【骨董イベントで感じた豊かになるための秘訣】

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

5月1日土曜日、東京プリンスホテルにて開催された『ザ・美術骨董ショー2021』に行ってきました。

《▼ザ・美術骨董ショー2021》

フジテレビ後援、サントリー・JAL協賛、国内外から約200店の美術・骨董商の方が出店されていて、コロナ禍であるにも関わらず自分が想像していた以上に盛況の印象でした。

このイベントの最大の特長は、その出店ジャンルの多様性にあると思います。西洋、東洋の骨董・古美術、書画、絵画、コインや貴金属、宝飾品から一部エリアでは現代美術作家の出品もありました。馴染みのある陶器から、仏教美術、自在置物、根付、香合、洋食器とじっくり見ようと思ったら時間がいくらあっても足りません。必然的に一番興味のあるところ、仕事に関わりある出品者を中心に回り見ることになりました。

ただ、このような大規模イベントの魅力は、見る気がなくても視界に入ってくる情報が豊富なことです。本屋さんでの立ち読みと感覚的には一緒ですね。例えば、骨董か現代かに関わらず、人形やパワーストーンと呼ばれる紫水晶など鑑賞石の類は、個人的には取り扱いの経験や知識もないので普段は目にする機会がほとんどありません。それが今回の会場では複数店舗の出店があり、中には賑わっているブースもありました。

間近に見れば興味もわきます。日常的に接点がなかっただけで、そこに何かを感じることもあり、それがセレンディピティ(偶然からの幸運)につながることも当然あるでしょう。興味がない、(美しさや良さが)わからない、これはひとえに自らの思い込みや単純に接触機会が無かった、知らなかったというだけの場合が多そうです。自分の知らないものに積極的に出会おうとする、それが大切なのだと気がつきました。

時節柄人との接触、外出を避けるのが望ましい世界になってはいますが、やはり目線は外に向けていかないと新しい情報・刺激はなかなか入って来ませんし、精神の変化も起こりません。意識を拡大させることは、心理的な豊かさにつながっていくこと。内面的な豊かさとは、多様性ということであり、最近流行りの言葉で言うところのレジリエンス(復元力・回復力・強靭性)力にもつながるのだと思います。

人間=生物の生存戦略として、ストレスや環境変化に対応して生き残っていくためにも、多様な《価値感》や《美》を積極的に自分の中に取り入れて意識を拡大していきたい、そんなことを感じた骨董イベントでした。 新しい出会いや意識の拡大は、ネット上でも可能です。サムライオークションのサイト内には、あなたの内面を豊かにしてくれる、そんな可能性のある出品もあるはずです。お時間のある時に、ぜひ遊びにきてください!

【世界最大の絵画、慈善オークションで67億円!】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

先日UAEのドバイでイギリス人アーティスト、サシャ・ジャフリさんの作品がチャリティー・オークションに出品され、6200万ドル(約67億円)で落札されました。作品名は『The Journey of Humanity(人類の旅)』。キャンバスに描かれた世界最大の絵画としてギネス認定されています。

作品の大きさは、1595.76㎡。ちょっとピンときませんが、使われている絵の具は約6300リットル。サッカーコート約2面、バスケットボールコートだと4面分に相当する広さのようです。当初は、70枚に分割して6つのオークションハウスに出品される予定だったそうですが、世界最大の絵画として1枚で出品した結果、予想の2倍の価格で落札。ドバイ在住で仮想通貨のビジネスを手掛けているフランス人実業家、アンドレ・アブドゥーヌさんが一括で購入したようです。

サシャ・ジャフリさんは作品制作を通じた慈善活動によって、既に6000万ドル以上の寄付金を集めているようで、この作品もUAEを拠点とする世界的な慈善団体と大手リゾートホテル、UAEの行政府とのコラボによって実現しています。世界中の貧しい地域に住んでいる子ども、新型コロナウィルスパンデミックの影響を受けている子どもたちの生活支援のために、売上金はユニセフやユネスコなどの団体に寄付されるそうです。 ジャフリさんの作品は、英国王室メンバーやオバマ元米国大統領、ジョージ・クルーニーなどのいわゆるセレブな人々がコレクションしているようです。長い年月を通じて涵養されてきた、欧米のチャリティー文化が背景にありますが、美術作品の持ちうる力として精神面の効用だけではなく、経済的な実践力も現実として持ちうるのだなあと改めて感じます。

【自由な社会と骨董ライフ】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門オークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

何が緊急事態だかよくわからない宣言が発出されましたが、感染者数は下げ止まりしています。諸々を真面目に自粛している人間にとっては、ストレスも相当溜まっています。お隣の大国はコロナを早々に抑え込み、既に日常が戻っているようで、独裁国家や監視社会の方が、人権はなくてもどこか優れているところもあるのかなと考えて、ジョージ・オーウェルの『1984』を思い出しました。

1984年のディストピアを描いたこのSF小説(1949年刊行)には、超監視社会がリアリティーある筆致で描かれています。現代社会の孤独や恋愛、社会正義や政治的抑圧など、幅広いテーマが描かれているロングセラー小説なので、未読の方にはぜひオススメしますが、ストーリーの中に骨董屋が出てきます。主人公が最初にそこを訪れた時、珊瑚を使ったガラス細工のペーパーウェイトやシルクスクリーンの版画を見て、『美しい』とつぶやきます。

小説の舞台は戦時中であり、本当の緊急事態宣言下の社会です。食べ物や日用品も極端に制限され、自由な発言もできず行動も思考も監視されています。街はずれのスラム街、特殊なエリアにある誰も寄り付かないその骨董屋の主人は、主人公に世界からはとっくに『美しい』という言葉も、『美』そのものも失われたと思っていたと語ります。 作者の表現力の高さだと思いますが、読みながら息苦しくなるような、恐怖を感じる緊迫した小説世界にどっぷり浸かっていると、その骨董屋のセリフがすとんと腹落ちするのです。そして、確かに骨董や美術の楽しみは、自由があってこそのものだなあとしみじみ思えます。自由な社会だからこその骨董ライフ。多少のまどろっこしさはあっても、今の暮らしに感謝しながら楽しみたいと思います。

【骨董・美術品とインテリア雑貨の違い】

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの利休です。

在宅時間が増えて家の中を見直し、断捨離する人が増えているようです。お住まいの中を見直して、少しでもお金になりそうだと思えばフリマアプリで手軽に不用品を販売できる時代。ネット上にはあらゆる物が出品されていて、世の中の動きを感じます。

売りに出されているのはアパレル関係が多い印象ですが、中には額装されたインテリアアート作品やオブジェの類もあります。ただそれらの多くは、サムライオークションに出品されている作品とはニュアンスが少し異なるように感じます。その違和感は、どこから来るのでしょうか?

骨董、あるいは美術品とインテリアアートの差は、単純に骨董・美術市場で販売できるかどうかだと思います。少なくともフリマアプリ誕生以前はそうでした。自宅で個人が楽しむのであれば、自分が書いた絵や撮影した写真でも全く問題ありませんし、立派なインテリアアートです。ただ、プロの市場で売買される対象にはなりません。

その作品が個人の主観的な価値観だけではなく、客観的な評価基準を持っていなければ、いわゆるプロの市場で販売されることは基本的にありません。逆に客観的な評価が可能な作品は、何度でも市場に流通してきます。

ただ、インターネットテクノロジーの発達で、新しいシステムの市場が生まれてきていることも事実です。あらゆるものがデータ化されていく世の中なので、客観的な評価基準が担保されるしくみさえあれば、またさらに進化した新しい骨董・美術品の市場ができることもあるかもしれません。 サムライオークションは、骨董・美術品を皆さんのもっと身近にすることを目指して、新しい取り組みにも挑戦していきたいと思っています!

【良い出会いのために!《大江戸骨董市》】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

先週末、大江戸骨董市に行ってきました。感染者が増えてきている中、どのくらいの人出になるんだろうと思っていたのですが、やはり通常時に比べると少なめの人出でした。

でも、見て回る側からすれば、ちょうど良い混み具合。出店者さんは、ほぼほぼ会場いっぱいでしたので、道具系と陶磁器を中心に朝からお昼過ぎまで、たっぷり楽しむことができました。

改めて思いましたが、骨董市とかフリーマーケットは、老若男女が自然に出会える場所ですね。気の良い出店者さんですと、品物の善し悪しの見分け方なんかを丁寧に教えてくれます。全体の印象として、女性と若い方が増えているような気がして、少し嬉しかったですね。

ところで、目の前で積極的にお財布を開けていたのは、30代くらいの若い女性が多かったです。前々から感じていたのですが、女性の方がファッションとかライフスタイルに対して、自分らしさをしっかり自覚している人が多いですね。お化粧と関係があるのではないかと想像しているのですが、自分のスタイルがある人は、市場でも骨董や古美術品との良い出合いが多くなると思います。

自分が気に入ったモノ、素敵だと思うモノと出合うためには、まず自分のスタイルが確立している必要があります。自分の好きなモノがどういうものかわからない人には、良い出会いはなかなかありません。骨董・古美術品に興味を持った時、何か好きだなと思った対象が出てきた時には、その対象のどこに魅力を感じたのか、考えて書き出してみましょう。

沢山の品物を見て、気に入ったらその理由を考えてみる。そんな風にして経験を積んでいくことが、目利きになるということだと思います。私もまだまだ勉強中です。 サムライオークションにも、ぜひ遊びに来てください。あなたのための良い出合いを見つけてください。

【感染症が変えていく新しい世界】

こんにちは! 初心者大歓迎の《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

アメリカ大統領選挙が終わりました。バイデンさんは次期政権運営の準備を進めているようですが、トランプさんからの敗北宣言はなく、まだスッキリした決着は出ていません。

保護主義を強烈に推進する大統領が政権についている時にパンデミックが起こり、世界中の日常が一挙に崩壊。国際社会はグローバルに繋がり連携していく方が、明るい未来があるように思いますが、極端なリーダーの登場とそれに続く強力な感染力を持つウィルスの登場によって、世界は一瞬で閉じられてしまいました。大きな震災やテロ、2008年の金融危機よりもインパクトが大きくなってきている印象です。

ただ、これまでも人類には極限状況が訪れて、そこから何かを学び、新しい思想や文化を生み出してきた歴史があります。ルネッサンスがそうです。大きな概念なので、いろいろなとらえ方がありますが、14世紀にペストが流行って多くの人が亡くなり、社会が共有していた宗教的な価値観が徐々に損なわれ、人々がそれまでの教会ではない、新しい祈りの対象を探すようになっていく精神運動という側面を大づかみで理解しています。その中で絵画表現なども大きな影響を受けました。

今回の新型コロナウィルス感染症が人間社会に与えた影響は、経済的な面だけではなく、文化や精神面についても想像以上に大きく、来年もまだまだ変化の時期が続くでしょう。一時は全面的に閉鎖されていた美術館などは、予約制などを採用して公開され始めていますが、採算がとれているところは少ないようです。WEBを活用した、新しいアート鑑賞のあり方も模索が始まっています。

一方に大きく振られた振り子は、反対側に移動する時のエネルギーも大きくなります。良くも悪くも、新しいものが生まれる時代だと感じます。

サムライオークションも、骨董・美術品専門のネットオークションとして、新しい業態にチャレンジを続けていきます! 皆さま、どうぞよろしくお願いします!

【KGBのスパイ道具出品! オークションの楽しみ方】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

厳密には骨董・美術品ではないのですが、ユニークなオークションの話題がニュースになっているのでご紹介したいと思います。舞台は、米国の『ジュリアンズオークション』。2003年に設立され、カリフォルニアに拠点を置く、オークションハウスです。

エンタテインメント分野に強く、2011年にはマイケル・ジャクソンがスリラーで着用したジャケットが、180万ドルで落札されて話題になりました。ジョン・レノンのギターやマリリンモンローのドレスなどの販売実績があります。

そのジュリアンズオークションが来年1月、KGB(ソ連国家保安委員会)が東西冷戦時代に使用していたスパイ道具のオークションを開催するそうです。口紅に見せかけた銃や、隠しカメラが仕込まれた財布、盗聴器や暗号マシンなどが出品されるようで、少し古い時代のものとはいえ、数十年前まで実際に使われていたと思うと興味深いです。

出品されるのは、コロナパンデミックの影響で閉館したニューヨークの『KGBスパイ博物館』に先日まで展示されていた品々。落札予想価格は、数百ドル〜1万ドル程度と比較的参加しやすいようです。ミッション・インポッシブルならぬ、スパイ大作戦ファンだった皆さま、WEBで中継される競売の様子を冷やかしてみてはいかがでしょうか。

オークションの楽しみは、自分にとってのお宝探し。歴史的価値、市場価値とは違う、自分価値の探求は、心豊かに生きていくための基本だと思います。最近では美術分野でも、オークションでの人気が専門家による作品評価に影響を与えるといった『オークション主導』となるケースも多くなっているそうですし、やはり自分の好きなものを大切にする感性は大切にしたいものです。

サムライオークションにも、蒸気機関車のプレートなど、マニアックなアンティーク品が公開されています。

《▼『アンティーク品』での検索結果はこちらです》

お時間のある時にぜひご覧ください。

【骨董市場ドリーム《ヴィヴィアン・マイヤーを探して》】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

アメリカの骨董市場で、価値が無いと思われていた出品の魅力を再発見し、多くの人に認められて、映画になった《ヴィヴィアン・マイヤーを探して》をご存知ですか? 

▼《ヴィヴィアン・マイヤーを探して》

キネノート映画データベース

この映画は、ジョン・マルーフという青年が、郷土史の執筆にあたって、資料用に大量のネガ・フィルムを骨董市場で競り落としたところからスタートします。ダンボール箱に粗雑に詰め込まれたフィルムの中に、昔のシカゴの街並みが写っているのではないかと考えたようです。落札価格は380ドル。

ところが、画像は昔の街並みなどではなく、人物のスナップ写真が中心。その画像の魅力に気づいたマルーフ青年は、撮影者のヴィヴィアン・マイヤーを検索してみますが手がかりは全くなく、とりあえず200枚ほどの画像をネット上に公開しました。すると、その写真が爆発的な反響を呼び、自らの評価に確信を持ちます。

今まで全く人の目に触れてこなかった魅力的な作品を、少しでも多くの人に見て欲しい。10万枚のネガフィルム、700本の未現像のカラーフィルム、2千本の未現像モノクロフィルムを前に呆然とした彼は、画像の整理と保存をMOMAなどの美術館に頼ろうとします。しかし、門前払い。そこで、自分一人で見も知らぬ写真家の作品整理に取り組む決意をした彼は、少しずつ画像を整理しながら、展示会を開き写真集を発行を目指します。

シカゴ文化センターで開かれた《ヴィヴィアン・マイヤー》展は、なんと同センターの美術展史上、最高の来場者数を記録。ここから本格的な伝説が始まりました。映画の中で、世界的に著名な写真家ジョエル・マイヤーウィッツやメアリー・エレン・マークが、全く無名の彼女の作品を絶賛。生前に作品を発表していれば、間違いなく評価されていたはずだと話していました。

そこで、映画のはじめのシーンです。貸倉庫に眠っていたフィルムが売りに出され、二束三文で買い取った主人公。フリーマーケット好きで、普段からいろいろなモノを物色していたそうですが、本人いわく、価値あるものを見つけ出すセンスがあるのだとか。それはともかく、無名な作家の作品であろうと、タダ同然の値段がついていようとも、何か惹かれるものがあるのなら、たまには自分を信じて、思い切ってみても良いのではないでしょうか。

信じるのは自らの審美眼。他人の判断や客観的な指標ではなく、『自分が良いと感じた感受性』を信じてみることから、新しい何かが始まる気がします。 サムライオークションにも有名・無名さまざまな作家さんの作品が出品されています。お手頃な価格帯が中心なので、お時間のある時には、ぜひ新しい作品との出会いを楽しんでみてください!

【誰が何を書いているのか《書を楽しむ》】

こんにちは!《骨董・美術品専門のオークションサイト》サムライオークション、スタッフの利休です。

先日、将棋の藤井聡太二冠が王位戦で書いた『封じ手』がオークションに出品されました。その金額は2局分2通で総額2050万1000円。興味深いのが、将棋ファンの間でもその価値について、意見が分かれていることです。

王位奪取を決めた第4局の封じ手は1500万円で落札。その1手の大胆さもあって高値がついたのですが、第2局分を550万1000円で落札した人物は取材に答えて『藤井棋士の初めての封じ手』だから、自分は一番価値があると思って落札したと話していました。

確かにセオリー通り考えれば、どのようなジャンルのオークションでも『初』にまつわる出品は高値が付きます。しかし、今回はその封じ手の物語性に、より強い魅力を感じたファンが多かったということでしょう。

この『封じ手』のようなオークション出品の場合、その価値を決めるのは紛れもなく入札者の思い入れ。まだ若い藤井二冠ゆえに、今後の活躍次第でその価値はさらに上がってゆく可能性はありますが、古美術品などに比べればマーケットは狭いでしょうから、投資目的で入札する人は少ないと思います。

自分の思い入れに従って、お財布の範囲内で入札するというのが、一般人のオークションの楽しみ方。そんな王道の楽しみ方がしやすい作品ジャンルに『書』があります。

書は、《誰が》《何を》《どのように》書いたのかを楽しむものです。歴史上の偉人など《誰が》に強くこだわりを持つ方もいるでしょうし、その見た目の表現《どのように》に惹かれる方も多いと思いますが、結局のところ書の評価は『主観』によるところが大きくなります。

つまり、その作品を評価する人がどのような価値観を持っているか、その人にとってその書かれた言葉がどのような意味を持つか、といった鑑賞者の思い入れによって、その価値は大きく変わります。それゆえに、万人にとって共通の客観的な価値をつけることが難しく、それが商業オークションで作品が売買されにくくなってしまうひとつの理由だと思います。

ですが、だからこそ他人の評価を気にせずに、自分の価値観・思い入れによって値段をつけて入札すれば良いのです。そこには失敗という概念はありません。歴史を学んで憧れの人物ができたなら、その人物がしたためた《書》が市場に流通していれば、入札にチャレンジしてみましょう! もしもそんな《書》が身近にあったなら、きっとあなたの毎日に少しの力を与えてくれるはずです。

現在、サムライオークションには、歴史上の偉人が残した『書』が多数公開されています。
《『書』での検索結果・作品はこちらです》

時間のある時にぜひご覧ください。

贋作に価値は無いのか?

こんにちは!《骨董品・美術品専門のオークションサイト》サムライオークションスタッフの井戸です。

2020年5月26日のブログにも同じテーマの内容のブログがありますが、私なりに記事を書いてみました。

美術品に付きまとう問題のひとつに贋作があります。贋作とは偽物という意味です。手に入れたものが贋作だったらがっかりしてしまうかもしれません。しかし美術の世界では、見る人の目を唸らせる程の贋作に対して、その技術に高い値がつけられることも少なくありません。

そんな贋作を通じて映し出される人間模様を描いた、『嘘八百』という骨董品がテーマのコメディ映画があります。イカサマ古物商の小池則夫と、落ちぶれた天才陶芸家の野田佐輔の二人は、大手美術商に騙された共通の過去を持ちます。意気投合した二人が各分野のスペシャリストを率い、「幻の千利休の茶器」の贋作を作り出して大手美術商への復讐劇を企てる、というお話です。

物語の結末は映画を観ていただくとして、贋作のように「真似をすること」を芸術家はどのように考えるのでしょうか。ピカソは「凡人は模倣し天才は盗む」という言葉を残しました。サルバドール・ダリは「何も真似したくないと思う者は、何も生み出さない」という言葉を残しました。人は真似をすることで学び、それを活かして成長していくというメッセージです。

美術品を見るとき、偽物に騙されたくないと変に力が入っていませんか?本物と見分けがつかないほど似せられた作品にも、背景には深い物語があるかもしれません。その人にとって精神的な価値があれば、それは良作だと言えるでしょう。製造から人の手に渡るまでのストーリーによっては、本物を超える価値にもなり得るのです。

映画の中で、小池則夫が贋作の茶器でカフェオレを飲みながら「カフェオレが映えない」と野田佐輔にボヤき、ニヤニヤしながら飲むシーンがあります。二人の物語が始まる場面に居合わせた贋作です。ひとつの骨董品をこんな風に楽しむことができれば最高ですね。

※もちろん当社としては、贋作を容認したりオススメしているわけではありませんので、あしからずご了承くださいませ