美術品をネットオークションに出品するメリット

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

美術品を売りたいけど、

・業者に適正な価格で買い取ってもらえるか不安で踏み出せない

・自分の納得する価格で売りたい

・それほど急いで売りたいわけではない

・骨董市などに出品するのは面倒

という方、ネットオークションに出品してみませんか?

美術品は主に古物商のプロ同士で取引が行われますが、古物商許可を取得していれば一般の方でも出品可能なのがネットオークションです。そんなネットオークションにはどんなメリットがあるか見ていきましょう。

場所を気にする必要がない

取引はインターネット上で行われるため、お店を構えて商品を並べて展示する必要はありません。実店舗の場合はその場所に足を運んでもらわないとお客様に見てもらえませんが、キレイに撮った写真と商品の詳しい説明があれば、サイト内にいくらでも商品を出品しておくことができます。

時間を気にする必要がないため、 不特定多数の人に見てもらうことができる

骨董市などの場合、出品したくてもタイミング良く開催していない可能性がありますが、ネットオークションなら思い立ったらすぐ出品することができます。また、参加者側は24時間いつでもネットオークションのサイトに訪れることができます。インターネット上にページがあると何かのきっかけで人の目に触れやすくなるので、地球の裏側の思わぬところから入札参加者が現れるかもしれません。

まとめ

以上のように、インターネットでのオークションは大きな可能性を秘めています。美術品を売ろうか迷っている方は、とりあえず試しにいくつか出品してみてはいかがでしょうか。

【文化を学ぶこと、絵画を楽しむこと】

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

2日前の日曜日、4月12日は今年のイースター(復活祭)でした。欧米のクリスチャンにとってはとても大切な日ですが、日本人にはピンと来ませんよね。でも、イースター前の金曜日(グッド・フライデー)は、欧米では金融市場も閉まりますし、国や地域によって期間は異なるものの、キリスト教文化圏では《イースター休暇》は必ずあるようです。

イースターは、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが3日目に復活したことを記念するお祭りです。その日は〈春分の日の後の最初の満月の次の日曜日〉と決められているため、毎年日付が変わる移動祝祭日。世界中でさまざまな行事が行われます。

イースター前の金曜日は、キリストが処刑された日なのに、なぜグッド・フライデーなのか? これは、キリストが人類の罪を背負って自らを捧げることにより、人類が救われたため、という理由。なるほどですね。

そして《ホーリー・サーズデー》と呼ばれるイースター前の木曜日。処刑日前日のこの日は、キリストにとって最後の日。この日の夕食が、数々の名画を生み出すモチーフとなった《最後の晩餐》です。

その《最後の晩餐》の中にもストーリーがあり、そのストーリーには宗教的な教え(学び)が含まれています。レオナルド・ダ・ビンチの作品が最も高く評価されているポイントの一つは、そのストーリー描写の正確性とリアリティ。つまり、ダビンチがこの画を描いた当時、この画は楽しむための絵画ではなく、宗教的な啓蒙活動のためのツールであり、その役割を果たすための力が必要だったわけですね。

イースターは、日本人にとっての盂蘭盆会(おぼん)に近い宗教的な行事なのですが、例えばジブリの作品世界で描かれる日本の精霊信仰(八百万の神)などは、やはり欧米の人々には事前学習なしでは理解されにくいのと同様に、私達も欧米の宗教絵画を楽しむためには、それなりのお勉強が必要かもしれませんね。

陶器と磁器の違い②【 磁器 】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

骨董品を語るうえでは欠かせない「陶器」と「磁器」の違いを見ていきます。

前回は「陶器」についてのお話でしたが、今回は「磁器」の紹介です。

磁器とは

磁器とは、陶石という岩石を削って粉にしたものを粘土と混ぜて固めて形にした器のことです。陶石はガラスの材料で使われる長石を含むため、焼き上がった後に半ガラス質となります。1300度前後の比較的高い温度で焼かれ、陶器に比べると硬くなる性質があります。しかし硬いとは言っても、一箇所に衝撃が集まるとヒビが入って割れやすいので、扱いには注意しましょう。

磁器は江戸時代頃から作られるようになったもので、佐賀の有田で陶石が発見されたことから製作が始まったと言われており、そこから現在の陶磁器の文化が形成されてきました。

磁器の特徴

・ツルツルした触り心地

・薄くて叩くと澄んだ高い音がする

という特徴があります。

焼き上がりはほとんどが白色のため、スッキリとしたキレイな印象を与え、丈夫で実用性が高いものに仕上がります。陶器に比べると、洗練された絵付けのデザインによる美しさが感じられると思います。見た目の艷やかさも均一に仕上げやすいので、洋食器にもよく使用されます。硬度が高く表面が滑らかなのでナイフやフォークとの相性も良いです。しかし、陶器と違って熱伝導率が高く熱しやすいので、直接触れて器を持つのは大変です。そのため、ティーカップのような取っ手が必要となってきます。日本とヨーロッパの食のスタイルが、陶磁器によってわかりやすく表れていますね。

まとめ

2回に分けて「陶器」と「磁器」の違いを紹介してきました。

意識しないと何となく同じようなものに見えてしまいますが、原料や性質、特徴などをそれぞれで考えてみると違いが理解しやすいのではないでしょうか。

【日常の中で、身近なアートを楽しむ!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

家で過ごさざるをえない時間が増えて、どのように楽しく過ごすかがメディアで話題になっています。老若男女、居住地域、育ってきた背景など、いろんな過ごし方があってユニークですね。

お子さんがいるご家庭のトピックが多いですが、一人暮らしの大人なら、どんなイメージでしょうか。読書、映画、料理…とそんなところが思い浮かびます。でも、心がザワザワと不安定な今だからこそ、心を落ち着かせるアート鑑賞はいかがでしょうか。鑑賞と言っても、美術館もお休みですし、出ていくワケではありません。厳密には〈鑑賞〉というより〈創作〉に近いですね。まずは、今のお部屋に飾りたい、一緒に過ごしたいアートとはどんなものかを考えてみましょう。

まずはどんな作品を、どこに置くか。どんな小さなお部屋でも、あなたにとっての落ち着く場所とか、ふとした時に目がいってしまう場所がきっとあるはず。そこに少しだけスペースを作って、自分の好きなモノを飾ってみましょう。小さなフィギュアとか、一輪挿しとか。自分で描いた小さなイラストや刺繍の作品、もちろん写真もいいですね。今はお手軽な値段で素敵なフレームが沢山あります。毎日忙しく過ごしていると、自分の部屋でアートを楽しむなんて考えたこともなかったかもしれませんが、何事もまずは想像してみることからはじまります。

有名なコレクターや偉い美術評論家の先生たちも、最初は自分の身近にあった〈好きなもの〉を、手元に〈飾って楽しむ〉ところからスタートしているはずです。それは、美術の歴史も同じです。ユーラシア大陸で人類が実用の道具に、本来不必要な細工を加えはじめたのは、およそ1万5000年前。縄文人が使っていた土器や土偶の不思議なカタチには、当時の人々が感じる心地よさとか、心を動かす感覚が備わっているのだと思います。きっと、生活の中でふとした余裕が出来た時、一人の縄文人の中にアートを楽しむ気持ちが生まれたのでしょう。

皆さんの中にも、まだ眠っているアートを楽しむ気持ちがあるはずです。大いに刺激して、もっと日常生活を豊かにしたいですね。そのヒントは、サムライオークションにあります! お時間がある時に、ぜひ公開作品をご覧になってください。

【クリムト《接吻》に愛を考える】

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相変わらず新型コロナウィルスの勢いが止まらず、緊急事態宣言が発令されました。多くの美術館は休館になっていますし、外出自粛要請で社会が萎縮しています。そんな中、在宅勤務になったことが遠因による家庭内暴力があり、奥さんが亡くなって夫が逮捕されるという痛ましい事件が報道されました。

世も末だなという想いから、思考は19世紀末のヨーロッパへ飛びます。科学技術の発達で大きく変化する世の中に、人々が不安を抱く中、オーストリアで愛のカタチを描き続けた画家、グスタフ・クリムト(1862〜1918年)を思い出しました。

クリムトの家には、多い時で15人もの女性が同居していました。そのほとんどがモデルであり、愛人だったそうです。若くして装飾家として名声を得たクリムトですが、画家としての作品のモチーフは、一貫して《愛》なかでも《エロス》と《死》です。

官能的なクリムトの作品の中で、特に人気が高いのが《接吻》。モデルは、エミーリエ・フレーゲ(1874〜1952年)。ブティック経営で成功し、デザイナーとしても自立していました。だから、なのか、クリムトは生涯独身。死の床でもエミーリエを呼んだそうなので、最も信頼していた女性に違いないのですが、二人はいわゆる結婚という手続きはとっていません。

経済的に自立した人間同志のカップルであれば、自由な関係でいられるもの。家庭内暴力の悲劇は、どちらかがどちらかに依存する瞬間にはじまるような気がします。愛を大切に守りたければ、お互いが精神的、経済的に自立し続けることかもしれませんね。

陶器と磁器の違い① 【 陶器 】

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骨董品を語るうえでは欠かせない焼き物。そんな焼き物には「陶器」と「磁器」がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を知って見分けられるようになりましょう。

今回は「陶器」の特徴を見ていきます。

陶器とは

陶器とは、陶土という粘土(地面を掘ると出る粘土層)を練って形を整えて作られた器のことです。1000度前後の比較的低い温度で焼かれ、柔らかく割れやすい性質を持ちます。

陶器は江戸時代より前から使われていましたが、その起源は原始時代の「土器」と言われています。当時は鉢のような形をしたものが多く、主に食料を保管する用途として使われていたようです。

陶器の特徴

・ザラザラした触り心地

・全体的に厚みがあり、叩くと鈍い音がする

といった特徴があります。

焼き上がりは様々な配色にすることができ、形を含め、個性豊かな表現が可能です。和食器としてよく使用され、落ち着いた温かみが感じられます。肉厚でボコボコした部分が多い傾向があり、見た目よりも軽く感じるものもあります。また、熱伝導率が低く熱しにくいため、器にお湯を入れてもすぐにはそれほど熱くなりません。この性質があるため茶碗、湯呑などの和食器には取っ手を必要とせず、日本では器を手に持って食事をする形が定着していると考えられます。さらに、冷めにくいためお鍋のような調理器具としても優秀です。

まとめ

以上が、陶器の特徴です。 日本の古い陶器は骨董価値が高いものも多く、海外でも人気があります。同じように作ったものでも独特の作品に仕上がっているものも多くあるので、自分だけのお気に入りを見つけて楽しんでみてはいかがでしょうか。

骨董の価値に影響する「キズ」の見分け方

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

骨董の価値に影響する「キズ」の見分け方

骨董品で人気のある陶器や磁器。割れたり欠けたりしやすい材質なので、購入するときやオークションに出すときなど、キズが価値にどのくらい影響するかを見極めるのは難しい問題です。今回は、その中でも比較的わかりやすい「ほつ」と「へこみ」について見ていきます。湯呑を例に考えてみましょう。

価値に影響する「ほつ」

「ほつ」とは口をつける部分でよく見かける、ごく小さな欠けのことです。誰でも一度は洗いものをしているときにぶつけて欠けてしまった経験があると思います。このキズは大きく価値に影響します。使用するときに欠けた部分が口にあたる状態では気持ちよく使うことはできないので、当然価値は下がります。

価値にあまり影響しない「へこみ」

似たようなものに「へこみ」があります。これは知らない方が見ると「ほつ」と同じような欠けと思われてしまうかもしれませんが、よく見ると欠けているわけではない場合があります。湯呑でいうと、置くときにテーブルなどに接する、底の高台の部分で見られます。

この部分のキズが「ほつ」なのか「へこみ」なのかを手軽に判断する方法は、「うわぐすりが塗られているかどうか」です。製造過程でできたへこみの場合はうわぐすりが塗られているため、周囲と同じようにツヤツヤしています。この場合は、よほど大きなへこみでない限り、価値にそれほど影響しないと考えてよいでしょう。

もしも単純に欠けているのであれば、うわぐすりが塗られていた部分が無くなっている状態なので光を当てても反射しません。つまり後からできたキズ(ほつ)であると言えます。

購入する際や、オークションに出品する場合の価値判断として参考にしてみてください。

【オススメ!SHOWCASE:歌川国貞(三代目豊国)〈歌舞伎〉】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

浮世絵の魅力とは、何でしょうか? 19世紀半ば、陶器の包み紙として使われていた北斎の紙片を見て、マネやドガらが強い影響を受け、印象派誕生のきっかけになったという逸話は有名ですが、このエピソードは何を物語っているのでしょうか?

当時、彼の地の画家にとって、影のない極端にデフォルメされた浮世絵が、それまでに見たどんな絵画とも違っていたことは間違いありません。肖像画の文化から、写実的に描くことが絶対の価値だったのでしょう。

そこに、全く異なる技法で描き出された浮世絵を見て、とても大きな衝撃を受けたのだと思います。全く未知の表現はオリジナリティであり、彼らにとって絵画表現の可能性を発見することにつながりました。

浮世絵の魅力は、その表現やモチーフの奥深さ、幅広さ、多様性であり、そしてなによりも日本独自の文化であるというあたりがキーポイントになるのだと思います。ですが、現代に生きる私たちは生まれながらにして西洋文明に強く影響を受けているおかげで、一般的には写実的な絵画に価値をおく人が多いような気がします。せっかく日本に生まれたのに、少しもったいないですね…。

さて、サムライオークションにも、歌川国貞(うたがわ・くにさだ/1786〜1865年)のちの三代目歌川豊国(うたがわ・とよくに)の作品、〈歌舞伎〉(江戸版画3図綴りセット)が、現在出品されています。

浮世絵の最大派閥、歌川派の中でもその中心人物である絵師、国貞。15、6歳で最大流派の初代歌川豊国に入門し、22歳で美人画デビュー。新しい美人画・役者絵を描いて、若くして人気絵師となりました。

1844年に豊国を襲名。自らが歌川派の総帥となった後、美人画と役者絵は豊国に限ると世間に言わしめて、浮世絵の世界で名実ともにトップの座に君臨したスーパースターです。

サムライオークションでは、知れば知るほどに面白さが広がる浮世絵の作品世界を、これからも広げていきたいと思っています!

【画家にとっての表現とは何か?『ポロック2人だけのアトリエ』】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。

現代社会では、アーティストとして生きていくことに、憧れる人は多いようです。好きなことを生業にできれば、それほど素晴らしいことはないと、確かにそんな気もします。単純に自由でカッコよく見えますしね。(´ω`)

ただ、本来アーティストにとって表現することの意味は、もっと切実なのではないか、そんな事を考えさせる映画がノンフィクション映画『ポロック2人だけのアトリエ』です。

《↓作品情報はこちら》
ポロック 2人だけのアトリエ – 映画ならKINENOTE

主役を演じたエド・ハリスは、ジャクソン・ポロック(1912〜1956年)の大ファンで、10年ほどポロックの技術を学び続けたそうです。確かに劇中のアクション・ペインティングのシーンは、本物のポロックの創作現場のように感じられ、一見の価値ありです。

生きることと創作活動が完全に重なっている人間にとって、表現することは自己確認、自己承認であり、だからこそ他者との違いを明確にするために、全く新しい表現のカタチを追い求める必然が出てきます。

ドリッピングを見出す前のポロックが、「この表現もあいつに先をこされた」とピカソに毒づくシーンが印象的です。ポロックがたどり着いた表現は、確かに誰の真似でもない、全くオリジナルなものですが、それを獲得して自由になれたと思った時、凡庸な人間にとっては普通に手に入れることのできる何かが失われ、悲劇的なラストにつながっていく、そんな感想を持ちました。

この映画は、ポロックを支えたリー・クラスナー(1908〜1984年)との関係性にフォーカスされている面も強いのですが、本物のアーティストにとっての表現とはどのようなものかを感じさせてくれる、出色のノンフィクション作品です。お時間がある時に、ぜひご覧ください。

サムライオークションでも、オリジナリティー溢れる作品を、積極的にお取り扱いすることを目指しています。個性的な作家のお値打ち品も多いので、ぜひ作品公開ページにアクセスしてご確認ください!

ちょっと違う日本人の「価値の感覚」

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフ井戸です。

海外において貴重な骨董や美術品は、最適な保管環境を維持できる博物館で飾られるのが一般的です。それに対して、日本では個人の方が所有されているものが多く存在します。人によっては国宝でお茶を飲んでいるかもしれません。海外に比べるとそのような現状を特別と感じない国民性がありますが、なぜそのような感覚の違いがあるのでしょうか。

そこには物に対する「価値の感覚」の違いが挙げられます。外国では、身分の高い王様や皇帝が使っているものは貴重で価値がある、とされる傾向があります。日本はどうかというと、誰が使っていたかは関係無く、技術や品質を純粋に評価する感覚を持ち合わせているといえます。

物を大切にするという面でも、独特の世界観があります。たとえば日本には昔から「金継ぎ」と呼ばれるような技術があります。完璧なものを作らず、割れたり欠けても「壊れたら直す」ということを前提として、ものが作られてきました。日常の中で使いながら大事に扱い長く使うことが当たり前のように行われてきました。現在の日本における有名な骨董のほとんどは、一般庶民が生活の中で使っていたものが引き継がれてきたものです。海外では、たとえそれが価値ある花瓶であっても亀裂が入ったら最後、直すことは困難なほど完璧に作られているため修復できず無価値になってしまいます。 このような「価値の感覚」を意識してみると、作品の楽しみ方も変わってくるのではないでしょうか。