【たおやかな日本女性の美】

こんにちは!初心者大歓迎の《骨董・美術品専門オークションサイト》サムライオークションスタッフA.Nです。

今回ご紹介するのは尾竹国観「海女」絹本掛け軸です。

尾竹国観(おたけ こっかん、明治13年(1880年)4月21日 – 昭和20年(1945年)5月20日)は、実兄の尾竹越堂、尾竹竹坡とともに活躍し、「尾竹三兄弟」の末弟として著名な浮世絵師、日本画家です。

彼は生活を支えるために少年時代から絵を売っていた苦労人。その天賦の画才が認められ、高橋太華や小堀鞆音に弟子入りし、歴史画を学びます。日本美術協会展など主要な展覧会で入選を重ね、生時より画壇に評価されていました。

若い頃は薬の広告画を、後半生は雑誌や教科書の挿絵をよくし、現実の中で美術を追求した人物と言えましょう。

さて、尾竹国観の画風といえば、歴史物、女性美を豊かな彩色で描いた作品です。

国観が描くのは、伝統的な女性美。白い肌に柔らかな黒髪。切れ長の目、通った鼻筋、小さな口はいたって涼しげです。

こうした伝統的な女性感を踏襲しながらも、今回紹介する作品「海女」の二人の女性(姉妹だろうか?)は絶世の美女ではありません。

ひどく寂しげな表情と色味を抑えた波の満ち引き、女性よりくっきりとした線で描かれた松の存在感が、ひなびた風情をひしひしと伝えてくる。この全体に纏う寂しさが本作品の特徴といえよう。荒れた海では潜れず悲しげな妙齢の美しい海女。思わず抱きしめたくなる。

《▼作品はこちらです》(出品者:マサレオsuZuki@なんでも鑑定団FAN)

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