【アーツ千代田3331にて開催された「末広町蚤の市」】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの井戸です。

先日1月15日(日)に行われた【末広町蚤の市】に遊びに行ってきました。
今回は半日(12:00~18:00)のみの開催で行われ、入場待機組も発生する大盛況な企画となっていました。

会場となる〈アーツ千代田3331〉は2010年に旧千代田区立練成中学校を改修して誕生したアートスポット。アート、建築、デザイン、歴史などのカルチャーの発信を行っている下町を代表するカルチャースポットとしてひらかれています。

校舎を改修しているだけなので、施設内も学校の面影そのままに、訪れた誰しもがノスタルジックに浸るポイントだと思います。

入口のインフォメーション右手には玄関口という意味がこもっているのでしょう、下駄箱が設置してあり、何十種類というアート展などのチラシが置いてあります。
(サムライオークションのチラシも置かせてもらったのでよろしければお手に取ってみてください。)

下駄箱を抜け、蚤の市の会場となる半地下へ階段を下ります。
…不思議ですね、利用していた学校ではないのに学生時代のシーンなど思い出してしまいます。

そんなことはさておき!

会場は2教室を使った14店舗で構成されていました。
人が多かったので写真撮影は自粛しましたが、各業者さん独自の感性に基づいたセレクトをしていて興味深く、生活骨董に対する需要の高さを認識しました。

そんな中、あるブースに金箔、銀箔があしらってある数枚の和紙のカードに目を奪われました。どういったモノか店主さんに尋ねたところ

「江戸期頃のカルタの中に混ざっていたモノで、どういう用途かは不明です。
ただ、見た目もお洒落だし持っていても飾ってもおもしろいんじゃないかなって思います。」

この言葉を聞き、私の中で引っ掛かっていたモノがほどけました。

従来の私は「〇〇は〇〇として使わなければいけない」と固定概念の塊のような感情がありました。が、違う見方、使い方、感性があるんだなと。

見方や感性を変えることによって、この和紙のカードの使いどころが沢山浮かんできます。もう使われなくなった古道具でも、持ち主のプロデュースでどんなモノにでもうまれ変わることができる。

蚤の市は”自分にはこういう感性はなかった!””こういう使い方もできていいね!”など発見と交流の場。そんな場所だと私の中で認識しました。

「常識からの逸脱」

この業者さんに出会えたことで、自分の殻が破れたそんな出会いに感謝です。ありがとうございます。この目線で他の商品を見ていると色々な想像ができ、時間を忘れとても楽しい催事になりました。

あいにく、今年の3月をもって〈アーツ千代田3331〉は閉館となり、長い歴史に一旦幕を閉じます。
現段階では、新たな施設の場所や内容は未定。何か情報があるとしたらSNSで告知されると思いますので、要チェックです。
長い間、お疲れ様でした。アーツ千代田3331のカムバックを楽しみに待ちたいと思います。

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【東京・銀座〈ポーラ ミュージアム アネックス〉にて12名の新進アーティストによる展覧会「Chroma Distance」を開催中】

化粧品ブランド〈POLA〉が、東京・銀座に〈ポーラ ミュージアム アネックス〉というギャラリーを構えているのをご存じでしょうか。

伝統・食・芸術といった文化の発信地であり、古きも新しきもが織り交ざる銀座の街において、気軽にアートを楽しみながら、感性や美意識を磨くことができるカルチャースポットとしてひらかれています。

同ギャラリーでは2023年1月20日(金)~2月5日(日)の期間、展覧会「Chroma Distance」が開催されています。12名の新進アーティストによる、さまざまな手法を用いた作品が約40点展示されるとあって、お邪魔してきました。

ポーラ銀座ビルの3階を丸ごと割いた展示スペースには、白い空間を彩るさまざまな絵画やパネル作品が。フロアの中央には、ユーモラスなポーズをとる小人のような立体作品も置かれています。

ぐるっと館内を見回すなかで、まず目が釘づけになったのは、こちらの作品。

「できるだけ考えないようにする」「かなしいことも、うれしいことも」と題された相川恵子さんのふたつの作品です。

顔の中にも顔があるように見え、その表情はさまざまな感情を訴えかけてくるよう。この人物は、日常の大きな変化のなさに安堵しつつも、なにも起こらないことへの不満も抱え、代り映えのない無表情な毎日を過ごす私自身を投影したようでもあるし、もしかしたら一見穏やかな知人の、内に込められた鼻息の荒い憤怒の表情かもしれない……。

この人物が誰なのかはわかり得ないし、その表情の意味を知る必要もないのかもしれません。「できるだけ考えないようにする」――これがベストな答えである場合も、ときにはある。そんなことに考えを巡らせた作品でした。

続いて、ぐっと興味をそそられた作品は、沼田侑香さんによるプラスチックビーズ作品。見ての通り、よく知られたお菓子のパッケージがモチーフになっています。

5ミリ程度の小さなビーズを敷き詰め、アイロンで圧着させたこの作品。ファミコン時代のピクセル画像を思わせ、なんだかビープ音さえも聴こえてきそう。

デジタルのなかで構築した「キャベツ太郎」のパッケージの歪みや、「かっぱえびせん」と融合するグラフィティ。それらをアイロンビーズというアナログな手法を用いて作品化することで、デジタルとアナログの中間――つまり、2次元でも3次元でもない、新たな次元の表現を試みているといいます。

ほかにもどんな作品を制作しているのか。ますます興味がそそられました。

続いて、夜間の首都高の煌めきを彷彿させる、大村雪乃さんの作品です。

ところで、どんな画材を用いているかわかりますか? じつは事務用品でもお馴染みの「丸型カラーシール」。大きさも色もさまざまなシールを黒ベースのパネルに貼り、リアルな風景画に仕立てています。

美術大学で絵画を専攻していた大村さんは、アートは誰もが楽しめるもののはずであるのに、専門的に学んだ人だけの技法ともいうべき油絵に疑問を抱き、アートを身近に感じられるアイデアを模索。そのなかで丸型シールを用いた作品に辿り着いたのだとか。

さまざまな作品展に精力的に出展し、これまでに多くの賞を受賞。さらには某TV番組で、丸型シールアートを査定する講師役としても出演しています。そんな大村さんの作品を間近で見るチャンスです。

ほかにも、アイデンティティの親密な描写、崩壊と再生、時代の交差などをコンセプトに、技法、規模感もさまざまな現代アート作品が展示され、若手作家のリアリティを垣間見るような時間となりました。

入場は無料。気に入った作品は購入も可能です。

会場となる〈ポーラ ミュージアム アネックス〉は、年間を通じてさまざまな無料の企画展を行っています。ポーラ・コレクションをはじめ、現代美術、伝統工芸・芸能、民族芸能、世界情勢のうねりに関連する展示など、多彩な企画展は見ごたえあり。また若手アーティストの支援となる活動も積極的に行っています。

今回の展覧会「Chroma Distance」をはじめ、今後の同ギャラリーの企画展にも、ぜひ注目してみてください。

《Information》

Chroma Distance

場所:ポーラ ミュージアム アネックス(東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル 3階)

会期:2023年1月20日(金)~2月5日(日) ※会期中無休

時間:11時~19時(入場は18時30分まで)

料金:無料

TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル) リンク:ポーラ ミュージアム アネックス 公式サイト

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【江戸に華やぐヴェネチアの「粋」に酔う「彩のガラス達 魅惑の世界」を〈東京芝 とうふ屋うかい〉で開催中】

東京タワーの麓に佇むとうふ会席料理店〈東京 芝 とうふ屋うかい〉。2023年12月20日(火)~2023年3月26日(日)の期間、同店内にて「彩のガラスたち 魅惑の世界 ―江戸に華やぐヴェネチアの『粋』―」と題したヴェネチアン・グラスの展示・販売会が行なわれています。 うかいグループが運営する〈箱根ガラスの森美術館〉のバイヤーがセレクトした、イタリア・ヴェネチアの名匠による希少価値の高い商品をさまざまに堪能できるとあり、先日〈東京 芝 とうふ屋うかい〉へお邪魔してきました。

と、ヴェネチアン・グラスの話の前に。

〈東京 芝 とうふ屋うかい〉を初めて訪れた私は、「本当にここは東京なのだろうか……?」とうろたえるほど、喧噪とは無縁の、まさに非日常という言葉がピタリと当てはまる空間に圧倒されてしまいました。

約2000坪の敷地を有する同店。長屋門をくぐって石畳を進み、庭師さんが毎日手を掛けているであろう美しい日本庭園に心を奪われながら店舗へ。

庭園ではさまざまな和の草木が枝葉を揺らしており、その彩りや配置は、花の時期、紅葉期、冬枯れ期などを徹底的に考慮したものであることは明らか。店舗に入る前から、創設者の並々ならぬこだわりや美への探求を感じ、ヴェネチアン・グラスの展示はもちろん、建造物や館内の設えにも期待は膨らむ一方でした。 さて、今回の訪問はヴェネチアン・グラスの鑑賞が目的。食事の予定の無い私が入店してよいのか少し不安でしたが、フロントの方はほかのお客様と分け隔てなくにこやかに案内してくださり、そのホスピタリティも感動ものです。

さて、本題の「彩のガラスたち 魅惑の世界」!

フロント横に設けられた特選ギャラリーには、さまざまなスタイルの優美なガラス作品がずらり。本展では主に、ヴェネチアン・グラスの3大技法とされる「ミルフィオリ」「レースガラス」「ハンドワーク」が展示されています。 なかでも、個人的に印象深かったのが「レースガラス」。

ヴェネチア発祥という説があるレースの編み物(諸説あり)。これに着想を得て編み出されたレースガラスは、かつての王侯貴族がこぞって買い集めた、ヴェネチアンガラスの代名詞です。

今回展示されているレースガラスは、1400年代から脈々と技術を継承し、ヴェネチア共和国より貴族の称号を下賜された名工「バラリン工房」の作品。繊細なレース模様と優美な姿のガラスは、レースの折り重なる白いドレスを纏った貴婦人を思わせる、なんともいえない高潔さを放っていました。この技術を編み出した職人、それらを継承してきた職人へ、心から敬意を表したくなる、そんな作品たち。すっかり魅了されてしまいました。 じつは後継者不足により、バラリン工房は2020年に閉鎖。現存する作品は今後価値が上がっていくかもしれません。

期間中は〈箱根ガラスの森美術館〉のスタッフが在廊し、さまざまな話を伺うことができます。なかでも興味深かったのは、ヴェネチアン・グラスの発展にまつわる歴史的背景の話でした。

ヴェネチア共和国というひとつの国家が形成されていた時代、ガラス産業のさらなる発展と、高度な技術の流出を防ぐため、ヴェネチア本島の北東に位置する「ムラーノ島」という小さな島に、ガラス製造にかかわる人々を強制移住させ、幽閉。「島外に脱出する者には死罪を課す」という厳しい法令をしいたといいます。国家繁栄のためとはいえ、なんとも自由度のない、窮屈な掟……。死を覚悟して逃げ出す職人もいたのだとか。

一方で、小豆島ほどの小さな島のなかに工房が密集したことで、それぞれの匠が切磋琢磨し、高度なガラス工芸技法が確立され、世界に名を馳せる地域ブランドが生まれたのも事実です。

ちなみに、潟(かた)の上に築かれたヴェネチア。そんな場所にガラスの原料となる珪砂やソーダ石灰があるとは思えませんよね。なぜ、水の都でガラス製造が盛んになったのか? そんな歴史的背景も、スタッフの方が教えてくださいます。

作品が展示されている特選ギャラリーの一画には、日本庭園を眺める目的で設えられた三つの間があり、ここにヴェネチアン・グラス作品が多く展示されています。

意匠のある建具を取り入れた趣きのある書院造の間と、ガラス襖から覗く日本庭園。そこに西洋の優美なガラス作品が並ぶさまは、かつて南蛮貿易で栄えた商人の邸宅や貴賓室はこんなふうだったのではないか……と想像を巡らせたくなる趣きです。 かつての江戸の町は、網目のように水路が巡らされ「東洋のヴェネチア」と呼ばれていました。そんな共通点にも思いを馳せながら、ヴェネチアン・グラスの輝きと、古きよき日本の風情、こだわりを貫くうかいのお料理、スタッフの心づくしのホスピタリティに酔いしれてみてはいかがでしょうか。

《Information》

「彩のガラスたち 魅惑の世界 ―江戸に華やぐヴェネチアの『粋』―」

場所:東京 芝 とうふ屋うかい(東京都港区芝公園4-4-13)

会期:2022年12月20日(火)~2023年3月26日(日)

営業時間:平日 11:45~15:00(14:30 L.O.)|17:00~22:00(19:00 L.O.)

     土日祝 11:00~22:00(19:00 L.O.)

TEL:03-3436-1028 リンク:東京 芝 とうふ屋うかい 公式サイト

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【国宝の絵画「十六羅漢像」とは】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

国宝「十六羅漢像(じゅうろくらかんぞう)」をご存じでしょうか?

羅漢とは、仏教において修行を完成させた聖者のことを指します。羅漢の中でも、十六羅漢と呼ばれる16人は釈迦が亡くなった後もこの世に長くとどまるとされて、仏教を守り人々に広めることを託された特別な存在の人たちのことを指します。

十六羅漢像は、この羅漢を描いた作品にあたります。滋賀県大津市の聖衆来迎寺旧蔵のもので、現存する中では最古の十六羅漢像となります。

羅漢をはじめとした人物の表情は他の作品よりも穏やかに捉えられていて、たくさんの色を使用して明るめにまとめられているのが特徴的です。実は、この作品は絹に描かれているのですが、絹の裏から色を塗る技法が取られていて、裏からの絹目を通して見えることによって穏やかな色調となり、柔らかな肌の質感なども表現されているということです。

このような明るく柔らかい雰囲気の表現が11世紀における日本仏画全体の特徴ともいえるのです。 東京国立博物館で開催された「国宝展」で唯一絵画で全期間掲示されました。機会があればぜひお目にかかることをおすすめします。

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【名刀と呼ばれる「天下五剣」の中から国宝に指定されている3点を紹介】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

皆さんは、日本の名刀「天下五剣」についてご存じでしょうか?

天下五剣とは、数ある日本刀の中でも最高傑作と呼ぶのにふさわしい5点のことです。具体的には「童子切・鬼丸・三日月・大典太・数珠丸」のことをいいます。 この中から今回は国宝にも指定されている3つを紹介いたします。

まずは、「三日月(みかづき)」です。

三日月が作刀されたのは10〜12世紀で、長さは約80cmで幅は幅は細めです。天下五剣の中で最も美しいと評判の刀です。

三日月を作刀したのは、平安時代の刀工である「三条宗近」という方です。足利将軍家の秘蔵の名刀として継承され、その後、豊臣秀吉が所持して、徳川秀忠に送られて以来徳川将軍家の所蔵となりました。 現在は、東京国立博物館に収蔵されており、展示も時々行われているようです。

続いて「童子切(どうじぎり)」です。

童子切の由来は、鬼退治の伝説からきています。平安時代に京を暴れまわっている鬼を源頼光が見事に討ち取りました。「酒呑童子」という鬼を切ったので、童子切というネーミングになったのです。

切れ味がもの凄く良く、ファンの間でも人気の高い1点です。童子切を作刀したのは、平安時代の刀工である「大原安綱」という方です。足利将軍家から豊臣秀吉、徳川家康、徳川秀忠、松平忠直に継承されて越前松平家の高田藩から津山藩に継承されました。 現在は、東京国立博物館に収蔵されており、展示も時々行われているようです。

最後に「大典太(おおでんた)」です。

大典太は、霊力の宿る日本刀として知られています。霊力を発揮した話はいくつかあるのですが、その中の一つを紹介します。

武将「前田利家」の娘が重い病に苦しんでいた時に、前田利家は枕元に置いて治癒祈願をしたそうです。すると、前田利家の娘はみるみる病気が治ったとのことでした。これ以外にも何個も逸話があり、本当に霊力が宿っているのかもしれません。

大典太を作刀したのは、平安時代の刀工である「三池典太光世」という方です。足利将軍家の家宝でしたが、没落後、豊臣秀吉の所有となり、前田家第一家宝として代々伝えられました。 現在は、前田利家の子孫が設立した「前田育徳会」に収蔵されており、石川県立美術館で展示も時々行われているようです。

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【国宝「春日権現験記絵」とは?令和3年最新国宝に迫る】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

今回は令和3年に国宝指定された「春日権現験記絵」について紹介していきます。

春日権現験記絵とは、藤原氏一門の繁栄を祈願するために氏神である春日明神から受けたご加護と霊験を描いた鎌倉時代の絵巻物のことです。絵は鎌倉時代の宮廷絵師である「高階隆兼」が描き、詞書は鷹司基忠とその息子である冬平、良信、冬基の3兄弟で執筆しました。

目録巻を除く全20巻に93節の詞書と挿絵が収録されていて、朝廷の貴族を中心とした説話集と興福寺の僧を中心とした説話集の2部構成となっています。美術的価値だけでなく、中世の日本信仰を知れる貴重な宗教文学作品となっているのも特徴的です。

春日神社の造営様子から土蔵、天井など記録として残っている日本美術の中では始めて描かれたものと言われています。「春日権現験記絵」はやまと絵の集大成として名高いのです。春日社の神々にまつわる物語を20巻にわたって細かく描写し、絹に描かれた巻物として現存するものでは最大規模と言われています。当時は、宮中の絵師「高階隆兼」が筆をとって歴史的な大事業として作られ、天皇を始め限られた人しか見ることができなかったようです。そんな国宝「春日権現験記絵」は宮内庁に収蔵されています。

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【国宝「山水屏風(せんずいびょうぶ)」とは?】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

日本の国宝の一つである「山水屏風(せんずいびょうぶ)」をご存じでしょうか?

中国的風俗を描いた唐絵の山水屏風で、かつて東寺に伝来したものです。真言宗の密教で儀式を行う時にその道場で用いられるものですが、元々は平安貴族の邸宅で用いられたらしいです。平安時代の屏風絵としては唯一の遺品です。

絵が分かれているように見えますが、6面の扇から構成されていて、全体としては横長の図になっています。近景には、人物とそれを取り巻く景観や木々をやや大きめに描かれていて、遠景には山や水景が描かれています。

山の頭に青緑色をかける手法は、唐絵の青緑山水に属するものですが、平坦な山並みや明るい色などは日本風に改変された様式のようです。彩色は薄く、下書きの線がそのまま見えるような工夫がされていて、近景から遠景までの景観をつなぐために霞があり、その輪郭はあいまいで柔らかくいきいきとした表現を見せているのも特徴です。 京都国立博物館で保管されていますが、公開されることはあまり多くないようです。大きい展覧会などあればそちらに出展されることもあるそうです。京都国立博物館では、年に1回(数週間)程度公開されています。興味のある方はぜひチェックしてみてください!

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【国宝「曜変天目」とは?歴史や魅力について解説】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

皆さんは世界に3碗しか存在しない「曜変天目」茶碗をご存じでしょうか?3つとも日本にあって国宝にも指定されています。

今回は「曜変天目」の歴史や特徴などについて解説していきます。

中国の南宋時代(12〜13世紀)に福健省の健窯で焼かれた黒釉の碗のことを建盞(けんさん)と呼びます。たくさん焼かれた建盞(けんさん)の中でも偶然に斑紋とその周囲に美しい光彩が生じたものを「曜変天目」と呼びました。室町時代には茶碗で最高峰のものとして位置づけられていました。現在では世界で3碗だけしか残っておらず、奇跡的な工芸品として取り扱われています。

曜変天目の魅力として、

・茶碗の内側に浮かび上がっている瑠璃色の斑紋

・ランダムに広がる星紋

・星紋の周囲を取り巻く光彩

が挙げられます。

茶碗の内側に浮かび上がっている瑠璃色の斑紋は、薄い水色から紫がかった濃い青色までのグラデーションを形成していて、まるで天の川を連想させるかのような美しい色合いになっています。また、ランダムに広がる星紋は大小の斑点が散りばめられていて、瑠璃色と相まって宇宙のようにも見えてくると評価されています。

曜変天目の星紋の周囲を取り巻く光彩も特徴的です。光を当てる角度によって無限に変化する光彩は、七色の虹となって反射するようで見る人を虜にするとされています。 そんな国宝「曜変天目」を所有するのは、大徳寺龍光院(だいとくじりょうこういん)、静嘉堂文庫美術館藤田美術館の3箇所です。定期的に展覧会などでお目にかかれるようなので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

国宝は無くとも、サムライオークションであなたのお宝を見つけてみてください。サムライオークションはこちら

【なぜ街の骨董屋さんは潰れないのか】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

街の一角でたまに見かける骨董屋さんですが、薄暗い感じで営業しているのかしていないのか分かりにくく、入りにくい雰囲気が漂っている場合が多い印象です。お客さんで賑わっている様子が全くないのに、なぜ骨董屋さんが潰れないのかナゾに迫ります。

骨董屋さんが潰れない理由①:安くて良いものを仕入れる場所をいくつか確保している

お店でお客様から買い取るのも立派な仕入れになりますが、それ以外でもメルカリやヤフオクのフリマアプリ、閉鎖的な会員制の骨董品オークションや道具市場など色々あります。とにかく安くて良いもの、価値あるものをしっかりと仕入れる所は潰れない骨董屋の特徴になります。

骨董屋さんが潰れない理由②:定期的に通ってくれる太客や1回の買い物で何千万使ってくれる中国人客がたまにくる

昔から付き合いのある骨董収集家の人との繋がりや1回の買い物で100万~1000万単位で買い物をしてくれる中国人客の存在があります。

中国人客が来る理由としては、1970年代に文化大革命と呼ばれる政治闘争が起こり、その際に中国国内の貴重な美術品が国外へ流出し、大半が日本人収集家の手に渡りました。2000年代後半から中国の経済が成長し、国外に売られた骨董品を買い戻す動きが盛んになり、日本の骨董屋や催事に買い付けに来ているようです。

骨董屋さんが潰れない理由③:利益率が高い

なんといっても利益率が高いのが潰れない理由の大きな要因でしょう。「安く仕入れて、高く売る」商売の基本に忠実で素晴らしいビジネスモデルとなっているようです。

以上の3つの理由から街の骨董屋さんは潰れないといえるでしょう。 どんなに薄暗くても、どんなに人がいなくても、1回の単価が高く、固定客や中国人客が定期的に来てくれれば成り立ってしまうようです。

※あくまで個人的な見解ですので、こうでない骨董屋さんもいらっしゃると思います。

サムライオークションでは誰でも使いやすいサイトを目指して参ります。気になる方は是非ご利用ください。サムライオークションはこちら

【日本の芸術家「岡本太郎」の生い立ちについて】

こんにちは!《美術品・骨董品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

岡本太郎の名言「芸術は爆発だ!」というフレーズは誰もが一度は聞いたことがあると思います。岡本太郎の作品といえば、少し奇妙だったり、奇抜な配色であったりして、変な人というイメージがあるかもしれません。

岡本太郎は芸術の域を超えて私たちに何かを訴えかけている画家です。どのような人生を送り、作品にどのような影響を与えているのかを見ていきましょう。

1911年に生まれた岡本太郎は幼少期から「自我の強さ・妥協できない性格」で小学校を1年で退学した経験があります。(その後再入学)岡本太郎は「文学は知識が必要、音楽は歌唱力が必要、芸術は何をしても良い」といった趣旨の発言をしており、芸術の道へ自然と足を踏み入れたようです。

18歳になると、1人でパリに渡りました。理由としては、日本人画家だけで固まって、同じような風景画を描いている姿に失望したためです。フランス社会で自立したいと考え、11年ほどパリにいました。もっとも彼の心を揺さぶったのはピカソだったようです。自分の描きたいものを自由に表現するピカソに感銘を受けたようです。

その後は30代で戦争の徴兵に呼ばれるなどした後、自分の作品で数々の賞を受賞してきました。また、岡本敏子と出会い生涯の良きパートナーとなりますが、結婚はせず、養女として受け入れたそうです。その理由としては、幼少期の家庭環境が悪く独身を貫きたかったからだとされています。

代表作「太陽の塔」に関してのエピソードとしては、大阪万博博覧会の「人類の進歩と調和」というテーマに納得ができず、屋根を突き破る設計にあえてしたそうです。岡本太郎は「調和なんて卑しい、本当にぶつかり合わなければ調和などは生まれない」と言っています。「太陽の塔」は大阪万博終了後も永久保存されることとなりました。

そして、84歳で急性呼吸不全により生涯に幕を閉じました。

「死は祭りだ」と言って葬式を嫌っていた岡本太郎に配慮して葬式は行いませんでした。 最後まで自分を貫き通した岡本太郎ですが、「人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発し続けるべき」でありそれが人間本来の生き方だと伝えています。

岡本太郎の名言の数々、改めて見てみると深いです。刺さります。

現在、東京都美術館にて「展覧会 岡本太郎」が開催中です。会期中に是非足を運んでみてください。

我々サムライオークションも併せてよろしくお願い致します。サムライオークションはこちら