おかっぱ頭に丸い眼鏡と派手な服装【藤田嗣治】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

Webメディア上での人気コンテンツと言えば「猫」ですよね。「猫」は最強のコンテンツと言っても過言ではないほど人気があることは、ほとんどの方が納得するのではないでしょうか。近年はSNSの普及もあり、世界各地から発信される猫の画像や動画を好きなだけ楽しむことができますが、絵画の猫もまた、実物とは違った癒やしを与えてくれます。

猫の絵を得意とした画家に藤田嗣治という人物がいます。パリで活躍し、戦後日本の画壇から追放された悲劇の画家としても知られており、フランス国籍を取得後にカトリックの洗礼を受け、フランス人「レオナール・フジタ」となります。

父である藤田嗣章は、森鴎外の後任として陸軍に所属する軍医のトップにまで昇進した人物でした。その交流から藤田嗣治は森鴎外と面識があり、「画家になるにはどうしたらいいか」と相談したそうです。そして、森鴎外の薦めから東京美術学校の西洋画科に入学した後、紆余曲折あって画家として成功することになります。

1913年に渡仏してパリのモンパルナスに住むようになりますが、モンパルナス界隈は家賃が安く、画家が多く暮らしていました。そこで、後に「親友」と呼ぶことになるアメデオ・モディリアーニやシャイム・スーティンらと知り合い、さらにはピカソやシャガールなど有名画家とも交友します。

藤田は、猫を裸婦や自画像のワンポイントとして描き始めています。モデルと猫が並んでいる作品が多数あり、重要なモチーフとなりました。自身も猫を飼っており、猫たちは良きパートナーとして藤田の活躍を見守り続けてきたのかもしれません。気まぐれだけど甘えたがる猫の様子と柔らかさが、とてもよく表現されています。猫が好きな方は、ぜひ藤田嗣治をチェックしてみてください。

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