経験したことがあるほど広く普及した絵画技法といえば、コラージュではないでしょうか。ファインアートとしてのコラージュ作品は、天才パブロ・ピカソ(1881〜1973年)とジョルジュ・ブラック(1882〜1963年)が最初に使い始めたとされています。

日本でも、池田満寿夫(1934〜1997年)や横尾忠則(1936年〜)のコラージュ作品が有名です。コラージュの魅力は、その自由さ、そして表現としての奥行きの深さではないでしょうか。

今回ご紹介するサムライオークションのオススメ作品紹介は、山本文彦(やまもと・ふみひこ/1937年〜)のタイトル〈花片々〉というコラージュ作品です。

《▼作品はこちらです》(出品者:マサレオsuZuki@なんでも鑑定団FANさん)
山本文彦/筑波大学名誉教授/日本藝術院会員「花片々」デッサン・共シール・黄袋・タトウ箱
※ご紹介したオークション出品作品は、弊社が真作と保証するものではございません。

山本文彦は東京生まれの洋画家で、筑波大学名誉教授でもあります。過去には、NHKの番組で油絵の講師として出演していたこともあります。東京教育大学在学中の1958年に二紀展に初入選し、その後はさまざまな名展覧会で受賞多数。1992年には第10回宮本三郎記念賞を受賞しています。幻想空間の中に集積する生命をテーマとして作品を制作する、日本を代表する洋画家です。

自由な発想から表現された作品から、どのようなメッセージを感じ取るかは鑑賞者次第。自らの成長や変化とともに、受取る印象も変わっていくであろうそのコラージュは、手元において見るたびに新鮮な驚きを感じられる、そんな作品だと思います。ぜひ作品紹介ページにてご確認ください!

骨董初心者にオススメの楽しみ方

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

骨董は値段が高くて鑑賞用と思われがちですが、実際はそんなことはありません。ここでは気軽に骨董を楽しむためのステップを紹介します。

骨董品に会いに行こう!

まずは実際に見てみないことには始まりません。骨董市などに行って、自分のときめきに従ってお気に入りのものを探してみましょう。いくらパソコンや本などで調べて情報を集めても、実物の雰囲気を感じて初めて分かることも多いのです。例えば食べ物や音楽のことをいくら説明されても、実際に食べたり聴いたりしないとわからないのと似た感覚です。

偶然の出会いから始まることも、骨董のひとつの楽しみ方です。各地で行われる骨董市は、フリーマーケット感覚で色々なところで開催されています。見るだけでもいいので気軽に足を運んでみましょう。思わぬの出会いが待ち受けているかもしれませんよ。

日常で使えそうな小物から始めよう

骨董を楽しむ最初のステップとして、普段の生活に取り入れることができる品を選んでみると始めやすいです。いきなり鑑賞用の置物や大きいものを選んでしまうと、「なんか違うかも」と思ってしまったときに扱いに困ってしまいます。

そこでオススメなのは、湯呑やお茶碗などの食器類やアクセサリーです。使用頻度が多いものは自然と愛着が湧いてくるので、自分に馴染んでいく感じや骨董品が持つ歴史を簡単に楽しむことができます。

まとめ

以上、骨董を楽しむための初歩的なステップを紹介しました。まずは直感で気に入るものを探しに足を運び、生活に取り入れるところから始めてみましょう!

【初心者のための骨董・古美術用語シリーズ!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

美術品、骨董品の基本用語について、不定期にご紹介しています。今回は、日本画周辺の言葉について、いくつかピックアップしました。ご参照ください。

【絵草紙:えぞうし】

江戸時代の中頃から、江戸で出版された絵入りの娯楽本のこと。通俗的な事件などが紹介されている読み物で、庶民の娯楽でした。表紙の色や製本の仕方によって、赤本、黒本、青本、黄表紙、合巻などがあります。

【大首絵:おおくびえ】

主に江戸時代に描かれた浮世絵の様式のひとつ。歌舞伎役者や遊女、評判の良い町娘などの上半身、胸像が描かれたものです。喜多川歌麿(きたがわ・うたまろ/1753頃〜1806年)や東洲斎写楽(とうしゅうさい・しゃらく/生没年不詳)の作品が有名です。

【胡粉:ごふん】

日本画でよく用いられる白色顔料のひとつ。貝殻からつくられる。白色度の高いものは、ハマグリが用いられていたが、加工のしやすさからカキやホタテの貝殻も用いられており、全国で白色度の高い貝が探し求められていた。

【山水画:さんすいが】

中国で発達した絵画ジャンルのひとつ。自然の景色を描いたもので、人物画、花鳥画とともに、アジア圏における絵画の3大ジャンルです。現実の景色を再現した作品もありますが、作者が創造した作品が多い印象です。

【障屏画:しょうへいが】

屏風や襖、障子、衝立などに描かれた絵の総称。絹や紙に描いた絵を、屏風や襖、障子、衝立など動く間仕切り用具の両面に貼り付けた『障子絵』と、壁面に貼った貼付絵に分けられます。日本独特の室内装飾絵画です。 サムライオークションは、美術品・骨董品ビギナーを応援しています!

【永遠のソール・ライター展:美術館「えき」KYOTO・2020年4月11日〜5月10日予定】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

ソール・ライターがブームになっているようです。渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催された2回目の回顧展が、盛況の中3月8日に終了し、4月から京都の美術館「えき」にて巡回展示されます。

《▼美術館「えき」KYOTO・特設コンテンツ》

美術館「えき」KYOTO

ソール・ライターは、1950年代にファッション・フォトグラファーとして、当時最先端だったニューヨークの広告業界で大成功を収めましたが、58歳の時に突然仕事を辞めてしまいます。当時のアシスタントの女性の言葉からは、ある日の仕事現場でふらっと席をはずして、そのまま撮影現場に戻って来なかったそうです。それまで蓄積されていた広告業界への失望のようなものが、溢れかえってしまったのでしょうね。

その色彩感覚や構図、モチーフの切り取り方など、彼の写真そのものの魅力もさることながら、映画にもなっている彼のライフスタイルと言葉が、若い人の間で注目されています。社会的な名声や経済的な豊かさよりも、自らの気持ち、好きな生き方を選択する意志が共感されているようですが、本当の才能に恵まれたアーチストとはいつの時代でも、自ら意識せずとも、そのようにしか生きられないと、そんな風にも思います。アーチストをめぐる悲劇的なストーリーは沢山あります。

技術の進化で誰もが手軽に、魅力的な写真を撮れる時代になっています。同時に写真を身近なアートとして楽しむ人が増えているようです。フランス発のアート写真専門店も注目されています。

YELLOWKORNER

YellowKorner Japan | フランス発のアートフォト専門ショップ

サムライオークションには、まだ出品はありませんが、手軽に楽しめるアート写真の世界もなかなかに魅力的です。

【力強さに溢れる虎の日本画:神勇無敵】

【力強さに溢れる虎の日本画:神勇無敵】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

時代劇やお城見物などで、虎の日本画を目にしたことがある方も少なくないと思います。そんな虎の日本画を、ご自宅で楽しむのも風情があるかもしれませんね。

今回ご紹介するのは、江戸時代中期頃に呉春を祖とし、一大勢力となった四条派を学んだ三尾呉石(みお・ごせき/1885年~1946年)の虎の日本画、《神勇無敵》です。

《▼作品はこちらです》(出品者:マサレオsuZuki@なんでも鑑定団FAN)

※ご紹介したオークション出品作品は、弊社が真作と保証するものではございません。

三尾呉石は、戦前日本一の「虎の呉石」と称えられ、わずか15歳の時に日本美術協会に初めて出品した際、時の農商務大臣金子堅太郎にその画才を認められました。そして岐阜の動物書家、大橋翠石の元に送られ、四条派を学ぶこととなりました。

四条派は写実性を探求していた、円山応挙の影響を色濃く受けており、三尾呉石の絵も繊細な写実を特徴としています。

東京勧業博覧会に《猛虎》で三等賞杯受賞、文展に《寒風猛威》《村芝居》で入選、その後も院展、文展、日本美術協会展出展に、数回にわたり入選するという活躍を見せました。

虎を専門的に描いていた三尾呉石は、トラの研究のために満州、朝鮮に寒帯の勇虎を、インド、アラビア地方に熱帯の猛虎を数年間、写生行脚しに行くなど、精力的に活動していました。

そんな三尾呉石が描いた虎の絵は、力強さに溢れています。

今回ご紹介している絵を拡大していただくとお分かりいただけると思いますが、虎の毛が一本一本丁寧に描かれており、毛並みが浮き立っている様子が、実に見事に描写されています。

今にも飛び出してきそうな虎の絵を、ご自宅で楽しまれてみてはいかがでしょうか。

【オススメ!SHOWCASE:今井映方の《金魚》】

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皆さんは、金魚が人の手によって生み出された〈観賞魚〉だとご存知でしょうか?その起源は突然変異したフナであり、鯉と同様人間に憩いを与えるために水槽や池などで飼育されるペット用の魚です。

そんな金魚の優雅に泳ぐ一瞬の様を切り取り、茶室で楽しむための作品に描いたのは、今井映方(いまい・えいほう/1901〜1997年)です。

《▼作品はこちらです》(出品者:マサレオsuZuki@なんでも鑑定団FANさん)

堅山南風 師事/今井映方「金魚」絹本 肉筆

※ご紹介したオークション出品作品は、弊社が真作と保証するものではございません。

今井映方は、長野県生まれ。1922年に堅山南風に師事するために上京しましたが、1944年に故郷の戸隠村に戻り、以降は53年間、96歳で亡くなるまで戸隠村の自然を見つめながら、創作活動を続けました。

大きな樹木を描いた作品が高く評価されていますが、今回出品されているのは金魚と朝顔。鑑賞用の魚であるからこそ、絵の中に閉じ込められた時間に美しさを感じます。大胆に描かれた朝顔の花とのコントラストが際立って、鑑賞者の目を否が応でも金魚に導きますね。

日本では、鎌倉時代にはその存在が知られている金魚ですが、夏祭りの金魚売り・金魚すくいと、そのイメージは夏ですね。俳句においても金魚は夏の季語になっています。涼し気な金魚が描かれた掛け軸は、日本の夏の夕涼みを楽しむのにうってつけだと思います。

気になった方は、ぜひサイトの紹介画像にてご確認ください。

骨董品の魅力とは

こんにちは!初心者大歓迎の《骨董・美術品専門オークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

骨董品と聞くと馴染みがあまりないかもしれませんが、実はそこまで難しく考える必要はありません。今回は、骨董品の魅力についてや骨董品の楽しみ方について紹介します。

骨董品の魅力とは

骨董品と聞くと、少しハードルが高いように感じませんか?実際にはそこまで深く考えずにインテリア程度に考えてもOKです。どの骨董品が良いとか、高いから良いというわけではなく、あなたの主観で良いもの、気に入ったものを購入すると良いでしょう。魅力といっても、「人それぞれ」というのがあくまで前提ですが、

・全て一点ものである

・しっかりとした作り、素材が良い

・現代とは違うデザイン性

このあたりが共通として挙げられるのではないでしょうか。気軽に自宅に持ち込んでも意外とインテリアとしても良かったりするので、自宅の雰囲気も考えて気に入ったものを選ぶのが良いでしょう。

骨董品の楽しみ方

まずは、とにかく買ってみるという所から始めましょう。値段も安いものでOKです。買える範囲内で、直感的にこれいい!と感じたら思い切って購入してみましょう。購入したら、自宅へもっていき、配置を考えたり、使い方を考えて楽しみましょう。インテリアとしてもOKですし、実際に食卓に使ったり、草花を生けてみたりと、骨董品を暮らしに馴染ませるのも良いでしょう。

まとめ 骨董品を知らずにハードルの高いものと認識せずに、安い骨董品からでも気に入ったのがあれば思い切って購入してみましょう。意外とインテリアとしても機能するため、骨董品のある生活がやみつきになるかもしれませんよ!