初心者大歓迎の《骨董・美術品専門オークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。
洋の東西を問わず、近代以前の社会では宗教が人々の生活に与える影響は、現代社会比較にならないほど大きなものでした。疫病や天災の時に、絶望する人々に寄り添う無名の僧侶がいたかと思えば、時の権力者の近くで存在感を強める寺院があったりと、影響力が強かっただけに、その功罪も大きかっただろうと想像します。
教会やお寺には、祈りの対象としての彫刻や絵画があり、そこで祈ることで精神の安寧が実際に保たれていたのだと思います。宗教には、今以上の力が備わっていたはずです。
やがて経済的に豊かな人々が、祈りの対象を自宅にも欲しいと願い、宗教画の需要が社会に広がっていきます。ただ、そうはいっても、家に祈りの対象を持てる人々というのは、長いこと少数派だったと思います。きっととても高価な、贅沢品だったんでしょうね。
日本では平安時代から、仏像とともに仏画が多く制作されるようになり、鎌倉時代からそのバリエーションが広がって、室町時代には特に禅画が盛んに描かれるようになりました。ただ、江戸時代以降は、文人画や浮世絵など絵画のジャンルがさらに多彩になったために、仏画というジャンルの持つ価値や意味合いが変化していったのだと思います。そして、明治時代以降、新しい仏画が誕生して現在に至ります。
現在、サムライオークションには、数点の仏画の作品が公開されています。
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いずれも特長的な作品ばかりです。その画に向かい合ってみると、そこに特別な物語を感じたり、信仰を持たない自分でも自然と静謐な気持ちになることができます。やはり、お葬式や法事などで、ずっと身近にあった仏教的な考え方や物語が、身に備わっているのでしょうね。 ぜひご自宅に飾ってみてはいかがでしょうか。