こんにちは! サムライオークションです。
国立西洋美術館で6月から開催されている松方コレクション展が盛況です。
会期中、東京国立博物館では、松方幸次郎(現在の川崎重工初代社長)が蒐集した、浮世絵版画コレクション展も開催中。8000点とも言われる浮世絵版画から優れた作品を選りすぐって展示しているので、こちらもお薦めです。本物を見続けることで、目利き力は養われます。
マネ(1832〜1883年)、モネ(1840〜1926年)、ゴッホ(1853〜1890年)、クリムト(1862〜1918年)など、印象派・ポスト印象派時代の画家で、浮世絵の影響を受けていない作家の方が少ないと言われるほど、当時の浮世絵・ジャポニズムの影響は大きなものでした。
春信(1725〜1770年)、北斎(1760〜1849年)、広重(1797〜1858年)など、人気作家の多色摺り浮世絵版画は、明治以降にエスタンプ(複製版画)が作られ続けていますが、現在制作・販売されている複製の方が、明治・大正期のエスタンプよりも、値段は高くなっており、少なくとも複製版画については、古い時代のものの方が市場価値が高いとは一概に言えません。
また、本物の版画でも、初摺と後摺では、市場価値は3倍くらいの開きが出てきます。たくさん摺って消耗した版木から摺られた後摺では、色がきれいに出なくなったり、刷色が替えられていたりするからですね。
このあたりのホンモノのクオリティを見極める力も、やはり本物を沢山見て、比較して、身につけていくしかないようです。