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国宝「十六羅漢像(じゅうろくらかんぞう)」をご存じでしょうか?
羅漢とは、仏教において修行を完成させた聖者のことを指します。羅漢の中でも、十六羅漢と呼ばれる16人は釈迦が亡くなった後もこの世に長くとどまるとされて、仏教を守り人々に広めることを託された特別な存在の人たちのことを指します。
十六羅漢像は、この羅漢を描いた作品にあたります。滋賀県大津市の聖衆来迎寺旧蔵のもので、現存する中では最古の十六羅漢像となります。
羅漢をはじめとした人物の表情は他の作品よりも穏やかに捉えられていて、たくさんの色を使用して明るめにまとめられているのが特徴的です。実は、この作品は絹に描かれているのですが、絹の裏から色を塗る技法が取られていて、裏からの絹目を通して見えることによって穏やかな色調となり、柔らかな肌の質感なども表現されているということです。
このような明るく柔らかい雰囲気の表現が11世紀における日本仏画全体の特徴ともいえるのです。 東京国立博物館で開催された「国宝展」で唯一絵画で全期間掲示されました。機会があればぜひお目にかかることをおすすめします。
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