【アートを感じること、信じること、考えること】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

見えないウィルスによって、人心の裏側を垣間見てしまうようなニュースが流れてきます。人々の恐怖心と身勝手さとが、せめぎ合っているような印象です。

小林秀雄は『万人のように考え、個人として信じる』と語っています。物事の本質は〈万人に共通のものとして考える〉、信仰や生き方などは〈個人として信じる〉というような意味だったと思います。魂とか祈りとか、答えがはっきりしないものは自己責任で信じればよいけれど、科学や法律などは、万人に共通の真理として考えられるべきです。

感染症については、科学的知見に基づいて冷静に考えて対処すれば、行動の仕方には、万人にとっての正解があるはずです。

それでは、アートについてはどうでしょうか?

アーティストによっては、表現の目的・意図があり、それが作品鑑賞の正解と考えてしまいそうですが、作品が作者の手を離れた瞬間に独自の人格を持ってしまう以上、鑑賞者の感受性に正解や不正解はない気がします。好きなものは好き、心が動かされる作品が、その人にとっては良い作品です。

もちろん、作品ごとの背景を知り、特に近代以前の絵画など、そこに隠されている情報を読み取るためのルールが存在しますので、それらを学んで作者の意図を理解することもアートの楽しみ方ですし、学びによって作品への理解が深まり、ある種の正解に近づいたと、感じられることもあるでしょう。

ただ、万人にとって同じ価値(正解)を持つ作品というのは恐らくないため、基本的にアートは、各人がそれぞれの感じ方で楽しめば良いのだと思います。

創作も鑑賞も、アートは自由であれ!

サムライオークションは、アートファンの皆さまの心を自由にする作品を、できるだけ多く公開したいと考えています! 

【プライマリーマーケットとセカンダリーマーケット】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

外出することが減って、自宅で過ごす時間が増えました。暇な時間ができると、ついオークションサイトやらを物色してしまいます。今や会議や打ち合わせもネットの時代、一昔前なら市場に出向かなければなかなか得られなかった出物の情報が、自宅にいながらある程度確認できるようになったというのは、時代の変化を実感します。

ところで、美術市場には、プライマリーマーケット(一次市場)とセカンダリーマーケット(二次市場)があるのをご存知ですか?

プライマリーマーケットは、アーティストから直接作品を購入できるマーケットです。直接と言っても、アーティストと個人的な知り合いでなければ、間に画商さんが入りますね。主に画廊や百貨店などで展示販売されるアートフェアなどをイメージしていただくと良いと思います。

セカンダリーマーケットは、誰かのコレクションから、売りに出されるマーケットです。サムライオークションもセカンダリーマーケットです。出回っている作品よりも、買いたいという人の数が多ければ、値段が高くなっていくしくみは、アダム・スミスの神の見えざる手として、昔習いましたね! 需要と供給のバランスによって値段がつけられるということです。

ただ、一般的な商品とアート作品が違うのは、基本的に大量生産されることはないということ。そのためトップオークションなどでは、世界的に人気のアーチストの作品は、一般の人には手の届かない値段となり、庶民からかけ離れた縁遠い世界になってしまいます。

最近は、プライマリーマーケットも増えてきました。まだメジャーになっていないアーティストを応援するつもりで、自分の手が届く範囲から購入するのも楽しいですね。絵画だけではなく、陶器なども同様です。今は、極端な話、誰もが好きな分野でアーティスト=表現者になれるし、それを販売するためのプライマリーマーケットも、そここにあります。なんなら自分でネットショップを開いて販売しても良いわけです。いやはや自由で豊かな時代になりました。 でも、だからこそ、玉石混交のネットショップの中で、信頼できるオークションサイトが求められているとも言えます。サムライオークションも、まだまだ新参モノではありますが、日々目利き力を養いながら、誠実で正直な、皆さんから信頼され、楽しんでいただけるオークションサイトへ、成長していくことを目指しています。

水墨山水に込められた物語

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

水墨山水とは

「山水」とは、山や川などの自然の景色のことです。つまり、墨で表現された自然の風景画のことを「水墨山水」と呼びます。9世紀頃の中国で墨の技術が向上し、墨だけで表現豊かな描画ができるようになったことで誕生しました。その後、禅の教えと共に日本へ伝わったと言われています。

物語を想像して楽しむ

掛け軸のような縦に長い水墨山水は、下から上へなぞるように見ていくことで時間の流れを想像することができます。水墨山水は、下から「近景」「中景」「遠景」と分かれており、近くから遠くへ歩いて行ける景色のような構図になっているからです。このように距離を感じることで、絵の中に吸い込まれていく気分を味わうことができるでしょう。

また、息を飲むような広大な自然の風景の中に、小さく人物が描かれている作品も多く存在します。それは決して風景の一部の飾りとして描かれているのではなく、人の内面や人生そのものを表現しようとしている作者からのメッセージが伝わってくると思います。たとえば「山」は世間から離れた安寧の場所を意味します。「老人」は作者自身、その老人が住む「小屋」は作者がひっそりと余生を過ごす場所を表現していたりします。険しい「山道」は生きることの過酷さだったり、川にかかった「橋」は自分を訪れてくれる友人がいることを表していることがあります。 このように、水墨山水はただの風景画ではなく、自分を物語の主人公に見立てて空想することができる芸術と言えます。作者のメッセージが凝縮されたモノトーンの世界から、物語を想像して楽しんでみてはいかがでしょうか。

【作家が嫌いだから、作品も嫌い、これってどうなの?】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

今、日本には、鑑賞者を静かに待っている有名な美術作品が沢山あります。特に国立西洋美術館で3月から開催される予定だった《ロンドン・ナショナル・ギャラリー展》。日本初公開の61作品、しかも美術史に名を残す、ビッグネームばかりです。

本日時点で開催予定日は未だ確定しておらず、本当に開催されるのか、心配になってしまいます。どうなるんでしょうか。

ところで、アートに限らずさまざまなジャンルで、作家が嫌いだから作品も嫌い、という方がいらっしゃいます。ピカソの作品はおもしろいけど、愛人を沢山作って女性を不幸にしたから嫌いとか。ワーグナーのオペラの偉大さはわかるけど、ヒトラーに応援されていたから、ポリシーとして作品を聞かないとか。

私は、作家と作品は別人格だと考えています。確かに優れた芸術作品は、作家の何らかが表出されたもの。したがって、作家が嫌いだから作品も嫌いというロジックは理解できるのですが、仮にその作家が作品で表現したかった《何か》は、あなたが嫌いな人格とは関係のない、人類に共通の《想い》であり、それを感じることで救われる人も沢山いる、という事はありうると思います。だとすれば、作家が嫌いだからと言って、特にビッグネームの作品を、食わず嫌いしてしまうのは、恐ろしくもったいないと、そんな気がします。

私は、スペインの画家ゴヤを尊敬しているのですが、その最も表現力に溢れた、一度見たら忘れられない『わが子を食らうサトゥルヌス』を、家に飾りたいとは思いません。ギリシャ神話を題材にしたこの作品は、示唆に富んでいますし、いつかプラド美術館でゆっくり鑑賞したいとは思いますが、手元において愛でたいという気にはならず、それはなんというか緊張を強いられるから、そんな理由だと思います。

以前、ある外資系金融のディーラーから、この作品が好きで自分への戒めのためにたまに見るのだと聞いて、とても納得した事を憶えています。ひょっとすると私にはまだその作品を鑑賞する実力とか、力量がないという事なのかもしれないと。

ある種の作品は、鑑賞者にも、鑑賞するための何かを求めてきます。その求められている何かを持っていなければ、作品側から受け入れらない、つまり好きになれないとかよくわからないとか、そんな事になるのかもしれません。やはり、学び続けること、成長していくことは、人生にもアートを楽しむのにも大切ですね。 サムライオークションは、皆さんに楽しんでいただけるサイトへと成長していくことを目指しています!

染付といえば伊万里焼

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

染付とは

染付とは、白地に青い絵付けがされる磁器の装飾技法のことです。英語ではそのまま「Bule and White」と呼ばれており、主に呉須という原料が使われ、元々青色ではなく釉薬を塗って焼くことで青に発色します。釉薬の下に絵付けがされているため、洗っても薄れることがなくとても使いやすいのが特徴です。

製造工程は日本と中国で違いがあります。日本では形にしたものを一度素焼きしてから呉須で図柄を描いて、その上から釉薬をかけて再度焼きます。中国では、素焼きしていない状態で呉須で描いて、その上から釉薬をかけて焼きます。

代表的な染付の焼き物「伊万里焼」

伊万里焼は江戸時代の始めに佐賀県の有田町で誕生しました。その江戸時代に焼かれた古い伊万里焼のことを「古伊万里」とあえて分けて呼ばれることもあります。

ここで、骨董品として見る伊万里焼で知っておきたい特徴をひとつご紹介します。それは「ゆがみ」です。お皿を例にすると、横から見たときに多少のゆがみが見られるものが本物である考えられます。ゆがんでいたら技術の無い素人が作った偽物のように思えるかもしれません。しかし、温度計の無い江戸時代の技術ではどうしても焼き加減にムラができてしまい、それがゆがみとして表れてしまうのです。どこから見てもゆがみの無いキレイな水平の形をしている焼き物は、現代のコンピュータに制御された窯で製造されたものと言えるでしょう。 「伊万里焼」という分野があると言っても過言では無いほど、骨董の世界ではとても人気の焼き物です。基本的な知識を持っておくと楽しみ方が広がりますね。

【初心者のための骨董・古美術用語シリーズ!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

美術品、骨董品の基本用語について、不定期にご紹介しています。今回は、浮世絵の種類について、まとめてみました。ご参照ください。

【役者絵:やくしゃえ】

江戸時代に老若男女を問わず、町人から武士まで夢中になるほどの人気を誇った娯楽が〈歌舞伎〉です。浮世絵も歌舞伎人気と連動して、〈役者絵〉が大量に制作されるようになり、最も人気のあるジャンルになりました。

→歌川国貞・「誠忠義士伝」は「大高源吾忠雄 河原崎権十郎」

誠忠義士伝」は「大高源吾忠雄 河原崎権十郎」

【武者絵:むしゃえ】

歴史上有名な英雄や武将、物語に登場する豪傑を描いた作品ジャンル。江戸後期に売り出した、歌川国芳の武者絵は、臨場感が高く人気がありました。江戸時代には、織田信長・豊臣秀吉の時代とそれ以後の武将を描くことは、幕府から禁止されていました。

→歌川国芳・「源平盛衰記」「加賀国安宅合戦」

「源平盛衰記」「加賀国安宅合戦」

【物語絵:ものがたりえ】

日本や中国の歴史や古典を題材に、勇猛な武者よりも物語にフォーカスされた作品。平安時代に書かれた「源氏物語」の一場面を描いた歌川広重のシリーズなどがある。

→歌川国貞・「阿漕の平次」

阿漕の平次」

【名所絵:めいしょえ】

江戸時代には、江戸と各地を結ぶ街道が整ってきました。街道沿いに宿場ができ、長旅をする人が増えると、お土産の需要ができ、それに応えて名所を描いた浮世絵が描かれるようになったようです。

→歌川広重・「両国大花火」

両国大花火」

【相撲絵:すもうえ】

相撲も江戸時代に人気の高かった娯楽のひとつです。相撲人気に合わせて、多くの相撲絵が制作されました。

→月岡芳年・「新撰東錦絵」「神明相撲闘争之図」

「新撰東錦絵」「神明相撲闘争之図」 サムライオークションは、美術品・骨董品ビギナーを応援しています!

掛け軸を2倍楽しむために知っておきたいこと

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

掛け軸を見るとき、当然ですが中心に描かれている絵や書の部分に注目して鑑賞しますよね。

掛け軸において、絵画や書の部分は「本紙」と呼ばれます。その「本紙」を引き立てるのも殺すのも「表具」にかかっていると言っても過言ではありません。

「表具」とは?

「表具」とは、絵画や書を鑑賞や保存に適した状態にするために補強する布地のことです。掛け軸は縦に長いということが真っ先に思い浮かびますが、一枚の長い紙になっているわけではありません。実際の絵画や書が描かれている本紙の下に貼る布の台紙のようなもの、すなわち「表具」に貼られているから掛け軸は縦に長いのです。

どんな「表具」が良いの?

良い表具であるには、「本紙を引き立てるが、本紙より主張し過ぎない」ということが重要です。本紙と表具の組み合わせにはセンスが必要です。

例えば、

・本紙と同色系の表具は、本紙を大きく見せる

・本紙と異なる系統の色の表具は、本紙を引き締しめる

といった具合に、組み合わせ次第で作品の雰囲気をガラッと変えることができます。

また、遠くから見たときには目を引くような存在感を出しつつ、近くで見るときには作品に集中できる、という絶妙なバランスであることが掛け軸の価値に表れてきます。

まとめ

掛け軸は「表具」を含めてひとつの作品であり、その良し悪しで作品はまったく違ったものになります。掛け軸を鑑賞するときには是非、本紙だけではなく「表具」の奥深さまで楽しんでみてください。

【自らの意志で創り出すのがアート】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

まだ相変わらずのコロナ禍で、世の中一色です。サムライオークションのオフィスがある上野周辺も、アメ横をはじめ人通りが極端に減っています。

医療崩壊の危機が叫ばれ、医療資材の不足も深刻ですが、そんな中、手作りのマスクや防護用フェイスシールドが、SNSなどさまざまなメディアで紹介されています。本格的なもの、ユニークなもの、素材もデザインもさまざまありますが、これらを見ていると人の想像力・創造力の豊かさについて、改めて感動します。

そう言えば、artの語源は、ラテン語のars(アルス)にあり、その言葉はギリシャ語のtechn(テクネー)に相当します。technは、英語のtechnique(テクニック)で日本語では〈技術〉ですね。このことから〈芸術〉と〈技術〉という言葉には、同じルーツがあるということがわかります。

〈芸術〉も〈技術〉も、〈創り出す〉という本質は同じ。それでは、それぞれの行為者を〈芸術家〉と〈職人〉に置き換えてみましょう。〈芸術〉という概念が確立するまで、ヨーロッパで〈画家〉は〈職人〉としてリスペクトされる存在でした。レオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロなどは、いかにも職人ぽいですね。

現在の感覚で考えると〈芸術家〉つまり、ファインアートを創作する人は、内発的な表現欲求から、創作活動をしている人、というイメージになります。それに対して〈職人〉は、依頼者の求めに応じて、仕事(創作)をするという印象です。

でも〈芸術家〉でも、お客さんからの依頼で創作をすることもありますし、〈職人〉だって、誰から頼まれたわけでもなく、自分の気の向くままに作品を創ることもあるでしょう。

言葉の定義付けにはそれほどの意味はなく、思うに、心の中に自然にわき起こった欲求から何かを創る時、全ての人は自由であり、それは幸福な状態だということ。これなら皆さんにも同意していただけるのではないでしょうか。小さなお子さんが夢中でお絵かきしているのを見ると、なぜかこちらも元気になります。 困っている人のために、マスクやシールドを創る人の姿に、創作活動・芸術の原点を感じました。自ら創りだす人も、作品も楽しむ人も、サムライオークションは、ウェルカムです!

美術品をネットオークションに出品するメリット

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

美術品を売りたいけど、

・業者に適正な価格で買い取ってもらえるか不安で踏み出せない

・自分の納得する価格で売りたい

・それほど急いで売りたいわけではない

・骨董市などに出品するのは面倒

という方、ネットオークションに出品してみませんか?

美術品は主に古物商のプロ同士で取引が行われますが、古物商許可を取得していれば一般の方でも出品可能なのがネットオークションです。そんなネットオークションにはどんなメリットがあるか見ていきましょう。

場所を気にする必要がない

取引はインターネット上で行われるため、お店を構えて商品を並べて展示する必要はありません。実店舗の場合はその場所に足を運んでもらわないとお客様に見てもらえませんが、キレイに撮った写真と商品の詳しい説明があれば、サイト内にいくらでも商品を出品しておくことができます。

時間を気にする必要がないため、 不特定多数の人に見てもらうことができる

骨董市などの場合、出品したくてもタイミング良く開催していない可能性がありますが、ネットオークションなら思い立ったらすぐ出品することができます。また、参加者側は24時間いつでもネットオークションのサイトに訪れることができます。インターネット上にページがあると何かのきっかけで人の目に触れやすくなるので、地球の裏側の思わぬところから入札参加者が現れるかもしれません。

まとめ

以上のように、インターネットでのオークションは大きな可能性を秘めています。美術品を売ろうか迷っている方は、とりあえず試しにいくつか出品してみてはいかがでしょうか。

【文化を学ぶこと、絵画を楽しむこと】

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

2日前の日曜日、4月12日は今年のイースター(復活祭)でした。欧米のクリスチャンにとってはとても大切な日ですが、日本人にはピンと来ませんよね。でも、イースター前の金曜日(グッド・フライデー)は、欧米では金融市場も閉まりますし、国や地域によって期間は異なるものの、キリスト教文化圏では《イースター休暇》は必ずあるようです。

イースターは、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが3日目に復活したことを記念するお祭りです。その日は〈春分の日の後の最初の満月の次の日曜日〉と決められているため、毎年日付が変わる移動祝祭日。世界中でさまざまな行事が行われます。

イースター前の金曜日は、キリストが処刑された日なのに、なぜグッド・フライデーなのか? これは、キリストが人類の罪を背負って自らを捧げることにより、人類が救われたため、という理由。なるほどですね。

そして《ホーリー・サーズデー》と呼ばれるイースター前の木曜日。処刑日前日のこの日は、キリストにとって最後の日。この日の夕食が、数々の名画を生み出すモチーフとなった《最後の晩餐》です。

その《最後の晩餐》の中にもストーリーがあり、そのストーリーには宗教的な教え(学び)が含まれています。レオナルド・ダ・ビンチの作品が最も高く評価されているポイントの一つは、そのストーリー描写の正確性とリアリティ。つまり、ダビンチがこの画を描いた当時、この画は楽しむための絵画ではなく、宗教的な啓蒙活動のためのツールであり、その役割を果たすための力が必要だったわけですね。

イースターは、日本人にとっての盂蘭盆会(おぼん)に近い宗教的な行事なのですが、例えばジブリの作品世界で描かれる日本の精霊信仰(八百万の神)などは、やはり欧米の人々には事前学習なしでは理解されにくいのと同様に、私達も欧米の宗教絵画を楽しむためには、それなりのお勉強が必要かもしれませんね。