【日本を代表する美の巨人! 北大路魯山人】

こんにちは!《古美術専門のオークションサイト》サムライオークションです。

陶芸家、書家、画家、料理人と多彩な才能を持ち、それぞれが高いレベルで評価されている北大路魯山人(1883年〜1959)。若い方でもその名前は聞いたことがあると思いますが、その才能がどれほどのものか、おそらくピンと来る方は少ないのではないでしょうか。

まさに時代に先駆けた日本のマルチアーチスト、美の巨人です。今後もこちらのブログで取り上げることもあると思いますが、今回はプロフィールとして、その人物のアウトラインをご紹介します。

魯山人は、京都府上賀茂村に上賀茂神社の社家(現在の宮司)の家に生まれます。本名房次郎。士族(当時にあった身分制度)の家柄でしたが、その生活は貧しかったようです。その出生の秘密に端を発した父親の割腹自殺が、その後の魯山人の人生に大きな影響を与えたことは、想像に難くないと思います。

魯山人の特長としてまずご紹介したいのは、彼のアーチストとしての才能を開花させた特別な師の存在がいないこと。書も陶芸も画もそれぞれ独学にてその才能を開花させていきました。

どの分野においても、大家と呼ばれる人々には『スタイル・型』といわれるものができてきます。模倣するような存在を持たず、独学だからこその自由な発想と美意識の醸成が、独創的な創作活動を可能にしたのではないでしょうか。

そんな魯山人は、一流の陶芸家として評価されると同時に、骨董・古美術の目利きでもありました。友人の中村竹四郎と共同で骨董商【大雅堂(たいがどう)美術店】を経営していたことでもあきらかです。

幼少期の厳しい生活環境から、独学によるアーチストとしての成長、信頼できる友人を得て骨董商を営み、そこから会員制料亭【美食倶楽部】が生まれ成功を収めていく、なんだかドラマチックですね。

サムライオークションメンバーも、目標は大きく魯山人の目利きを目指して! サイト運営を行っていきたいと思います。 次回も引き続き、魯山人の話題をとりあげますので、お楽しみに!

【『見立てるチカラ』から暮らしの豊かさが生まれる】

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私たちは「あの人はセンスが良い」、「彼にはセンスがある」という言い方をよくします。

この「センスとは、何でしょうか? ファッション・ビジネス・料理など何にでも使われますよね。解釈はさまざまあると思いますが、古美術専門サイトのサムライオークションらしく、ここでは骨董・古美術分野でのセンスについて考えてみます

これは、ズバリ『見立てるチカラ』と言えるのではないでしょうか?

『見立て』とは、辞書的に言えば、

《見てよしあしを決めること、選定すること、診断、趣向、思いつき、ある物を別のものと仮にみなして表現すること、なぞらえること》(三省堂 大辞林)です。

これはシンプルに『市場に出品されている作品を見て、よしあしを決める』能力とも結びつけられますが、ここでは『なぞらえる』チカラとして置き換えてみます。

例えば、備前焼の湯呑茶碗を花器に見立てて、花を飾って楽しむ…。利休が竹を切ってそれを花器にした話は有名ですよね。

枯山水の庭園では、敷かれた小石に流れを作って水面を表し、大きな石を海に浮かぶ島に見立てて、広大な世界観を表現します。

桂離宮では池に赤松を植え、石橋とのつながりを天橋立に見立てたり…要は想像力ですね。陶器にしろ、竹細工にしろ、本来の役割とは別のものとして使えそう、別のものに見立てたら楽しいという発想から、暮らしの豊かさが生まれてくるのだと思います

サムライオークションでは、道具関連のオークション出品、大募集中です!  道具に強い古物商の皆さん、ぜひサムライオークションをご活用ください。

【暇な時間があって、初めて文化は成熟する】

こんにちは!《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

水墨画が日本に入ってきたのは、鎌倉時代(1185頃〜1333年)末期と考えられています。禅の思想と一緒に伝わってきました。その後、室町幕府(1336〜1573年)となり、明(1368〜1644年)との貿易によって、大量の水墨画が輸入されます。

3代将軍足利義満(1358〜1408年)は、南北朝の合一を果たし、足利幕府の権力基盤を安定させた人物です。この他にも鹿苑寺(金閣)を建立したり、室町文化を開花させた文化人としても知られています。

義満は禅宗を庇護し、相国寺を創建。そこから周文(しゅうぶん・生没年不詳)、雪舟(せっしゅう・1420〜1506年?)などの画僧が輩出され、禅文化が栄えました。

14世紀頃までの日本における水墨画は、美術史で『初期水墨画』と呼ばれています。禅僧によって制作された作品は、師匠の教えを継いだ証明として弟子に与えられることがあり、そのため禅宗の始祖である達磨大師の画題としての需要が多かったようです。

15世紀には、花鳥画や山水画も多く描かれるようになり、掛軸で画面の上部の余白に、その絵にちなんだ漢詩が書かれた『詩画軸』と称される作品が制作され、より幅広い人のニーズに応えて、日本の水墨画はバージョンアップしてきたんですね。

社会が安定し、暇な時間ができて初めて文化が生まれるとは、よく聞く言説ですが、歴史を振り返ってみれば、確かにそのとおりだと理解できます。 サムライオークションでは、お手頃な価格の『詩画軸』も多く取り扱っております。ご自宅の居室に1点、ぜひご検討してみてはいかがでしょうか。

【五感を使って全身で、その季節と瞬間を味わう『茶道』】

こんにちは!《古美術専門オークションサイト》サムライオークションです。

2018年に公開された映画『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』。お茶の先生に樹木希林、生徒役に黒木華と多部未華子が登場する、実に味わい深い作品です。

舞台となるお茶の教室には、床の間に毎回、その日の趣向に合わせた掛軸がかけられています。

主人公の二人が初めて茶道教室へ訪れた日には、『薫風自南来(くんぷうみなみよりきたる)』。新緑の季節に、若い二人が風のように入って来るのに合わせて、かけておいたと先生が説明します。

また主人公の就職祈願のためには、達磨画。ご存知のとおり、達磨には七転び八起きの意味があり、無業息災や家内安全など、何かを祈願する縁起物となっています。

この他にも、『清流無間断(せいりゅうかんだんなし)』『聴雨(ちょうう)』『掬水月在手(みずをすくえばつきてにあり)』など、禅語の数々が装丁の異なる掛軸とともに登場し、そのシチュエーションと意味合いの絶妙さにうなずくばかりです。

掛軸だけではなく、季節を感じさせる絵柄が施された茶道具も頻繁に登場し、お茶の楽しみ方と同時に、日本文化特有の遊び心を再認識することができ、骨董・古美術の魅力についても、改めて感じることができました。

サムライオークションでは、白隠慧鶴(はくいん・えかく/1686〜1769年)による、達磨画のお取り扱いもございます。 今後は茶道具についても、積極的に取り扱っていこうと考えておりますので、お取り扱いの多い古物商の皆さまには、ぜひ積極的に作品のご登録、または、お問い合わせなど、どうぞよろしくお願いいたします。

【時代とともに変化していく『日本画』について】 こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》

サムライオークションです。

皆さんは『日本画』の定義をご存知ですか? 

辞書的には…

《日本の伝統的な技法・様式に従って描かれた毛筆画。岩絵の具などを用い、絹・和紙に描く。明治以後、油絵などの洋画に対していう》(三省堂 大辞林)

となっています。

ただ、キュレーターやギャラリストなど、アートに関わる多くの専門家の方々でも、『日本画とは?』の答えは難しいようです。

そもそもこの『日本画』という言葉は、日本の美術に強い感心を示したアメリカの美術研究家アーネスト・フェノロサ(1853〜1908年)が、1882年に行った講演で語った『Japanese painting』の翻訳によって、初めて使われました。

ちなみに、この時フェノロサの通訳と助手をしていたのが日本の近代美術の基礎を築いた岡倉天心(1863〜1913年)です。

フェノロサは、日本画の特長として、以下の5点をあげています

1)写真のように、写実を追わない

2)陰影が無い

3)輪郭線がある

4)色調が濃厚ではない

5)表現が簡潔である

確かに本質をつかんでいますよね。

ただ、『日本画』も『アート』も、時代とともにその概念は微妙に変化していきます

岡倉天心が東京美術学校(現在の東京藝術大学)を設立した1889年頃は、『日本画』は日本の中で独自に発展した様式について外国人から指摘されたものであり、『西洋画』に対峙する『日本の絵画』というぼんやりとした位置づけで語られていました。

現在では、油彩画の影響によって絵具を厚く塗り重ねたり、抽象表現への広がりなど、伝統的な『日本画』の表現様式にとらわれない日本画家の作品も数多くあり、相変わらずその厳密な定義は定まらないようです。

そのため、最初にご紹介した辞書的解釈のとおり、端的には『日本画』は『画材』によって分類される、という扱いになっています。

つまり、岩絵具、胡粉(ごふん)、にかわ(ゼラチン)、墨などの伝統的な顔料を用いて、絹布(けんぷ)や和紙に描かれる千数百年続いている表現様式の作品が『日本画』ということになります。 サムライオークションには、多くの日本画が出品されています。絹布が使用されている作品には《絹本(けんぽん)》、和紙に描かれた作品には《紙本(しほん)》と記載されていますので、ご参照ください。

【入札価格は、自らの価値観や審美眼の表明】

こんにちは!《古美術専門オークションサイトサムライオークションです。 

骨董・古美術品に関わらず、競売市場では競りが行われます。この競りの面白さについて、考えてみましょう。

市場では、希望の商品が出品されると、購入希望額を指定して入札します。

サムライオークションでは、最低出品価格は《1,000円》、最低入札単位はなんと《100円》。だから若い方でも、気軽に希望の商品に対して入札できるわけです。

他のオークション参加者が、自分の入札額を上回る入札を行った場合、再度入札を行い入札額を競り上げることができます。

この時、商品の《入札価格》は、完全なる客観的な指標として機能しているのですが、商品の《価値》とはどのように測られているのでしょうか。

これは、《完全なる主観》によって測られている、ということになります。

つまり、最もその商品に価値を見出した入札者が商品を手に入れる、ということです。(実際には経済力ももちろん関係しているのですが(^_^;))

経済力が同等の人間が競り合う場合には、これはとてもフェアなシステムだと思います。

その出品作品に最も価値を見出し、最も必要としている入札者が誰なのか、入札額という客観的な指標で、気持ちや価値観という目に見えない主観的な気持ちを、公平に測ることができるからです。

投資目的など、単にお金もうけのためにオークションを活用する場合でも、これは同様です。入札価格という客観的な指標を使って、自分の主観的な価値感を表明するということ。 工業製品ではない美術品だからこそ成立する世界ですが、自らの価値観や審美眼を競り合っていると考えれば、応札するのにもだいぶ気持ちが入りそうですね。

【歴史を身近にし、リアルな空想の世界へと旅立つ】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイトサムライオークションです。

今や本家のAKBよりも、メディアでの露出が増えている乃木坂46。

『コンセプトがない』ことをコンセプトにし、ミッションが『AKBのシャドーキャビネット』など、当初よりユニークなマーケティングが標榜されており、秋元康恐るべしなのですが、この『乃木坂』のいわれについて、若いファンの皆さんはどのくらい認識しているのでしょうか。

『乃木坂』は、かつてこの地に住んでいた大日本帝国陸軍の大将、乃木希典(のぎ・まれすけ)の殉死を悼んで1912年(大正元年)9月に命名されました。

乃木希典は、軍人としての功績には議論の余地があるようですが、武士道精神を有する日本人として、同時代に生きた人々にとっては、大変魅力的なカリスマだったのだと思います。

その乃木希典による肉筆の掛軸がサムライオークションに出品されています。

→乃木希典:軍事郵便:消息:肉筆

https://samurai-auction.com/exhibition_detail.php?ex_code=571

乃木希典が渡部鼎(わたなべ・かなえ)少佐(手紙発送時点)に送った、軍事郵便です。著名な軍人の達筆な手紙は、書として再構成され、立派な掛軸として成立しているのがおもしろいですね。

おそらくは、乃木大将のファンであったであろう蒐集家が、その直筆書類を入手し、横軸に表装したのだと思います。

乃木希典について興味をお持ちの方はもちろん、この軍事郵便を掛軸に仕立てたコレクターについても、どのような気持ちでこの書を眺め、大切にしていたのか、想像するのも楽しいです。

歴史上の人物の足跡を身近にすることで、一気にリアルな空想の世界へと旅立つことができます。 これが骨董・古美術の持つ、大きな魅力のひとつですね。

【出品者拡大キャンペーン開催決定!!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイトサムライオークションです。

突然ですが、サムライオークションから発表があります! 

サムライオークションでは、来たる9月7日(土)から、2020年2月末日までの6ヶ月間、落札手数料を無料にいたします!

サムライオークションは、商品を落札(購入)する皆さんには、もともと利用料・手数料は必要ありません! ゼロです。ひやかし閲覧、大歓迎です。

今回は、通常は出品者の皆さんから落札価格の【2.16%】いただいている販売手数料を半年間無料にするというものです。

嘘偽りはございません。

出品いただいた商品の落札が決まった場合、通常どおりユーザーの皆さんの売買取引に対するサポートサービスはご提供いたしますが、それに関わるサムライオークションの手数料は、一切合切かかりません。

これは、ともかくまずは古物商の方に、サムライオークションへ登録・出品していただき、サムライオークションのサービスをお試しいただいて、安心便利なサポートサービスを実感していただきたいからです。

半年間という期間限定ではありますが、オークションサイトの無料開放となります。

本格的に骨董・古美術品をお取り扱っているプロの事業者様をはじめ、古物商免許をお持ちで趣味の延長でコツコツと好みのお品を蒐集している個人の方まで、この機会にぜひサムライオークションをご活用ください。

ノーコスト、ノーリスクで、テストマーケティングにも最適です

【初心者のための、骨董・古美術用語紹介スタート!】

こんにちは!《古美術専門のオークションサイト》サムライオークションです。

骨董・古美術の世界には、蒐集家や販売業者などプロの間で使われる独特の俗語や隠語のたぐいが多くあります。今後こちらのコラムでも、折りにふれてご紹介していきたいと思っています。

今回は、はじめての骨董・古美術用語紹介ということで、初心者の方向けの基本用語をとりあげます。

【初・うぶ】

これまで骨董・古美術市場に出品されたことがない骨董・古美術品のこと。

・使用例▶『この古伊万里は、《うぶ》いね』など。

【初出・うぶだし】

例えば地方の旧家など、その蔵に長く眠っていた骨董・古美術品などが初めて世の中に出る時に使われる言葉。プロが査定のために呼ばれて行って買い取る時や、市場でも頻繁に使われます。

・使用例▶『資産家から《うぶだし》の備前焼を大量に買い取った』など。

【初荷・うぶに】

一般のご家庭などから、初めて市場に出された骨董・古美術品などを指して使う言葉。プロの骨董・古美術商からはその価値が期待されたり、喜ばれることが多いです。

【新物・あらもの】

陶磁器など、古いものに似せて作られたもの、古いものではないことを指します。ニセモノに対して、否定的なニュアンスで使われることが多いです。同義語に【今出来・いまでき】があります。

【井戸茶碗・いどぢゃわん】

朝鮮王朝時代に制作された陶磁茶碗のうち、侘茶に使われる朝顔型の茶碗を指します。古来茶人の間では、最高位の茶器として珍重されてきました。

その特長から、大井戸、小井戸、青井戸、井戸脇などに分類されます。

鑑定のためのいくつかのポイントがありますが、意図的にその特長をまねて作った新物も多いので気をつけましょう!

井戸茶碗は、入門者の方が骨董の奥深さを知るために、最適なジャンルです! ぜひ井戸茶碗から、骨董・古美術の世界に飛び込んでください。

【分析と論理性が古美術市場を楽しむための基本】

こんにちは! サムライオークションです。

最近、世界のエリートの間では、MBAの市場価値が下がってきているそうです。替わりに台頭してきたのが、MFA(Master of Fine Arts)・芸術学修士です。

それはなぜでしょうか? 端的に言えばMBAよりもMFAの方が希少性が高いからです。

モノが溢れて大衆までゆきわたり、欲しいモノがなくなってきている今、ある商品を買うかどうかの選択は、デザイン性・アート性・物語性が重視されるようになってきているそうで、商品競争力は機能面による差別化から、情緒面による差別化へと変化してきているのだとか。

確かにMBAホルダーが巷に溢れて、同じようなコンセプトでビジネスをするようになると、結果的に同じような戦略ばかりになってしまい、競争力が失われそうです。

MBAが市場分析と論理性によってビジネスを展開するものだったとすれば、MFAは直感と感性を武器にするライセンス。つまり美意識を鍛えることで、ビジネスに活用しようとしているんですね。

この動きは、骨董や古美術に人々が目を向けるきっかけになりそうです。ただ、古美術市場を楽しむための基本は、MBA型の分析と論理性だと思います。 作品が作られた時代背景を学び、作者の育った環境、影響を受けた事物を知って、作品の意図を理解する。そのことから作品の市場性、本当の価値が見えてくるような気がします