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長さ、体積、重量の3つの単位を合わせて度量衡(どりょうこう)と言います。計測の概念とそれを測る〈ものさし・ます・はかり〉などの器具を意味します。古来より計測することは、租税・貨幣・土地制度など、社会を維持するための基本中の基本、正しく測ることはすなわち国家の根幹に通じています。
日本における度量衡(計測法)の歴史は、大宝律令(701年)に始まり、長さは〈寸(すん)・尺(しゃく)〉、体積は〈升(しょう)〉、重量は〈貫(かん)〉を基本の単位としましたが、実際の数値は地域や年代、用途によってもばらばらだったようです。
ばらばらだった数値が統一され、〈尺貫法〉として成立したのは1875年(明治8年)ですから、それまではさまざまな取引の際に行われる計測には、多分に怪しいものもあったと考えられます。
いつの時代も、不正によって利益を得ようとする人間はいるものです。このため、精密な秤が必要となり、織田信長(1534〜1582年)が卓越した技術を持つ職人に〈天下一〉の称号を与え、道具に〈天下一〉という極印を押すことを許可しました。いわゆる、お墨付きというやつですね。
1653年、江戸幕府は〈天下一〉の称号を受けた東西2つの秤職人だけに、竿秤(さおばかり)の製造と販売、検査・修理を限定しました。この職人集団は、江戸の『守随(しゅずい)家』と京都の『神(じん)家』です。
画像のひょうたん型のケースに入った竿秤は、別名銀秤(ぎんばかり)とも呼ばれ、江戸時代以前まで秤量貨幣として流通していた銀や砂金の重さを測るために使われました。取引をする上で互いの平等を確認し合うため、それぞれが自前の携帯用の秤を持っている必要があったんですね。
骨董道具は、鑑賞して楽しむ他に、その歴史、使われ方、刻印の意味などなど、興味を持って調べだすと無限に広がる楽しみがあります。ぜひサムライオークションで、骨董道具の世界を広げていってください。