【クール・ジャパンのルーツ《鳥獣戯画展2021》】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

東京国立博物館で4月13日から開催されている特別展《国宝鳥獣戯画のすべて》が盛況のようです。

《▼国宝鳥獣戯画のすべて・オフィシャルサイト

NHKの老舗美術番組『日曜美術館』でも、初の生放送で紹介する力の入りかたでした。擬人化されたひょうきんな印象の動物たちは、数々の雑貨にモチーフとしても使われてきたためか、著名人にもこの『鳥獣人物戯画』のファンを公言する方は多い印象です。

京都の高山寺(こうざんじ)に伝わる4巻からなる絵巻物。各巻にストーリー的なつながりはなく、筆致や画風も違うため、複数の作者によって、12〜13世紀(平安時代末期〜鎌倉時代初期)の期間に、別個の作品として描かれたとされています。

なぜ、複数の作者によって描かれた作品が世紀を超える長い時間の中で、高山寺に集まってきたのか、その事情ははっきりわかっていないようですが、京都の高山寺に蒐集された絵巻物を、高山寺の誰かが編集・再構成して、『鳥獣人物戯画』として集成したというストーリーにもとても興味を惹かれます。

おそらく、それぞれの絵巻物の価値を見極め、最も自然な鑑賞のための流れを作り、4巻にまとめたということなのでしょうが、これはいわゆる編集者の仕事です。娯楽のための絵巻物は、当時としては大変な贅沢品であり、最先端の媒体。さぞかし力のある人物が編集に携わったのだと思います。

絵巻物が、どういう事情であれ集まってくるお寺というのも、やはり普通のお寺ではないですね。高山寺は『鳥獣人物戯画』をはじめ、絵画や書物、仏像など多くの文化財を伝える名刹であり、中世寺院の役割の大きさも改めて感じます。

一般的によく知られるウサギや猿、カエルなどが描かれているのは『甲巻』、空想上の動物である麒麟(きりん)や霊亀(れいき)といった瑞獣(ずいじゅう)が描かれた『乙巻』、将棋などの勝負事をする人々が描かれた『丙巻』、流鏑馬(やぶさめ)をする武士などが描かれた『丁巻』と、展覧会史上初めて4巻まとめて全てが期間中に公開展示されるのは初めてとのこと。 現在、世界的に人気のクール・ジャパン、マンガの原点とも言われる『鳥獣人物戯画』ですので、お時間がある時に足を運んでみてはいかがでしょうか。

【作品の背景を探る、空想の旅に出よう】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門オークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

骨董・美術品の楽しみは、まずその美しさや独特の造形をじっくりと見極めるところからはじまります。そして、古の作家の技に驚嘆し、自分が感じたその美しさとはどのようなものかについて考え、さらにその作品が生まれた時代性や作家のモチベーションを想像するといった心の動きになっている気がします。

実はこの最後の作品の背景を探る旅、つまり作家の精神性や時代性を理解していくことが、骨董・古美術ライフの一番の魅力ではないかと思っています。その時代に生きた人々の暮らしや意識を考えることは、その時代に空想の旅をすること。正しい知識が蓄積されればされるほど、心のタイムマシーンは正確にその作家の心情を理解させてくれます。

その意味で刀剣は美的鑑賞として、作り手の意図や技を探る楽しみがわかりやすく、また使い手の目的、武士の精神性などに興味のポイントが自然と向いていく奥深いジャンルだと思います。日本刀は古来から武器であると同時に、その美しさや存在感から権力者にとって権威の象徴としての役割を担っていました。そのため他の工芸品・美術品に比べて、刀鍛冶には高い地位が与えられ、時の権力者から特別視されていたという事実もあるようです。

サムライオークションにも脇差しや短刀の出品が数点あります。

『刀剣』で検索しますと、現在は以下のような出品作品を確認できます。

《『刀剣』での検索結果・作品はこちらです》

ぜひサムライオークションを入り口に、奥深い骨董・古美術の世界をお楽しみください。

≪なるほど 納得!ネット オークション。vol.2≫

ネット オークション で、なかなか 入札が 入らない場合は、タイトル なり 画像なり、どこかを 修正して 再出品するのも 手段です。

ちょっとの 修正で、閲覧数や ウォッチが、大幅に 増えて、即落札 なんて事もあります。

ネットオークションに不慣れな方も、サムライオークションでオークション試運転をしてみてください!

【ルーブルの全所蔵品WEB公開で思うこと】

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

ルーブル美術館が3月末日より、所蔵作品約50万点をWEBサイト上で無料公開しています。今までも数万点が公開されていましたが、全所蔵品が閲覧可能になったようです。サイト上の正式な対応言語は英語と仏語ですが、Googleさんの翻訳で概ねステートメントも理解できます。

《▼ルーブル美術館》

カテゴリーは、絵画・彫刻・家具・テキスタイル・宝飾品・碑文・オブジェクトの7つに分かれており、制作年代や作者などで検索も可能。美術館では一般公開されていない収蔵品にもアクセスできるとあって、気ままに眺めているだけであっという間に時間が経ってしまいました。ネットワーク環境とPCの進化で、画像の解像度や表示速度についてのストレスは皆無。ネット鑑賞ってアリかも!と認識を改めました。

もともと芋洗い状態の企画展になかなか足は向きませんし、海外の美術館には気軽に出かけることはできません。でもあたりまえですが、WEB上であればいつでも気軽にアクセスできますし、目の前を遮る人影はなく、憧れの作品を好きなだけ独占できます。最近は実際の美術館でも高精度のレプリカを展示するケースも多いので、もうWEB美術館で十分なのではという気にもなってしまいそうです。

では、実際の美術館に出向く価値が薄れたのでしょうか? いえいえもちろんそんなことはありません。美術を楽しむための選択肢が広がったというだけで、リアルにはリアルの、アナログにはアナログの魅力というものがあります。

予定が空いた午後にふらりと訪れた静かな美術館で、のんびり作品と向かい合うような時間は豊かでとても貴重です。美術館の空気感、目の前にある貴重な作品の臨場感、それはやはり実際の作品を目にしてこそ得られる貴重な体験だと思います。 ビジネスもエンタメも日常生活も、テクノロジーの進化で極端な変化が続いていて、どう考えればよいのかわからない事象がとても多くなっています。ひとつの対処法としては、正解を求めすぎないこと。どちらが良いではなくて、どちらにも良いところがあるという風に、視野を広げて考えたいですね。何事に対しても自分の許容量を大きくして、ケースバイケースで楽しみたいものです。

【世界最大の絵画、慈善オークションで67億円!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

先日UAEのドバイでイギリス人アーティスト、サシャ・ジャフリさんの作品がチャリティー・オークションに出品され、6200万ドル(約67億円)で落札されました。作品名は『The Journey of Humanity(人類の旅)』。キャンバスに描かれた世界最大の絵画としてギネス認定されています。

作品の大きさは、1595.76㎡。ちょっとピンときませんが、使われている絵の具は約6300リットル。サッカーコート約2面、バスケットボールコートだと4面分に相当する広さのようです。当初は、70枚に分割して6つのオークションハウスに出品される予定だったそうですが、世界最大の絵画として1枚で出品した結果、予想の2倍の価格で落札。ドバイ在住で仮想通貨のビジネスを手掛けているフランス人実業家、アンドレ・アブドゥーヌさんが一括で購入したようです。

サシャ・ジャフリさんは作品制作を通じた慈善活動によって、既に6000万ドル以上の寄付金を集めているようで、この作品もUAEを拠点とする世界的な慈善団体と大手リゾートホテル、UAEの行政府とのコラボによって実現しています。世界中の貧しい地域に住んでいる子ども、新型コロナウィルスパンデミックの影響を受けている子どもたちの生活支援のために、売上金はユニセフやユネスコなどの団体に寄付されるそうです。 ジャフリさんの作品は、英国王室メンバーやオバマ元米国大統領、ジョージ・クルーニーなどのいわゆるセレブな人々がコレクションしているようです。長い年月を通じて涵養されてきた、欧米のチャリティー文化が背景にありますが、美術作品の持ちうる力として精神面の効用だけではなく、経済的な実践力も現実として持ちうるのだなあと改めて感じます。

【技術が生み出す新時代アート市場】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

この3月、オークションハウスのクリスティーズで、デジタルアートが6935万ドル(約75億円)で落札されました。作品は、Beeple(ビープル)と呼ばれるアーティストのデジタルコラージュ『The First 5,000 Days(最初の5,000日)』。コラージュには、14年間毎日公開し続けていた作品が使われているようです。

作品そのものもユニークですが、まずは歴史あるクリスティーズが初めてデジタルアートを取り扱ったことが画期的なニュースです。そして、2月25日に100ドルからスタートした入札が3月11日の最終日に75億円を超える金額で落札されたこと、その落札者が仮想通貨ファンドの経営者だったこともとても興味深いです。

リアルな美術作品にもさまざまな真贋論争があります。ましてや複製がしやすいデジタル技術によって創作されたデジタルアートは、どのように本物であることが証明されるのか。それを可能にしているのが仮想通貨の基盤技術となっている『ブロックチェーン(分散型台帳)』です。

ブロックチェーンは、仮想通貨(=デジタル資産)の所有者を特定するための技術。そのため全ての仮想通貨の成立基盤となっています。つまり、無制限に複製可能なデジタルコンテンツの真正性や、所有権を証明することができるこの技術が、アート作品に応用されたわけですね。

このようにブロックチェーンを活用して所有権が保障されたデジタルコンテンツは、NFT(非代替性トークン)と呼ばれ、映像、音楽、ツイッターへの投稿など、あらゆるデジタルコンテンツの唯一無二性を証明できるため、アメリカでは既に多くの商用利用がはじまっているようです。 報道によれば、『The First 5,000 Days』の落札を最後まで争っていたのは仮想通貨『トロン』の創設者だったのだとか。ブロックチェーンを熟知し、アート作品を含むデジタルコンテンツの未来について精通している人物達だったからこそ、デジタルアートの未来を信頼し、高額の落札を争えたということなのだと思います。

【自由な社会と骨董ライフ】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門オークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

何が緊急事態だかよくわからない宣言が発出されましたが、感染者数は下げ止まりしています。諸々を真面目に自粛している人間にとっては、ストレスも相当溜まっています。お隣の大国はコロナを早々に抑え込み、既に日常が戻っているようで、独裁国家や監視社会の方が、人権はなくてもどこか優れているところもあるのかなと考えて、ジョージ・オーウェルの『1984』を思い出しました。

1984年のディストピアを描いたこのSF小説(1949年刊行)には、超監視社会がリアリティーある筆致で描かれています。現代社会の孤独や恋愛、社会正義や政治的抑圧など、幅広いテーマが描かれているロングセラー小説なので、未読の方にはぜひオススメしますが、ストーリーの中に骨董屋が出てきます。主人公が最初にそこを訪れた時、珊瑚を使ったガラス細工のペーパーウェイトやシルクスクリーンの版画を見て、『美しい』とつぶやきます。

小説の舞台は戦時中であり、本当の緊急事態宣言下の社会です。食べ物や日用品も極端に制限され、自由な発言もできず行動も思考も監視されています。街はずれのスラム街、特殊なエリアにある誰も寄り付かないその骨董屋の主人は、主人公に世界からはとっくに『美しい』という言葉も、『美』そのものも失われたと思っていたと語ります。 作者の表現力の高さだと思いますが、読みながら息苦しくなるような、恐怖を感じる緊迫した小説世界にどっぷり浸かっていると、その骨董屋のセリフがすとんと腹落ちするのです。そして、確かに骨董や美術の楽しみは、自由があってこそのものだなあとしみじみ思えます。自由な社会だからこその骨董ライフ。多少のまどろっこしさはあっても、今の暮らしに感謝しながら楽しみたいと思います。

≪なるほど 納得!ネット オークション。≫

オークション で、スタート価格の 設定には、“2通り”しかありません。

つまり“2択”です。

希望落札価格 以上から スタートするのか、それとも、希望落札価格 未満から スタートするのか。

当然ながら、スタート価格は 低いほど、入札数は 伸びるでしょう。

入札が競えば、落札価格は 予想以上に 跳ね上がる 可能性があります。

しかし その逆に、入札が競わなければ、希望落札価格に届かずに 落札されてしまう 可能性もあります。

スタート価格を 希望落札価格 以上に設定すれば、入札は、入りづらくなります。

落札されるまでに、時間を要する場合もあります。

しかし この場合には、希望落札価格 以下で 落札される事は、絶対に無くなります。

また 商品次第では、入札を競い合って、落札価格が 跳ね上がる事もあります。

あなたの出品する商品を 欲しい人は、必ず存在します。

根気が あれば、必ず売れます。 ネット オークション に、出品してみましょう。

【骨董・美術品とインテリア雑貨の違い】

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

在宅時間が増えて家の中を見直し、断捨離する人が増えているようです。お住まいの中を見直して、少しでもお金になりそうだと思えばフリマアプリで手軽に不用品を販売できる時代。ネット上にはあらゆる物が出品されていて、世の中の動きを感じます。

売りに出されているのはアパレル関係が多い印象ですが、中には額装されたインテリアアート作品やオブジェの類もあります。ただそれらの多くは、サムライオークションに出品されている作品とはニュアンスが少し異なるように感じます。その違和感は、どこから来るのでしょうか?

骨董、あるいは美術品とインテリアアートの差は、単純に骨董・美術市場で販売できるかどうかだと思います。少なくともフリマアプリ誕生以前はそうでした。自宅で個人が楽しむのであれば、自分が書いた絵や撮影した写真でも全く問題ありませんし、立派なインテリアアートです。ただ、プロの市場で売買される対象にはなりません。

その作品が個人の主観的な価値観だけではなく、客観的な評価基準を持っていなければ、いわゆるプロの市場で販売されることは基本的にありません。逆に客観的な評価が可能な作品は、何度でも市場に流通してきます。

ただ、インターネットテクノロジーの発達で、新しいシステムの市場が生まれてきていることも事実です。あらゆるものがデータ化されていく世の中なので、客観的な評価基準が担保されるしくみさえあれば、またさらに進化した新しい骨董・美術品の市場ができることもあるかもしれません。 サムライオークションは、骨董・美術品を皆さんのもっと身近にすることを目指して、新しい取り組みにも挑戦していきたいと思っています!

【独自スタイルの魅力《織部焼き》】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

気候変動への取り組みが世界的に加速しています。欧米の金融機関では、コロナ禍からの経済復興の中心に温暖化対策が明確に位置づけられており、『グリーン・リカバリー』やら『グリーン・ファイナンス』、『グリーン・シフト』なる言葉を良く見るようになりました。

世界的にグリーンと言えば森林をイメージするのだなあと改めて感じながら、でも骨董好きなら緑と聞いて思い出すのは、深みのある暗緑色の《織部焼き》かなと思い直しました。

戦国武将であり稀代の数奇者であったと言われる古田織部(1543〜1615年)が、故郷の美濃国で若葉を器に表現しようと緑釉を使って作らせた織部焼き。黒織部や赤織部などバリエーションもありますが、やはり特徴的な美しい緑をした青織部が標準的な織部焼の色として認識されています。

織部焼は、当時(安土桃山時代)の最新技術だった連房式登窯を使って大量生産されました。武士であった古田織部のぶこつさを象徴するような、左右非対称のひずんだデザインは好みがわかれるところもあるかもしれませんが、皿、鉢、酒器や茶碗、花入れ、香合など幅広い種類の伝世品が残されており、人気の一端が感じられます。

その大胆さや不完全さが、既存の規格や常識こだわらない古田織部自身の自由な精神を象徴しているようにも感じられ、その人物像をとても魅力的にしています。また、千利休の弟子としても侘茶を発展させたとして高く評価されており、茶器はもちろん、建築や庭園などについても『織部好み』と呼ばれるある種のスタイルを生み出しています。 歴史に残って語られていくスタイルには、まず独自の視点や個性が欠かせないのだと思います。むやみに世間に迎合することなかれと、織部焼きは静かに主張しているように感じます。