こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションです。
ユーチューブを覗いていますと、写真のようなスーパーリアリズムのイラストを描くアーティストの皆さんが、制作工程を公開して称賛の声を集めています。確かに桁外れに高い技術を持っていますし、また書くスピードも速くて驚きます。
さて、人の心を感動させるのが写真のような絵画だとすれば、その制作工程の驚嘆を抜きにすれば、完成した観賞用の作品としては写真で良いのではないか、とひねくれたことも思ってしまいます。
写実主義の魅力、写真との違いについては、また別の機会に考えてみたいのですが、今回は鬼原素俊(きはら・そしゅん/1902〜1978年)の『蝉』をオススメ作品としてピックアップします。
《▼作品はこちらです》(出品者:マサレオsuZuki@なんでも鑑定団FAN)
鬼原素俊:「蝉」/金泥 肉筆 扇面 紙本・合箱
この蝉のリアリティは、いかがでしょうか? 近くに寄りすぎてはいけないのです。印象派の絵画もそうですが、鑑賞に適した距離があるのだと思います。こちらの『蝉』については、2メートルほどでしょうか。夏の茶席は涼しげに振る舞うのが作法のようですが、客人が床間を見て、一瞬ぎょっとしてから微笑む様子が想像できる面白さですね。
近くで見ればこの蝉は、それほど描き込まれているわけではありません。それが、適正な距離感で見るとまるで今にも鳴き出しそうなリアリティ。お茶を嗜まれる方が、夏のお茶会だけに引っ張り出して使うのではもったいないです。印象主義絵画の好きな方には、ぜひオススメしたい一品です。
サムライオークションには、この他にも五感を刺激する作品が出品されています。
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