【クリムト《接吻》に愛を考える】

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相変わらず新型コロナウィルスの勢いが止まらず、緊急事態宣言が発令されました。多くの美術館は休館になっていますし、外出自粛要請で社会が萎縮しています。そんな中、在宅勤務になったことが遠因による家庭内暴力があり、奥さんが亡くなって夫が逮捕されるという痛ましい事件が報道されました。

世も末だなという想いから、思考は19世紀末のヨーロッパへ飛びます。科学技術の発達で大きく変化する世の中に、人々が不安を抱く中、オーストリアで愛のカタチを描き続けた画家、グスタフ・クリムト(1862〜1918年)を思い出しました。

クリムトの家には、多い時で15人もの女性が同居していました。そのほとんどがモデルであり、愛人だったそうです。若くして装飾家として名声を得たクリムトですが、画家としての作品のモチーフは、一貫して《愛》なかでも《エロス》と《死》です。

官能的なクリムトの作品の中で、特に人気が高いのが《接吻》。モデルは、エミーリエ・フレーゲ(1874〜1952年)。ブティック経営で成功し、デザイナーとしても自立していました。だから、なのか、クリムトは生涯独身。死の床でもエミーリエを呼んだそうなので、最も信頼していた女性に違いないのですが、二人はいわゆる結婚という手続きはとっていません。

経済的に自立した人間同志のカップルであれば、自由な関係でいられるもの。家庭内暴力の悲劇は、どちらかがどちらかに依存する瞬間にはじまるような気がします。愛を大切に守りたければ、お互いが精神的、経済的に自立し続けることかもしれませんね。

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