贋作に価値は無いのか?

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの井戸です。

2020年5月26日のブログにも同じテーマの内容のブログがありますが、私なりに記事を書いてみました。

美術品に付きまとう問題のひとつに贋作があります。贋作とは偽物という意味です。手に入れたものが贋作だったらがっかりしてしまうかもしれません。しかし美術の世界では、見る人の目を唸らせる程の贋作に対して、その技術に高い値がつけられることも少なくありません。

そんな贋作を通じて映し出される人間模様を描いた、『嘘八百』という骨董品がテーマのコメディ映画があります。イカサマ古物商の小池則夫と、落ちぶれた天才陶芸家の野田佐輔の二人は、大手美術商に騙された共通の過去を持ちます。意気投合した二人が各分野のスペシャリストを率い、「幻の千利休の茶器」の贋作を作り出して大手美術商への復讐劇を企てる、というお話です。

物語の結末は映画を観ていただくとして、贋作のように「真似をすること」を芸術家はどのように考えるのでしょうか。ピカソは「凡人は模倣し天才は盗む」という言葉を残しました。サルバドール・ダリは「何も真似したくないと思う者は、何も生み出さない」という言葉を残しました。人は真似をすることで学び、それを活かして成長していくというメッセージです。

美術品を見るとき、偽物に騙されたくないと変に力が入っていませんか?本物と見分けがつかないほど似せられた作品にも、背景には深い物語があるかもしれません。その人にとって精神的な価値があれば、それは良作だと言えるでしょう。製造から人の手に渡るまでのストーリーによっては、本物を超える価値にもなり得るのです。

映画の中で、小池則夫が贋作の茶器でカフェオレを飲みながら「カフェオレが映えない」と野田佐輔にボヤき、ニヤニヤしながら飲むシーンがあります。二人の物語が始まる場面に居合わせた贋作です。ひとつの骨董品をこんな風に楽しむことができれば最高ですね。

※もちろん当社としては、贋作を容認したりオススメしているわけではありませんので、あしからずご了承くださいませ

【詩情を描写するミニマル・アート《浮世絵》】

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

TBSのプレバトをたまに見るのですが、俳句の夏井いつき先生の大ファンです。何がおもしろいかって、駄作があっという間に傑作に変わる訂正がすごい。作者が描き出そうとした光景を、的確な修正でみごとに立ち現してくれます。

俳句の魅力は少ない文字数で、誰にも同じ情景をイメージさせ、詩情を感じさせるところ。究極のミニマリスム。描写したい状況の本質を感じさせるための言葉の絞り込み、文脈の作り方に才能が出てきます。これは、浮世絵に似ています。どちらも世界に誇れる、洗練された日本の文化ですね。

描く対象の本質を感じさせる線を、極力まで絞り込む。構図や色、余白の表現で、文脈を作り出す。確かに浮世絵の魅力は、シンプルで数少ない線で、いかにその情景のリアリティを鑑賞者に実感させるかという点にあるので、これは俳句と一緒だと思います。

現在、サムライオークションには、浮世絵も数多く公開されています。

《▼『浮世絵』での検索結果・作品はこちらです》

サムライオークションには、幅広いお宝作品が出品されています。あなたのセンスで、浮世絵のお宝作品を発掘してみてください。

【自分と向き合う《自画像》の魅力】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

在宅時間が長くなると、自然と自分の顔を見る機会が増えてしまいます。オフィスでは、手洗いを済ませれば直ぐ出ていくところ、洗面所の鏡で顔を眺めながら『皺が増えたな』とか『疲れているな』と思ったり。そう、普通の人は自分の顔と向かい合う時って、どちらかと言えばネガティブな気持ちを呟きますよね? おそらく、調子が良い時には自分と向かい合う必要がない、というところでしょうか。

自画像で思い出すのは、鴨居玲(かもい・れい:1928〜1985年)とアルブレヒト・デューラー(1471〜1582年)。鴨居玲は、今年が没後35年ということで、この7、8月に回顧展が石川県立美術館で開かれていました。彼の作品には、人間の深部に隠されている、生々しい本質が描き出されている気がします。

鴨居の自画像からは、作家が創作と向かい合う上での苦しみのようなものを感じます。人間は多面的な存在なのに、わざわざその暗部、翳の部分に惹かれてしまうことに、自分自身も戸惑うことがあるのですが、本質を見つめるというのはそういうことなのかもしれません。

そして、デューラー。鴨居の自画像に対して、未来に向かって明るい光を見続ける、そんな強い意志を感じるのが、1500年に描かれた自画像です。デューラーが生きた時代、画家が自画像を描くのはまだ珍しかったようですが、彼は数枚の自画像を残しています。最も有名な1500年の自画像は、自身をキリストに模して描いているらしく、明暗法によって光が強調された顔、眼力の強さは確かに神々しい。

同じように人間の奥深いところにある何かを描き出した作品でありながら、一方は翳を、もう一方は光を見ている、そんな印象です。生きた時代、背景も違うので単純に比較はできませんが、どちらも人の本質を捉えた魅力的な作品です。

【《花鳥画》の魅力】

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先日の台風10号も恐ろしかったですが、まだまだ台風シーズンは続きます。本当に自然の脅威の前では、人間は手も足もでないということを思い知らされます。ただ、時として恐ろしい顔を見せる自然だからこそ、人の思うようにならないというところにまた、美しさを感じるのかもしれません。

諸行無常、常に変わり続ける自然の儚さに美を感じる日本人のメンタリティーから、数々の花鳥画の名作は誕生しました。

現在、サムライオークションには、花鳥画の名品も数多く公開されています。

《▼『花鳥画』での検索結果・作品はこちらです》

花鳥画は、もともと中国で体系化され、日本に広がった画題のひとつです。花と鳥の他に、草木や虫、小動物が描かれたものも含まれます。自然の美しさ、命の尊さを感じさせるものから、風物詩などもあり、例えば軸ものであれば、季節ごとに自然やお客さまに合わせて、気分に寄せた作品を掛けて楽しみたいものです。

現代人の感覚からすると、作家が心の内なる創作欲求から作品を描いたように考えてしまいがちですが、社会や人々から求められて製作された花鳥画も、数多くあります。

【帝王と呼ばれた男《東郷青児》】

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安倍首相が辞意を表明してから、マスコミは自民党総裁選挙の話題でもちきりです。日本最長の在任期間だったとはいえ、それほど強烈な個性を感じることのない安倍首相ですが、次の総裁と目される菅さんも、あたりさわりのない選択肢として浮上してきた地味な印象。これも時代の流れというものでしょうか。カリスマは、どのジャンルでも、時代の要請に応えて誕生すると言われます。

かつての日本に、帝王と呼ばれたアーティストがいたことをご存知でしょうか? 洋画家、東郷青児(1897〜1978年)です。コマーシャルアートの分野で活躍していたため、その作風であるデフォルメされた女性像を、どこかで目にしたことがあるかもしれません。

19歳で二科賞を受賞した早熟の天才は、その後パリに渡ってパブロ・ピカソ(1881〜1973年)とも交流を持ったそうです。帰国後は、日本の絵画マーケットに違和感を感じていたようですが、自分の表現を追求し、少しずつ自分のスタイルを確立していきました。ただ、作品以上にそのスキャンダラスな生活が人々の興味・関心を惹き、マスコミに多くの話題を提供しました。

既婚のまま別の女性と結婚披露宴を挙げたり、32歳の時に19歳の愛人と自殺未遂を図ったり。派手なのは女性関係だけではなく、仕事面でも雑誌の挿絵や書籍の装丁、壁画など幅広く精力的に活動、展覧会への動員を増やすためのパフォーマンスなども行っていたようです。エネルギーに溢れていたんでしょうね。

東郷が最も活躍していた明治から大正の時代は、いわば日本の産業革命時代。大量生産や民主化が進み、日本が西洋化と近代化を目指していた時代です。大きく変わっていく価値観について、戸惑いや迷いを感じる人も多かったと思います。そんな時代だからこそ、東郷のような強烈な個性や時代の流れにのった新しいスタイルの作品が、大衆から熱狂的に支持されていったのかもしれません。

現在、サムライオークションには、東郷青児とその流れをくむ作家の、作品取り扱いがございます。ぜひご覧ください。

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【心が静まる《仏画》のオススメ】

初心者大歓迎の《骨董・美術品専門オークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

洋の東西を問わず、近代以前の社会では宗教が人々の生活に与える影響は、現代社会比較にならないほど大きなものでした。疫病や天災の時に、絶望する人々に寄り添う無名の僧侶がいたかと思えば、時の権力者の近くで存在感を強める寺院があったりと、影響力が強かっただけに、その功罪も大きかっただろうと想像します。

教会やお寺には、祈りの対象としての彫刻や絵画があり、そこで祈ることで精神の安寧が実際に保たれていたのだと思います。宗教には、今以上の力が備わっていたはずです。

やがて経済的に豊かな人々が、祈りの対象を自宅にも欲しいと願い、宗教画の需要が社会に広がっていきます。ただ、そうはいっても、家に祈りの対象を持てる人々というのは、長いこと少数派だったと思います。きっととても高価な、贅沢品だったんでしょうね。

日本では平安時代から、仏像とともに仏画が多く制作されるようになり、鎌倉時代からそのバリエーションが広がって、室町時代には特に禅画が盛んに描かれるようになりました。ただ、江戸時代以降は、文人画や浮世絵など絵画のジャンルがさらに多彩になったために、仏画というジャンルの持つ価値や意味合いが変化していったのだと思います。そして、明治時代以降、新しい仏画が誕生して現在に至ります。

現在、サムライオークションには、数点の仏画の作品が公開されています。

《▼『仏画』での検索結果・作品はこちらです》

いずれも特長的な作品ばかりです。その画に向かい合ってみると、そこに特別な物語を感じたり、信仰を持たない自分でも自然と静謐な気持ちになることができます。やはり、お葬式や法事などで、ずっと身近にあった仏教的な考え方や物語が、身に備わっているのでしょうね。 ぜひご自宅に飾ってみてはいかがでしょうか。

【この秋は、骨董市に行ってみませんか?】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

もともと集団で生活するように最適化され、進化してきた人間にとって、人との接触を制限されることは、多くの人にとってしんどいことだと思います。ただ、まだまだ油断はできないとはいえ、新型感染症もある程度の落ち着きをみせてきています。

誰かと出会うこと、触れ合うことで人は成長します。刺激を受け、気づき、考えることがとても大切。骨董や美術にも同様の効果がありますね。全く知らなかった作家や作品に出会い、何かを感じて好きになる、そんな瞬間が大好きです。

サムライオークションはネットオークションなので、コロナ禍でのネット閲覧推進をもっとPRするべきなのでしょうが、今回は大江戸骨董市のご紹介をします。

春先からずっとお休みだった大江戸骨董市は、10月4日(第1日曜日)・18日(第3日曜日)に東京国際フォーラムにて開催予定です。新型コロナ感染症の状況によっては、中止になることもあると思いますので、事前に以下のサイトより、情報をご確認ください。

《大江戸骨董市・公式ホームページ》

骨董ファンの方でしたら、ご存知の方も多いかもしれませんが、大江戸骨董市は、〈有楽町・東京国際フォーラム〉と〈原宿・代々木公園ケヤキ並木※8月現在、次回開催日程は未定〉で開催されているアウトドア骨董市です。

日本最大規模とうたわれているように会場が広く、なんと言っても屋外なので、参加者が最低限のマナーとしてマスク着用で感染防止に努めていれば、それほど感染の心配もしなくて済むと思います。

出店数は約250店舗、一見フリーマーケットのように見えるお店もありますが、出店資格は〈古物商許可証〉取得者なので、身元は確かな方ばかりです。陶磁器、版画、軸物、道具類、などなど、あらゆるものがありますし、陳列も個性豊かでユニーク。初心者の方に最適だと思います。お時間があれば、ぜひ足を運んでみてください。 気になる作家や作品と出会った時には、サムライオークションでも検索してみてくださいね!

【《長楽無極》誰もが憧れる心持ち】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

休日は外出を控えていますし、テレワークも多くなり、自宅で過ごす時間が増えています。猛暑も続いています。無自覚でもストレスは溜まっているのでしょうね。少し心がささくれている気がします。

そこで、書を表してみました! まず、何を書くか悩みました。まあ、アレコレと書いてはみたのですが、こちらでご紹介する言葉は何にしようかなと…。お手本を見ながら、練習すること1時間です。『泰然自若』『大器晩成』『悠々自適』…。今の気分にしっくりくる言葉を探しながら、筆をふるっているうちに、だんだん楽しくなってきました。

書も絵画も、さまざまなスタイルがあり、多くの巨匠がいて、お手本にするのは良いと思うのですが、お手本の通りに書ければ正解というものではなく、要は自分が気に入った絵が、文字が、表現できれば満足、ハッピーということですね。そんなことに改めて気づきました。そこで、公開作品は『長楽無極(ちょうらくむきょく)』にしました。楽しみが限りなく続くこと、極まることがない楽しみ、という意味ですね。

嫌いなことを無理に『楽しい』と思うことは、できないのです。ただ、はじめは楽しくなくても、一生懸命やっているうちに、楽しくなってくることはあります。仕事が典型ですね。気分が乗らなくても、とにかく数分でもいいから集中してみる、頑張ってみる、そこから気持ちが乗ってくる、ということもあります。いつもうまくいくわけではありませんが(^_^;)。

ちなみに、龍のすずりは、栃木の骨董市で落札したものです。古いもののようですが、それほど使い込まれているようでもなく、以前の持ち主の方はどんな方だったのだろうと、いつも考えてしまいます。モノを通じて、見知らぬ人とつながることができるのも、骨董の楽しみのひとつですね。

サムライオークションには、骨董の各種道具類も取り扱っています。時間のある時にぜひご覧ください。

【風呂敷ブームで思い出す《クリスト》の梱包アート】

こんにちは! 初心者大歓迎の《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

レジ袋有料化で、風呂敷が密かに人気のようです。学生時代、なぜか風呂敷を使っていた事がありました。はっきり言って、とても便利です。今は生地や柄も選択の余地が広がって、ブームもうなずけます。

今年5月、現代美術家のクリスト(1935〜2020年)が亡くなりました。歴史的な建造物や自然や公園の風景をラッピングする作品は、常に大きな話題となって、世界を騒がせました。オーストラリアの海岸やパリのセーヌ川にかかるポンヌフ橋、ドイツの国会議事堂などなど、今調べてみてもよく実現できたなぁという印象のものばかりです。日本でも1991年に茨城県常陸太田市で巨大な青い傘を立てる《アンブレラ》プロジェクトが行われています。

このような巨大な構造物や自然をラッピングする行為が、なぜアートになるのか、美術評論家のような専門家の間でも、議論の対立があったように記憶していますし、私自身ももちろんよくわからず、アーチストというよりも、何かビッグイベントのプロモーターのような印象さえ持っていました。

しかし、2016年に水戸芸術館で行われた作品回顧展などを見ると、作品の舞台となる理想的な土地を探して日本全国を探した話や細かい設置場所などについて解説があり、当然ですが明確な意図を持って巨大な傘を1340本立てていることがわかります。茨城県の山間地の谷間にならぶ巨大な傘は、壮観なだけではなく、日本に住む人間の社会を想起させる力があります。 歴史的建造物を包む行為も、鑑賞者に新しい視点を与え、その建物を包む意味を考えさせることで、人間の営みやその本質に気づかせてくれます。新しい視座の提供、物事の本質の啓示というような意味で、まさしくクリストにしかできない、唯一無二のアートなのだと思います。

【《飛鳥美人》の公開に美人を考える】

こんにちは! 初心者大歓迎の《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

優しくて仕事も早い、見た目も男前な知人がいます。当然、若い頃はモテモテでしたが、数年前に偶然街で再会した時、結婚したと聞かされた相手に衝撃を受けました。『蓼食う虫も好き好き』ということわざの意味を、人生で初めて実感しました。いや、お二人が幸せであるならば、何の文句もございませんです、はい。

7月18日から24日まで、『飛鳥美人』の愛称で呼ばれる国宝、高松塚古墳壁画(7世紀末〜8世紀初め)が一般公開されました。事前に募集した見学希望者は、4476人もいたそうです。熱心な美術ファン、考古学ファンの方が多いですね。

約13年にもおよぶ修復作業によって、極彩色の女子群像の汚れやカビが除去され、下地のしっくい強化などが行われたそうです。ただ、その一般公開の様子は、修復作業のためにバラバラに分割された壁画を、貸し出されたオペラグラスを使ってガラス越しに覗くという感じで、少し残念な印象でした。

やはり、壁画はできればそれが描かれた環境の中で、その当時の歴史などを想いながら、先人画家の創作活動を想像するというのが、理想的な鑑賞作法のような気がします。たしかに貴重な人類の遺産なのですが、切り出されてガラスケースに入った壁画に少し違和感を持ちました。

文化庁は「新しい常設施設をつくり、もう少し見やすい形での公開を目指す」としているので、今後に期待したいところです。

ところで、美人の定義ですが、よく時代によって変わると言われます。確かに平安時代の下膨れとか、西洋画古典のぽっちゃり体型とか、現代人のセンスとそのまま比較するのはナンセンスだと思いますが、そもそも何が美しいかというのは、いつの時代でも完全な正解があるわけではありません。

何が美しいのかは、人ぞれぞれに好みがあり、異なる基準があります。描かれる感情表現についても、わかりやすい豊かな表情が好きな人もいれば、控えめな描き方を評価する人もいます。

目の前の作品をじっくり見て味わうのと同時に、作者の意図(趣味嗜好)や時代背景なども合わせて鑑賞し考えるということが、美術の楽しみ方の大きなポイントだと思います。

サムライオークションにも、幅広い作品が出品されています。あなた好みの作品を、じっくりと探してみてください。