【時代とともに変化していく『日本画』について】 こんにちは! 初心者大歓迎の《古美術専門オークションサイト》

サムライオークションです。

皆さんは『日本画』の定義をご存知ですか? 

辞書的には…

《日本の伝統的な技法・様式に従って描かれた毛筆画。岩絵の具などを用い、絹・和紙に描く。明治以後、油絵などの洋画に対していう》(三省堂 大辞林)

となっています。

ただ、キュレーターやギャラリストなど、アートに関わる多くの専門家の方々でも、『日本画とは?』の答えは難しいようです。

そもそもこの『日本画』という言葉は、日本の美術に強い感心を示したアメリカの美術研究家アーネスト・フェノロサ(1853〜1908年)が、1882年に行った講演で語った『Japanese painting』の翻訳によって、初めて使われました。

ちなみに、この時フェノロサの通訳と助手をしていたのが日本の近代美術の基礎を築いた岡倉天心(1863〜1913年)です。

フェノロサは、日本画の特長として、以下の5点をあげています

1)写真のように、写実を追わない

2)陰影が無い

3)輪郭線がある

4)色調が濃厚ではない

5)表現が簡潔である

確かに本質をつかんでいますよね。

ただ、『日本画』も『アート』も、時代とともにその概念は微妙に変化していきます

岡倉天心が東京美術学校(現在の東京藝術大学)を設立した1889年頃は、『日本画』は日本の中で独自に発展した様式について外国人から指摘されたものであり、『西洋画』に対峙する『日本の絵画』というぼんやりとした位置づけで語られていました。

現在では、油彩画の影響によって絵具を厚く塗り重ねたり、抽象表現への広がりなど、伝統的な『日本画』の表現様式にとらわれない日本画家の作品も数多くあり、相変わらずその厳密な定義は定まらないようです。

そのため、最初にご紹介した辞書的解釈のとおり、端的には『日本画』は『画材』によって分類される、という扱いになっています。

つまり、岩絵具、胡粉(ごふん)、にかわ(ゼラチン)、墨などの伝統的な顔料を用いて、絹布(けんぷ)や和紙に描かれる千数百年続いている表現様式の作品が『日本画』ということになります。 サムライオークションには、多くの日本画が出品されています。絹布が使用されている作品には《絹本(けんぽん)》、和紙に描かれた作品には《紙本(しほん)》と記載されていますので、ご参照ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です