イギリス陶芸の父「ジョサイア・ウェッジウッド」

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海外のアンティークといえば、ティーカップなどの陶磁器が思い浮かびます。ティーカップで有名なブランドといえば、世界最大の洋食器メーカー「ウェッジウッド」でしょう。海外のアンティーク市でもよく見かける人気の商品です。そのウェッジウッドの創業者「ジョサイア・ウェッジウッド」はどんな人物だったのでしょうか。

見習い時代

ジョサイア・ウェッジウッドは1730年生まれ。ヨーロッパの陶芸史を変えた人物です。17〜18世紀にイングランドのスタッフォードシャーという町の小さな製陶所の見習いとして、地元の粘土を使ったものづくりをしていました。当時の技術は素朴で家庭向けの分厚い陶器が主流でした。

研究熱心

1754年にトマス・ウィールドンという名工とパートナーになったことが転機となり、飛躍的に技術が向上します。当時の陶器産業は衰退しており、立て直すには科学を取り入れた技術革新が必要だと考えたジョサイアは、素地、釉薬、彩色、形にこだわるようになりました。研究者さながらの試行錯誤の末、薄くてキレイなデザインの新種の彩色陶器を次々に生み出します。その探究心が数々の成功へと導きました。

独立と功績

トマス・ウィールドンと5年働いた後に独立し、アイビー・ハウス製陶所を設立します。最初の功績として今までに無い緑の釉薬を発明し、スタッフォードシャーの窯業は有名になります。18世紀半ばの頃、出来上がった作品を馬で運んでいたため破損率がとても高かったのですが、強い反対を押し切り運河の建設へ乗り出し、この運河の完成が陶芸を含む各産業の発展へと繋がることになります。また、彼の工房は労働者への待遇が良く、健康と福祉を重視したものでした。さらに、奴隷廃止運動でも活躍。陶芸にとどまらず、社会を良くするために幅広く活動してきました。

死後も愛されるブランドへ

ジョサイア・ウェッジウッドは1795年1月3日に死去します。その後も工房は150年維持され、後継者の職人が伝統を守り続けながら新しい製品も生み出してきました。1950年になると工房は閉鎖され、現在のバーラストン工場に移されます。伝統技術を残しながら最新の技術も取り入れて共存させ、美術と産業の融合に取り組んだ偉大な人物だったと言えるでしょう。

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