【《飛鳥美人》の公開に美人を考える】

こんにちは! 初心者大歓迎の《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

優しくて仕事も早い、見た目も男前な知人がいます。当然、若い頃はモテモテでしたが、数年前に偶然街で再会した時、結婚したと聞かされた相手に衝撃を受けました。『蓼食う虫も好き好き』ということわざの意味を、人生で初めて実感しました。いや、お二人が幸せであるならば、何の文句もございませんです、はい。

7月18日から24日まで、『飛鳥美人』の愛称で呼ばれる国宝、高松塚古墳壁画(7世紀末〜8世紀初め)が一般公開されました。事前に募集した見学希望者は、4476人もいたそうです。熱心な美術ファン、考古学ファンの方が多いですね。

約13年にもおよぶ修復作業によって、極彩色の女子群像の汚れやカビが除去され、下地のしっくい強化などが行われたそうです。ただ、その一般公開の様子は、修復作業のためにバラバラに分割された壁画を、貸し出されたオペラグラスを使ってガラス越しに覗くという感じで、少し残念な印象でした。

やはり、壁画はできればそれが描かれた環境の中で、その当時の歴史などを想いながら、先人画家の創作活動を想像するというのが、理想的な鑑賞作法のような気がします。たしかに貴重な人類の遺産なのですが、切り出されてガラスケースに入った壁画に少し違和感を持ちました。

文化庁は「新しい常設施設をつくり、もう少し見やすい形での公開を目指す」としているので、今後に期待したいところです。

ところで、美人の定義ですが、よく時代によって変わると言われます。確かに平安時代の下膨れとか、西洋画古典のぽっちゃり体型とか、現代人のセンスとそのまま比較するのはナンセンスだと思いますが、そもそも何が美しいかというのは、いつの時代でも完全な正解があるわけではありません。

何が美しいのかは、人ぞれぞれに好みがあり、異なる基準があります。描かれる感情表現についても、わかりやすい豊かな表情が好きな人もいれば、控えめな描き方を評価する人もいます。

目の前の作品をじっくり見て味わうのと同時に、作者の意図(趣味嗜好)や時代背景なども合わせて鑑賞し考えるということが、美術の楽しみ方の大きなポイントだと思います。

サムライオークションにも、幅広い作品が出品されています。あなた好みの作品を、じっくりと探してみてください。

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