【作品の格を見極める《共箱》】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

フリマアプリでアパレルブランドの紙袋や箱が販売されているそうです。まあ、抜栓したワインコルクや石が流通しているくらいなので、驚くほどのことではないのかもしれません。買取りに出す時に箱があると査定が良いのだとか。

なるほどそんなことかと納得しましたが、確かに宝飾品をはじめ、アパレル、靴、Appleなど、企業コンセプトが明確なブランドは、パッケージにも気品を感じたり、筋が通っているなと感心することがあります。

骨董・美術品の世界にも、作品を入れる《共箱》の存在があります。箱の表には作品名、裏側には作者自身による銘が記されており、共箱によって作品の真贋がはっきりするため、いわゆる保証書のような役割があります。

共箱以外にも、作者以外の人物がその作品について箱書き(鑑定)している識箱(しきばこ)や極箱(きわめばこ)、書付箱(かきつけばこ)があり、作品とは無関係な整理・保存のための合わせ箱(あわせばこ)もあります。

箱そのものにも格式があり、例えば蓋を開けた時、内部の立ち上がりが本体側にあるか蓋側にあるか、立ち上がりの数は2本か4本か、それとも立ち上がりがなく蓋を乗せるだけかなど、機能面も含めた違いがあります。

一流の作家の《共箱》には、その筆跡を含めて格調を感じます。それは私が、権威に弱いからという部分もあるかもしれませんが(^_^;)、立派な箱に入っていても中の作品が凡庸だった場合には、やはりそのアンバランスさに違和感を覚えるのも事実です。 骨董・美術品にとって《共箱》は、包装・梱包といった単なる流通・運搬用の保護のためだけの用途ではなく、保証書であり説明書、時に来歴などが記されたコンセプトノートでもある貴重なものなので、捨てることなく大切に保管してください。

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